千の酒と、千の店

利き酒師、ワインエキスパート、フードアナリスト等、様々な資格を持つ酒好き会社員が、全て自腹で訪れた東京~埼玉の
数千軒の中から、美味しいお酒の店を選んでご紹介。約380店を最寄駅で検索できる「記事の索引」や、お酒コラムもあり!

食事の店

冷涼ワインの聖地、六本木「プロヴィナージュ」 (13/3/27)

プロヴィナージュ_外観神田や新橋をはじめとして、最近は格安ワイン居酒屋が注目されている。ワインに親しめる環境が広まるのは嬉しい限りだが、たまには本物のワインの美味しさに触れてみるのも、素晴らしい体験になるはずだ。

ワインの奥深さを垣間見せてくれる店として、ワイン好きにお勧めしたいのが、六本木の「プロヴィナージュ」だ。
場所は、六本木ヒルズから六本木通りを渋谷方面へ約200mほど進んだ左側。店はビルの2
階なので目立たないが、六本木六丁目のバス停を過ぎてすぐ左手なので、それを目印にするといい。
続きを読む

酒と肴を存分に楽しめる銘酒蕎麦屋、神田「周」 (12/12/27)

「大晦日は、やっぱり年越し蕎麦!」と決めている人は多いだろう。自分も毎年、大晦日は蕎麦屋で過ごすのが常だ。
酒飲みにとって蕎麦屋の楽しみは、蕎麦よりむしろ蕎麦前かもしれない。そんな人にオススメしたい、酒と肴を存分に楽しめる蕎麦屋が、神田の「(あまね)」だ。

場所は、JR神田駅の西口を出て左に進み、六差路の信号を「楽和 きら天」右側の道へ曲がって、最初の角を左折。焼鳥「秋吉」の正面の路地を右に折れると、4軒目の左側にある。
続きを読む

絶品の和食を立ち飲みで!割烹「銀座 しまだ」 (12/11/29)

「ブックオフ」の創業者だった坂本孝さんが、バリュークリエイト(株)を起こして飲食業に参入したのは、2009年 11月。一流シェフを起用した立ち食いチェーン、「俺のイタリアン」と「俺のフレンチ」で話題をさらい、外食業界の価格破壊と呼ばれた。

その坂本さんが、次に狙いを定めたのが和食だ。2012年1月、「銀座 しまだ」をオープンするや、こちらも行列のできる立ち食い割烹として、様々なメディアで取り上げられた。
料理長の島田博司さんは、京都の老舗割烹やラッフルズホテル系列、ミシュラン3つ星の「麻布 幸村」などで、20年以上の修業を重ねた料理人だ。

店の場所は、外堀通りを数寄屋橋方面から銀座8丁目へ向かい、リクルートGINZA8ビル手前の信号を右折、すぐ右手の路地を入って左側4軒目だ。
続きを読む

美酒が映える和食と鮨の店、銀座「智映」 (2012/10/24)

智映_看板安い居酒屋は手軽さが魅力だが、たまにはもう少しレベルの高い料理に美酒を合わせたい日もあるだろう。
キレイな白木のカウンター割烹で、旬の魚料理に舌鼓を打ちつつ美酒に酔いしれ、〆に美味しい鮨でも軽くつまめれば最高だが、そんな至福の時を過ごせば結構なお値段になる。まして、それが銀座ならなおさらだ。
そんな日は、お気に入りの酒と1万円ほどを持って、銀座7丁目の割烹「智映(ちえい)」を訪れたい。

場所は、銀座の西五番街を新橋方面へ直進し、「バーニーズ・ニューヨーク銀座店」を過ぎると、左側2軒目のビルの地下にある。続きを読む

食事もワインも全ておまかせ!六本木「小田島」 (12/4/10)

普段は手頃なお店で、それなりに美味しい料理とお酒をいただければ十分幸せになれるが、たまにはちょっと贅沢したい時もある。
黙って座れば、美味しい和食と美味しいワインが次々と出て来る、そんな至福の店が六本木の裏通りにある「小田島」だ。

最近でこそ和食にワインという組み合わせも珍しくないが、35年以上前からそれを提唱してきた草分け的な存在が、オーナー・シェフの小田島稔さんだ。
続きを読む

和食と燗酒のマリアージュ!浦和「食と燗 くら川」 (12/4/3)

くら川_外観料理とお酒の相性は大切だが、ワインではなく日本酒でそこまで気を遣ってくれる店は、まだまだ少ない。美味しい料理を食べながら、それに合った日本酒が飲め、しかも気負わずに訪れることができそうなタイプの店となると、かなり数は絞られるだろう。
浦和駅近くの路地裏にひっそりと構える「食と燗 くら川」は、そんな希望に応えてくれる嬉しい店だ。
続きを読む

超人気の朝食に、ワインも似合う!渋谷「VIRON」 (12/1/10)

渋谷は若者の街という印象が強いが、一時に比べれば最近は大人が落ち着けるエリアが増えたように思う。
中でも東急本店から松濤にかけては、昔から大人向きのエリアだった。飲食店も、目立たないながら上質な店がぽつぽつと散在していたのがこのあたりだ。

東急本店の向かいに、フランス風パンの店「VIRON(ヴィロン)」がオープンしたのは2003年6月。
VIRONは、フランスのパリ郊外にある製粉会社の名前だ。パン屋の3代目に生まれた西川隆博さんが、本場フランスのパンを食べ歩いた際に、VIRONの「レトロドール」というバゲットの美味しさに感動。この美味しさを日本の人に味わってほしいと思い、この店を立ち上げたのだ。続きを読む

手作りの家庭料理がオール300円!新橋「大露路」 (11/3/8)

大露路_外観このブログでは、美味しいお酒を豊富に揃えたお店を中心に掲載しているので、その条件を満たさない店を紹介することはほとんどないのだが、今回は例外

安い居酒屋がひしめく新橋にあって、「最強」の呼び声もある大衆酒場「大露路」は、紹介しないわけにいかない。すべて手作りの家庭料理50品余りが全品300円均一、それでいてボリュームたっぷりで味も悪くないのだから、開店してすぐ満席になるのも無理はない。
続きを読む

2010年の残念だった店 (11/1/18)

今年最初の紹介店が「残念な店」というのも気が引けたんで、とりあえず前回はオススメできる店を掲載したが、やっぱり恒例の「残念だった店」をスルーしてしまうのは忍びない。遅ればせながら、「2010年の残念だった店」を掲載してしまおう。

1年間たくさんの店に足を運んでいれば、当たりもあるがハズレもある。ブログでは当たりを選んでご紹介しているが、1年の棚卸しを兼ねて、1回だけハズレの店(特に、ちまたでは評判が高いのに…?という店)へ言いたいことを言わせてもらっている。
これはあくまで個人の感想なんで、反対意見も多々あるだろうことを前提に読んでほしい。
続きを読む

コスパが高い新橋の創作和食「旬風うらら」 (11/1/12)

※「旬風うらら」は2011年8月12日に閉店し、同年10月1日に栃木県足利市の「叢林」内に新生オープンした。

なぜこの店が、TVや雑誌で紹介されないのか不思議だ。連日ほぼ満席という状況なので、もしかすると取材を断っているのかもしれない。そう思わせるのは、新橋の少しはずれにある、創作和食の「旬風URARA」だ。
続きを読む

元祖ハヤシライスは、やっぱり王道の味。丸の内「M&C Cafe」 (10/9/27)

最近の読者はご存じないかもしれないが、このブログではごくたまにお酒の店以外もご紹介している。多くはカレーかハヤシライスの店なのだが、これは自分が「お酒を飲んだ翌日に食べたくなる料理」だという理由からだ。
ということで、お酒目当ての方には恐縮だが、今日は久々にハヤシライスの店をとり上げたい。

これまで、京橋のモルチェDozen Roses、銀座の煉瓦亭資生堂パーラー、六本木の東京ハヤシライス倶楽部などをご紹介して来たが、今回はハヤシライスの元祖とも言われる「丸善」だ。

一説に、ハヤシライスの考案者と言われているのが、「丸善」の創業者である早矢仕有的(はやし・ゆうてき)だが、実は当の丸善もはっきりと認めていない。
早矢仕有的は元は医師だったが、福沢諭吉の門下生として英語を学び、西洋の医学書を翻訳したりしていた人物だ。やがて横浜に書店「丸屋商社」を開業して、洋書の輸入販売をしているうちに事業が拡大し、そちらが本業になってしまった。これが現在の「丸善」になる。

「丸善」は1952年に、戦災で焼けた日本橋の本社屋を新築し、2年後に屋上でレストランを開業した。そこで昔、有的が発案して栄養失調の患者や周囲の人たちに振舞っていた料理を、「早矢仕ライス」と名付けて提供したのが、そもそもの発祥と言われている。
一方、有的が通っていた神田の洋食屋「三河屋」で出していた「ハッシュ・ビーフ」が人気で、それをライスと合わせて出しただけという主張もある。「発祥の店」については、ほかにもいくつかの説があるようだ。

真偽のほどは定かではないが、いずれにせよ丸善では当時からずっと「早矢仕ライス」を看板料理にしている。
本店は2004年9月14日、再開発のため丸の内「OAZO」へ移転し、日本橋の社屋はその後、2007年3月9日に「日本橋店」として生まれ変わった
現在、「丸善」の丸の内本店では、4階の「M&C Cafe」で「早矢仕ライス」が食べられる。厳密には「丸善」の経営ではないため、味やサービスがどの程度継承されているのか不明だが、とりあえずは「元祖」に敬意を表して食べてみた。

場所は、東京駅の丸の内駅前北側の線路沿い。OAZOに入っている「丸善」のエスカレーターを4階まで上がると、正面に「M&C Cafe」がある。
もちろん、メニューはハヤシライス以外にも色々あるのだが、やはりこれが一番人気。現在、スタンダードな「早矢仕ライス」(1,000円)以外に、「早矢仕andカレー二色盛り」( 1,150円 )、「早矢仕オムライス」(1,200円)、「サーロインステーキ早矢仕ライス」(1,800円 )…など、いくつかのバリエーションがある。

自分が食べてみたのは、「カマンベールチーズ早矢仕ライス」(1,300円)。「プレミアム早矢士ライス」というのもあるが、具の量が多いだけという噂を聞いたので、二の足を踏んでしまった…
ラグビーボール型のご飯にデミグラスソース、それに白カビ部分も付いたものと、ソフトな内側部分だけのカマンベールチーズ2切れが添えられていた。

ハヤシライス自体は、値段相応の美味しさがある。やや甘酸っぱいソースは万人受けしそうで、ハヤシライスの王道といった感じ。
軽すぎず重すぎずというボリューム感や、熱々でないところも自分には有り難かった。女性や年配のお客も多いところに配慮したのかもしれないが、逆に食欲旺盛な男性などには物足りないかもしれない。
付け合わせもないシンプルな一皿だが、正直言ってカマンベールチーズとの相性は今ひとつ。「ボンディ」のカレーのように、ソースのコクを増すためのチーズかと期待したのだが、そこまで一体化したものではなかった。これなら野菜の早矢仕ライスの方が自分の好みったかも…

店はキレイだし、書店の一角ということもあって落ち着いた雰囲気だ。窓際の席だと、目の前が線路と八重洲ビル群という眺めもなかなか。午後のひと時をゆったり過ごすには、おすすめの店と言えるだろう。

→ぐるなび/M&C Cafe 丸の内店
http://r.gnavi.co.jp/a186425/

蕎麦には日本酒、燗ならなお良し!伊奈「蕎麦きり さいとう」 (10/8/23)

自宅からほど近い伊奈町に、旨い日本酒が飲める蕎麦屋があると聞いて、足を延ばしてみた。
ニューシャトル・伊奈中央駅を降り、高架下を横切る道を左に進むと、「伊奈中央駅入口」交差点の右手前にあるコンクリート打ちっぱなしの店が、「蕎麦きり さいとう」だ。

外観も内装も、一見カフェかレストランのよう。中に入るとすぐ目の前に、8人掛けのテーブルが、右手に4人用のテーブルがある。正面奥が厨房になっており、蕎麦を打つスペースはガラス張り。横には石臼も置かれている。
左側は小上がりになっていて、4人用の座卓が2卓。向かいの棚には、蕎麦や日本酒の書籍類と、色紙3枚(漫画『そばもん』の山本おさむ氏、『夏子の酒』『蔵人』の尾瀬あきら氏、造り酒屋の四男でもある俳優の笹野高史氏)が飾られている。
フロアでは、女性と若い男性がサービスを担当していた。

この店は、元々「純手打そば一茶」として、もっと蓮田寄りの場所で23年間も営業していたそうだ。それを二代目の齋藤健司さんが継いで、2004年7月に現在の場所に移転した。
以前の店名からは、砂場、藪、更科に次ぐ蕎麦屋の老舗として名高い一茶庵系の店と推測されるが、確かめたわけではない。
蕎麦は石臼で自家製粉し、そば粉10に対して小麦粉2を混ぜた「外二」が中心だ。小麦粉を加えずに水だけで打った十割蕎麦も用意されている。

日本酒は純米酒のみで、すべて1合650円。定番は、辨天娘(べんてんむすめ)、神亀「ひこ孫」3年熟成、生もとのどぶ、小笹屋竹鶴・純米原酒というヘビー級の4銘柄。これに月替わりの「今月のお酒」が加わり、8月は旭菊の「綾花」となっている。
しっかりとした手応えがあって燗上りする酒の代表格ばかりで、お燗で飲んでほしいという齋藤さんの意図がありあり。「黒龍」や「十四代」といったすっきり系の酒が飲みたい人は、ほかの店に行ってくれという硬骨漢だ。冷やで頼んでも、日本酒は片口と杯(さかずき)で提供される。

蕎麦メニューはホームページで確認できるが、かけそば、せいろ(各650円)から穴子天付かけ(1,400円)まで16種類ほどがあり、全てのメニューは、100円増しで十割蕎麦にできる。
丼物は、天丼(800円)と上天丼(1,300円)の2種類、ほかに焼き味噌(300円)、鶏皮の味噌煮込み(600円)、玉子焼き(700円)、合鴨ロース(750円)、穴子の白焼き(800円)…といったおつまみが11種類ある。

自分は特に蕎麦っ喰いというわけではないが、この値段なら充分に納得できる美味しさだ。もり汁はかなり辛め。蕎麦は意外とボリュームがあるので、おつまみを幾つもつまんでしまうと、種物の蕎麦はきつくなるかもしれない。ランチはご飯物とのセットが4種類(900円~1,100円)ある。

店では2~3ヶ月に1回のペースで「十割蕎麦と純米酒を楽しむ会」を催しており、これがかなり魅力的だ(会費5,000円)。
第1回(09/7/20)のゲストは、「睡龍」久保本家の加藤克則杜氏と、大宮の純米酒専門店・池田屋酒店の池上徹氏。
第2回(09/10/18)のゲストは、「辨天娘」太田酒造場の太田義人社長と、浦和在住の漫画家・尾瀬あきら氏。
前回(10/7/10)のゲストは、神亀酒造の名物専務・小川原良征氏…という豪華さ。日本酒の仕込み時期である冬場はゲストなしだが、地酒ファンには気になるイベントだ。

→蕎麦きり さいとう
http://www.soba-kiri.com/

元祖ワイン系ビストロ、銀座「オザミ・デ・ヴァン」 (10/6/29)

の数ほどあるワインバーやビストロの中でも、銀座のOLに知れ渡っている有名店が「オザミ・デ・ヴァン」だ。
「ワインの友達」という店名が示す通り、気取らない雰囲気と手頃な価格で、美味しい料理とワインを提供してくれる。
銀座2丁目の裏通りという立地は、銀座っぽくはないが、逆に居場所を忘れさせてくれるし(パリの下町にいる気分?)、コスト・パフォーマンスの高さにもつながっているのだろう。

場所は、銀座ベルビア館の裏にあるスペインバル「バニュルス」(ここも系列店)の路地を入った左側3軒目。テラスの部分にもテーブルが2卓置かれた、オープンな造りが目印だ。

入ると、1階はコース主体のレストランで、サービス・カウンターと4人用のテーブルが10卓くらい。狭い階段を昇った2階は、アラカルト主体のブラッセリー。3階は個室としても利用できそうなワインバーで、セミオープンテラス風の造りになっており、昼は太陽をあびながら、夜は星空を眺めながらワインや食事を楽しめる。席数は全部で66席ほどらしい。

開店した1997年9月の時点では2階までしかなかったが、98年11月から3階もオープンした。
ワインを飲みながら料理をつまんだり、ちょっとしたディナーにも十分対応できるとあって、雑誌などのメディアでも数多く取り上げられ、銀座のOLの間で不動の人気店となり、たちまち系列店が広がった。一昨年ご紹介したヴァンピックル銀座も姉妹店の1つだ。

ワインは、フランスを中心にグラスで40種類以上、ボトルで800種以上を常時取り揃えるという豊富さ。チーズも常時15種以上揃えている。分厚いワインリストは36ページにわたってびっしりと銘柄が記載されており、余程のワインマニアでない限り、自力でのチョイスは無謀だ。

コース料理は、「プリフィックスコース」と「シェフお任せコース」の2種類。プリフィックスコースは、前菜2皿とメインディッシュ、デザートをそれぞれ10数種類の中から選ぶという内容で5,250円。
月替わりのシェフお任せコースは、アミューズ、前菜2皿、魚料理、グラニテ、肉料理、デザートという内容で7,350円。

現在はこれに開店12周年記念のオプション・プランが加わっており、これがおススメなのだ。このプランは、お任せコースの1皿ごとにグラスワインをセットしてくれるというもので、価格は40mlグラス×5杯の場合で10,000円、70mlグラス×5杯の場合で11,025円。
料理にピッタリ合ったワインが計5種類も付いてくるというのは、ワイン好きにはたまらない

白2杯と赤2杯に、シャンパンまたはデザートワインのどちらかを選べるという構成だが、ワインの質がいいのだ。前菜こそ無難な地区名ワインだったが、その後はサントネーシャサーヌ・モンラッシェ、最後はAOCマルゴーの3級・シャトー・ジスクールまで出て来て驚かされた。3,675円の追加(70mlの場合)なら、1杯あたりわずか735円。それで、これだけのワインが飲めるというのは、絶対見逃せないと思う。

もちろん料理も評判通り、ビストロと思えないほど本格的なレベルで満足できる。ラストオーダーが深夜2時と、銀座としてはかなり遅いのもありがたい。
初回はコースで一通り把握し、2回目からはプリフィックスやアラカルトで好みの料理を楽しむというのが賢い利用法だろう。
土、日、祝日のみに営業しているランチも、更に安くて(1,890円~4,725円)人気があるらしい

→オザミ・デ・ヴァン
http://auxamis.com/desvins/

山形の地酒と山菜の店、新橋「そば処 美良」 (10/4/21)

おいしい地酒を揃えた蕎麦屋は多い。たいていは店の雰囲気で何となくそれと察せられるものだが、中には意外な店もある。
新橋のはずれにある「そば処 美良(みよし)」は、全16席たらずの小さな蕎麦屋で、メニューも少ない。知らなければ通り過ぎてしまうような店だが、初夏が近付くとここでちょっと一杯やりたくなる、独特のキャラクターの店だ。

場所は、JR新橋駅烏森口を出て、新橋西口通りのアーケードを入る。そのまま真っすぐ400mほど歩いて、「スーパーホテル新橋」を過ぎると左側にある。駅からは徒歩5分くらいだ。

入口を入ると、すぐ左側に階段があり、その裏に4人用テーブルが1卓、右側に2卓と、2人用テーブルが2卓だけ。トイレは2階にある。
2001年の夏まで蒲田にあったが、そのあと新橋に移転。年配のご夫婦お2人で営んでいて、ご主人が調理、女将さんが接客を担当している。

出身が山形とのことで、山形蕎麦を掲げている。山形の蕎麦と言えば、杉板の箱に盛られた「板そば」が有名だ。ざるではなく、長方形の浅い木箱に多めの蕎麦を薄く広げたもので、水分をよく吸収する点が蕎麦に適しているらしい。
ここの蕎麦は、「山形蕎麦」とは言っても板そばではなく、ざるに乗った更科系の真っ白なもの。甘皮やそば殻を含まない上品な味で、腰があってなめらかだ。

蕎麦粉は、山形の西蔵王、尾花沢、白鷹、福島の会津磐梯山南西斜面、岩手の雫石、北海道の十勝幌加内産の一番粉を使用している。蕎麦つゆはけっこう濃い。
ざる、なめこおろしそば、天ざる、ざる中華…など、冷たい蕎麦と温かい蕎麦がそれぞれ4~5種類ずつあるが、客のほとんどは冷たい蕎麦を注文する。価格は850円~1,400円ほどで、大盛り(1.5倍)は300円増し。

は酒と肴が楽しめるが、メニューには蕎麦以外書かれていない。壁の貼り紙を見るか、女将さんに聞いて注文する。
日本酒は山形の地酒ばかり約10種類、ほとんどが純米酒か純米吟醸酒だ。銘柄は、さらり・純米(500円)、山法師・純米(700円)、寒河江の荘・純米(700円)、蔵の隠し酒・あらばしり生酒(800円)、雪道遥・純米吟醸(800円)、杜氏の蔵隠・純米吟醸(800円)、六歌仙・純米吟醸(850円)、山法師・純米吟醸(950円)、手間暇・大吟醸(1,000円)、虎の子・純米吟醸(1,200円)。
芋焼酎(600円)も置いてあるが、これはさすがに山形産ではない

日本酒は、お椀サイズの蕎麦猪口で豪快に出される。分量は正一合。お酒は全部飲まずに少し残しておき、これに軽く蕎麦をつけて食べるのが美良流だ。初めての客に女将さんが必ず勧める方法だが、これは素直に従ってみると、新しい発見になるに違いない。

肴は山形の山菜ばかり。種類は季節によって変わるが、東京では聞き慣れない名前のものも多い。紅葉傘(しどけ)、草蘇鉄(こごみ)、山浅葱(やまあさつき)、愛子(あいこ)、甘野老(あまどころ)、山独活(山うど)、葉山葵(はわさび)、行者大蒜(ぎょうじゃにんにく)…等々。

先週あったのは、ふきのとう酢みそ和え(400円)、食用菊「もってのほか」の三杯酢(500円)、アケビのみそ炒め(500円)、うるいの味噌マヨネーズ和え(500円)、あさつきの酢みそ和え(600円)…など8種類くらい。山菜以外では、板わさや自家製チャーシューの細切りがある。
化学調味料や添加物は使わないようにしているそうで、どれもみんな想像以上に美味しかった。

狭い店ということもあって、女将さんはもちろん、隣席の客と仲良くなってしまうことも珍しくない。(写真のお客たちも、みんな初対面。)一人で静かに飲みたい人には向かないかもしれないが、好みにハマれば通いたくなろうというものだ。
つまみが山の幸ばかりというところがユニークだが、これからの季節、山形の地酒と旬の山菜を堪能するにはもってこいだろう。

→ぐるなび:そば処 美良
http://rp.gnavi.co.jp/ns/5282818/

銘酒居酒屋も顔負け!西日暮里「稲毛屋」 (10/2/16)

蕎麦屋で日本酒というのは、よくあるパターンだが、銘酒を揃えた鰻屋というのは、ちょっと珍しい。西日暮里と千駄木の間にある「稲毛屋」は、老舗の鰻屋にもかかわらず、銘酒が格安で飲める居酒屋として人気になっている。

場所は、西日暮里駅の改札を出て、道灌山通りを左(千駄木方面)へ350mほど直進し、「道灌山下」交差点に突き当ったら、不忍通りを右に進んで30mほどの右手にある。
千駄木駅からだと、2番出口を出て不忍通りを駒込方面へ450mほど直進した右側だ。どちらの駅からも、徒歩7分程度の距離にある。

創業は昭和2年。無類の酒好きとして知られた落語の名人、古今亭志ん生がご贔屓の店だったことでも知られている。今の店主で三代目だそうだ。
店の1階は、カウンター4席にテーブルが6卓くらい、2階はフローリングの座敷になっている。照明は明る過ぎず、居酒屋としても十分成り立つ造りだ。

日本酒は、純米と純米吟醸ばかり40種類ほどある。お燗以外は、黒塗りの升に入れられたグラスに、少し溢れさせて注がれる。量は120mlくらいだと思うが、価格ともかく安い
純米吟醸酒の黒龍、貴、萩錦、白露垂珠…、純米酒の田酒、天青、飛露喜、八海山、雨後の月、志太泉、宝剣、奈良萬、龍力、初孫、辨天娘…といった銘柄が、すべて480円なのだ。臨時入荷雪鶴、長陽福娘、あぶくま…なども、すべて純米吟醸で480円だった。

而今陸奥八仙は一押しの銘柄らしく、それぞれ数種類の中から日替わりで入り、これも480円から。

中には550円の銘柄もあるが、悦凱陣の純米と、松の寿、正雪、緑の英君の純米吟醸くらいだ。
更にすごいのは「日替わり地酒」で、なんと1杯250円(ただし、これはグラスから溢れさせない)。先週は豊香渡舟だった。

お燗用のお酒は、小650円、大1,300円になる。こちらも竹鶴、鷹勇、澤姫、きもとのどぶ…など、錚々たる面々。「お試し燗酒」なら小450円、大900円と、こちらも格安品が用意されている。

チェイサーは「やわらぎ水」として250円かかるが、酒蔵(先週は「貴」)の仕込み水を500mlは入りそうなピッチャーにたっぷり注いでくれるので文句はない。確認したわけではないが、お通しは無料らしい。

おまけに、日本酒以外にも見逃せない酒が揃っている。焼酎は、佐藤の黒、魔王、伊佐美…などが600円、百年の孤独でも700円。(ボトルも7種類あり)
ウィスキーでは、なんとイチローズ・モルトのカードシリーズ(エイト・オブ・ハーツと、テン・オブ・クラブス)が置いてあった。こんな鰻屋は、おそらく全国でもここだけだろう。しかもグラス千円という安さだが、さすがにこれは常連限定という話だ。

肝心の鰻はと言うと、鰻の大きさこそ少々物足りないが、ノーマル、和風、関西風と3種類の鰻丼(1,500円)がある。ノーマルは蒸して焼いたもの、和風は蒸した鰻にアサツキと海苔を載せたもの、関西風は蒸さずに焼いたものだ。人気のメニューは、ひつまぶし(2,500円)。酒の肴としては、にこごり(500円)やミニ白焼き(850円)が手頃だ。

鰻の産地は日によって変わるため、壁に貼り出されている。鰻は20時頃になると品切れになってくるので、食べたければ早めに注文するか、予約しておいた方がいい。種類は限られるが焼鳥など軽い酒の肴もあり、ホームページでも参照できる。

店では定期的に日本酒の会を開催しているが、これも相当な人気。ホームページに掲載されている分はすべて満員御礼になっている。(個人的には、これから募集が始まる6月7日の「而今の会」に目をつけている。)

もはや鰻と酒のどちらが主役か分からないほどの店だが、惜しむらくは閉店が21時頃と早いことだ。
いや、呑み始めると止まらない飲兵衛にとっては、むしろこれくらいで締めてもらった方が有り難いか?

→稲毛屋
http://www006.upp.so-net.ne.jp/inageya/

コストパフォーマンス抜群!武蔵浦和「Bistro un」 (2009/11/19)

今日は、ボジョレ・ヌーボーの解禁日。一時ほど騒がれなくなったが、今夜は多くの人がワインを飲みに行くに違いない。
ワイン好きにとって、美味しいワインが安く飲める店ほど嬉しい店はない。都内では家賃の高さもあってなかなか難しいが、郊外だとたまに掘り出し物の店がある。武蔵浦和にある「Bistro un」は、そんな嬉しい店のひとつだ。

場所は、JR武蔵野線の武蔵浦和駅の高架沿い。埼京線の武蔵浦和駅からだと、両線が交差しているあたりで武蔵野線の高架をくぐり、右に折れるとすぐ右側にある。

オープンしたのは、2004年12月7日。当初から安くて美味しいビストロとして人気があったが、2009年の4月1日に全面禁煙に踏み切ってから、一層評価が高まった。

ドアを開けると、フロアとの仕切りがあり、その向こうにテーブルが4卓、奥のカウンター(オープンキッチン)に6席。右手の奥が半個室の小上がりになっていて、そこにはなんと堀ごたつ式の座卓が1卓ある。
ビストロで小上がりというのも珍しいが、食事を気軽に楽しんで欲しいというこの店ならではだろう。子供連れのお客には有難いかもしれない。この店では、料理もお箸でいただくスタイルなのだ。

料理はフレンチをベースとしているものの、スパゲティや和牛のタタキなどもある。オーガニックな食材を心がけているそうで、ワインもフランス、イタリア、アルゼンチンなどのオーガニックワインが中心だ。

コース料理が、2,500円(オードブル数種、サラダ、魚料理、肉料理)、3,000円(上記+デザート)、3,500円(上記+温製オードブル)という手軽さ。アラカルトも550円~850円くらいがほとんどだ。
児玉ポークのリエット(550円)、ラタトュイユのグラタン(650円)、鮮魚の香草焼き(750円)、ペペロンチーノ(750円)、 鮮魚のカルパッチョ(800円)、和牛のタタキ(850円) 、各種デザート(500円~)…など。和牛サーロインは別格の3,000円(ハーフあり)。

ワインはグラス500円、ボトル2,000円からあるのだが、フロアの端にあるワイン保冷庫を覗くと、優良ワインやシャンパンに信じがたい安値が付けられている。
ラ・ジブリオット/ジュブレ・シャンベルタン2004年(5,300円)、ロベール・シリュグ/ヴォーヌロマネ プルミエ・クリュ レ・プティ・モン2001年(7,500円)。ランソン(5,500円)、ヴーヴ・クリコ(7,500円)。
ワイン好きなら、都内からでも通い詰めたいほどの破格値だ。

ワイン以外のお酒も柔軟性があり、生ビール(500円)、日本酒(550円~)、焼酎(550円~)、各種カクテル(500円~)、ソフトドリンク(300円~)…といったラインナップで、手頃な居酒屋といった値段。

このワインとこの料理で居酒屋価格というのは、ちょっと考えられない。若いご夫婦で営んでいるようなので、他店がおいそれと真似できるものではないだろう。
気軽にワインを楽しめる店として、ぜひ利用したいビストロだ。

→ぐるなび/Bistro un
http://r.gnavi.co.jp/a365100/

蕎麦、酒、酒肴のすべてが旨い!神田「眠庵」 (09/8/12)

神田界隈の蕎麦好きが、「やぶそば」「まつや」を素通りして通う店がある。普通の蕎麦屋ではない。路地裏で隠れるように営業している、酒・蕎麦・豆腐の店「眠庵」だ。

場所は、神田駅と秋葉原駅の中間にある、神田須田町交差点の裏手。詳しくはホームページに案内があるが、看板らしきものが見当たらないため、最初は通り過ぎてしまう人が多い。ビルの隙間に掛かる、写真の暖簾をくぐって入った正面の建物がそれだ。

大正時代に建てられた古民家をリフォームした店舗は、一見すると古いアパート風。玄関口で靴を脱ぎ、下駄箱に入れて店に上がる。
狭い室内には、4人用のテーブルが2卓と、2人用が1卓のみ。右手の厨房前に4席のカウンターもあるものの、全14席たらずだ。真空管アンプと手作りのスピーカーからは、小さくJAZZが流されている。

店主の柳澤宙(やなぎさわ・ひろし)さんは、元々は微生物学が専門という化粧品会社の研究員だった。偶然出会ったそば職人に刺激を受け、5年かけて蕎麦を研究し、この店を2004年12月24日に開業した。

店の日本酒全て静岡のお酒で、1合が入るグラスで提供される。(お燗も可)価格は420円~840円とかなり良心的なので、純米吟醸などの上質なお酒をぜひ楽しんでほしい。
メニューには振り仮名がつけられていないので、振り仮名つきで銘柄を紹介しよう。なお、お酒は時期によって一部入れ替わるが、酒蔵は静岡を代表する下記14銘柄で変わらない。

磯自慢(いそじまん)・しぼりたて本醸造(480円)、喜久酔(きくよい)・特別本醸造(530円)、國香(こっこう)・特別純米(580円)、萩錦・駿河酔 誉富士(はぎにしき・するがよい ほまれふじ)純米酒(630円)、初亀(はつがめ)・生酒吟醸 亀印(680円)、志太泉(しだいずみ)純米山田錦(680円)、臥龍梅・鳳雛(がりゅうばい・ほうすう)純米吟醸山田錦生原酒(680円)、杉錦(すぎにしき)生もと純米中取り原酒(680円)、高砂(たかさご)山廃純米 無濾過生原酒あらばしり(740円)、白隠正宗(はくいんまさむね)特別純米酒にごり(740円)、小夜衣(さよごろも)地酒工房 誉富士 特別純米酒(680円)、君盃(くんぱい)冷撰夏酒 純米生原酒(740円)、開運(かいうん)あさば一万石・純米吟醸(790円)、正雪・山影純悦(しょうせつ・やまかげじゅんえつ)純米吟醸(790円)…など、20種類ある。

ビールは、サッポロの赤星とキリンのハートランド(各中瓶・530円)、岩手の地ビールメーカー・ベアレンビールの小瓶が3種(740円~840円)ある。
焼酎は、芋が「紫尾の露(しびのつゆ)」、麦が「つくし全麹(ぜんこうじ)」、蕎麦が「十割(とわり))」(各630円)と、種類は少ないものの、こちらもかなりのこだわりようだ。

酒肴も約20種類。210円でわさび漬け、岩のり、味噌ピーが、320円で豆腐、おから煮、大根煮、さより干、うるか…がいただける。ほかに、煮豆腐(420円)や、自家製鴨くんせい(530円)等があり、一番高い「牛肉と大根のバーボン煮」で630円。
豆腐は長野の大豆・ナカセンナリを使った自家製で、塩が添えられるが、そのままでも大豆の濃厚な風味が美味しい。(お通しはおから)「牛肉と大根のバーボン煮」は、牛肉を水とバーボンで4時間煮て、2日寝かせたもの。味がしみ込んだ大根は真っ黒! なるべく日本酒に合うよう、ワインではなく麦が原料のバーボンで煮るところがユニークだ。

蕎麦は、「もり(840円)」と「二種もり(1,160円)」の2種類のみ。毎日異なる2箇所の産地から、蕎麦の実を丸抜き(外皮・そば殻を剥いた状態)で仕入れ、石臼で自家製粉している。年間では、全国数十種類のそば粉を仕入れるという。もちろん、それに合わせて挽き方や打ち方も毎回変える。元が研究職なので、時には電子顕微鏡で蕎麦粉を調べることまであるらしい。

蕎麦つゆはかなり濃く、好き嫌いが分かれそうだが、そば自体は香りが豊かですばらしい。蕎麦好きだと、この香りを楽しむため、つゆをつけずに食べる者もいるそうだ。
「そばがき」と「そば湯」も特筆モノ。絶妙な固さのそばがき(840円)は、蕎麦の香りと旨みに溢れ、ボリュームもたっぷり。そば湯は、白濁していて、かなりトロみがあり、どちらも美味しい

火、木、土のみ、ランチも営業している。
多くのグルメ雑誌などで紹介されたこともあって、昼も夜も満席のことが多い。休業予定や、夜の予約が満席の日はホームページに載るので、確認してから出かけた方がいい。

→眠庵
http://www.nemurian.net/

口コミ・ランキング埼玉No.1の店 (09/6/23)

ご夫婦2人で営むテーブル4卓だけの小さなビストロながら、某有名グルメサイトの「ベストレストラン2008」で、埼玉県の口コミ評価第1位(全国総合でも22位)に選ばれた店が上尾にある。それが、北上尾のビストロ「Maison d'H(メゾン ドゥ アッシュ)」だ。

北上尾は高崎線の下りで大宮から3つ目、1日あたりの乗降客数が1万人ちょっとという小さな駅で(大宮駅は約63万人)、飲食店自体が少ないエリアだ。しかも、店は駅から歩いて12分の場所。
大宮や浦和に何万もの店があるにも関わらず、こんな郊外のビストロが1位の評価を得たことに興味を抱いて、訪れてみた。

店は一見、瀟洒な庭つきの邸宅に見える。テラスにもテーブルが2卓置かれているが、ほとんど飾りに近いらしい。奥様が1人で給仕されているので、室内の4卓だけで手一杯なのだ。

食事は昼も夜も、基本的にコースのみ。コースは3種類あって、いわゆるプリフィクス式だ。オードブルとメインを、それぞれ5種類ほどの料理から選択する。デザートも、「本日のデザート」「仏産チーズの盛り合わせ」「自家製デザートの盛り合わせ」からチョイス

料理もワインも、前評判通り美味しかった。肉料理は焼き方がレア~ミディアムレアくらいで、他店と比べると軽めの焼き加減という印象だが、肉好きな人にはこの方が好みだろう。(逆に嫌いな人にはキツそう。)

ガルニチュール(付け合せ)の量が半端ではないので、肉料理のボリュームはかなりのもの。和牛ホホ肉の煮込みや、牛ヒレ肉のポワレならまだしも、仔羊のローストは骨付き肉が2ピースなので、これに色とりどりのズッキーニがたっぷり添えられると、かなり食べ応えがある。

ワインは4千円程度の手頃なスペインワインを頼んだのだが、料理に合っていて(仔牛料理の定番・メルロー種)美味しかった。小さな店なのに、ワインを80種類以上揃えてあると聞いている。

全体的に満足できる美味しさだったが、ずば抜けているというわけではなく、サービスも本格と言うよりはアットホーム路線。
口コミ・ランキングで埼玉1位になった原因は、どうやらコスト・パフォーマンスの高さにあるようだ。

ディナーコースが、税・サービス料込みで4,400円~7,800円。この日食べたのは、魚料理と肉料理が両方含まれているコースのハーフ(6,000円)だったが、かなりのボリュームだった。特に大食いでなければ、魚料理と肉料理のどちらかを選択するコースのハーフ(4,400円)でも充分だろう。
ハーフと言っても、この店ではフルより少し軽い程度と思っていい。
この味とこの量で、この値段なら、確かに満足度は高そうだ

それだけに常連も多く、定期的に訪れる客も珍しくない。(駐車場は6台分ある。)
ただ、あまり大食いでない自分には、この店のコースはボリュームありすぎ
もし次に訪れるとしたら、ぜひランチを試してみたい。軽めの美味しいランチをいただいた後、テラスでゆっくりコーヒーを飲めると、この店の良さを味わえそうだ。

→ぐるなび:Maison d'H
http://r.gnavi.co.jp/a245400/

美味しい和食と銘酒の店、東麻布「逢坂」 (09/3/27)

居酒屋よりワンランク上の和食と美酒を、ほどほどの値段で楽しみたい。そんな時にぴったりの店が、東麻布の「逢坂」だ。新橋にある天麩羅の名店と同じ屋号だが、こちらは2007年11月11日に開店した和食と地酒の店だ。

場所は、地下鉄・大江戸線「赤羽橋」駅を出て、赤羽橋の交差点を桜田通りに沿って左に渡り、最初の路地を左に入ると、1つめの角の地下にある。東京タワーから程近い。

店は、コンクリート打ちっ放しの壁に、酒蔵の前掛けなどがディスプレイされているモダン和風。幅のあるV字型のカウンターはオープンキッチンになっており、ここに10人座れる。
右手の奥には小さな個室風のスペースがあり、そこに4人用テーブルが2卓。こちらは落ち着けるものの余り広くはないので、少人数ならカウンターの方がおすすめだ。

大将の大坂さんは、「あさみ」で修行したらしい。「あさみ」は、銀座でも人気のある和食屋の1つで、日本酒もそこそこの銘柄を置いてはいるが、種類は多くない。その点、こちらはきき酒師のつかささんを顧問に迎え、素晴らしい日本酒を厳選して揃えている
「あさみ」仕込みの和食と、選り抜きの美酒が揃っているのだから、これはたまらない。

現在の日本酒の銘柄は、松の寿・純米大吟醸15BY、雄東正宗・ピンクにごり純米、墨廼江・大吟醸、上喜元・吟醸、結人・純米吟醸、青煌・純米吟醸雄町、いずみ橋・純米山田錦、臥龍梅・純米吟醸誉富士、御湖鶴・純米大吟醸・山田錦、房島屋・純米吟醸・五百万石、醸し人九平次・純米大吟醸「彼の地」、而今・特別純米・五百万石、梅錦・純吟・立春朝搾り、獺祭・純米大吟醸三割九分、龍力・特別純米、豊の秋・特別純米袋吊りの16種類。

メニューに価格がないのが欠点だが、値段は1合760~1,980円まで。高くても1合2,000円以内に納めるようにしているそうだ。120mlで注文することもできる。

料理は居酒屋レベルを超えた、真っ当な和食が楽しめる。献立は旬の魚を中心に、毎日変わるようだ。
先週訪れた日には、アオリイカや初鰹、クエの刺身、鯛白子醤油焼き、焼き筍、小鮎やたらの芽の天ぷら、筍の土佐煮、あん肝、きんき煮付け、焼き天豆、ウドと蛍イカの黄味酢あえ、焼きおにぎり茶漬、鯛茶漬…などがあった。

料理の値段は、840円と980円が多い。金目鯛や本鮪といったものだと、1,580円~2,100円するが、そのあたりが上限。安いものだと、もずく酢や焼きおにぎり茶漬けが630円だ。お通しは2品で1,050円。
そのお通し(先付)2品に、刺身、焼物、煮物、酒肴、食事が1品ずつ付いたコース(5,250円~)がお得で人気がある。

日本酒中心のお店なので、焼酎党やお酒を飲まない人には少々辛いかもしれないが、日本酒と和食が好きな人にとっては、きっと通いたい店になるはずだ。

→和食・地酒 東麻布 逢坂
http://www.ohsaka.net/

深さを隠した、さり気ない美味さ。「京橋屋カレー」 (09/3/6)

少々季節はずれかもしれないが、久しぶりにカレー屋を紹介しよう。銀座から京橋に入ってすぐの裏路地にある「京橋屋カレー」だ。

銀座通りを銀座から京橋方面に進み、高速道路の高架をくぐったらすぐ左に曲がって、高架沿いの路地を60mほど歩いた右側2階にある。
看板や外観はちょっとレトロな和風の雰囲気。階段を昇ると、扉の窓から店内が見える。

店内は狭く、入るとそのまま奥に進む。左側の背の高いカウンターに3席、右側には2人用テーブルが2卓ある。その奥の窓際に、4人用と2人用のテーブルが1卓ずつ。計13席がすべてだ。
BGMにはハワイアンなどが流れ、カフェのような雰囲気
店を切り盛りしているのは、若いご夫婦のようだ。

カレーは、辛口地鶏カレー(1,150円)、スパイスベジカレー(1,150円)、キーマカレー(1,300円)の3種類が基本。ほかに、この3種類から好きな2種類を相盛りにできるツインカレー(1,400円)がある。
見た目も特に変わっているところはないし、普通に食べていれば「けっこう美味いけど、ちょっと高いかな?」という程度で終わってしまうかもしれない。
だがここのカレーは、おそらくご主人が研究を重ねて到達した、理想のカレーなのだと思う。

材料には、有機野菜や無添加食材がふんだんに使われている。トマトも、大根も、油も、塩も、酢も、水に至るまで吟味された素材が使われているのだ。
3つのカレーのルーはもちろん全て別々に仕込まれており、それぞれの製法もかなり研究されている。

地鶏カレーも、スパイスベジカレーもけっこう辛い。小麦粉を使っていないため、いずれのカレーもとろみは余りない。
オススメは、宮崎産の豚挽肉をオリジナルスパイスでじっくり炒めたキーマカレーだ。水をほとんど使わず、完熟トマトジュースを煮詰めて作られており、辛さはこれが最もマイルド。

メニューには明記されていないようだが、裏ツインカレー(定番3種類の中の1つ+京橋大根カレー)1,500円や、スパイシーチキンカレー熟成2,600円(月15食限定)といった裏メニューもある。
京橋大根カレーは裏メニューでしか食べられないが、この店を代表する味と評する人も多い。
スパイシーチキンカレー熟成は、滅多にお目にかかれないため、常連も心待ちにしているとか…。

デザートとして、無添加アイスクリームもある。(1個250円、2個450円、3個600円)バリエーションは、オーストラリア産クリームチーズ、いちご(とちおとめ)、カシス、抹茶、アールグレイ・ロイヤルミルクティの5種類。辛さに痺れた舌を癒してくれそう。

11:30(土日休12:00)~15:00というランチに限定した営業時間で、完全禁煙というあたりも独特。
カレー好きなら、1度食べておいて損はない。

→京橋屋カレー
http://michi-on.com/kyobashiya/

カキフライを食べるなら、銀座「南蛮 銀圓亭」 (08/10/16)

今年も、今週から銀圓亭にカキフライが登場した。10月中旬~3月までの限定メニューだが、この時期になると毎年訪れるというファンも多い。

銀圓亭は、銀座の昭和通り近くにあった高級洋食店だが、2006年12月に銀座5丁目のビルに移転した。あのレディタン ザ・トトキと並木通りを挟んで向かいにある。

エレベーターを7階で降りると、いきなり店の受付が向かいにある。出迎えてくれるのは、年配のご婦人。かつては老シェフと老支配人のコンビが名物となっていたが、最近亡くなられたそうだ。

店は、右奥がオープンキッチンとカウンター。カギ型のフロアには、2人用テーブルを並べた4人卓が、8卓ほど並んでいる。
窓は小さく、店内への光は控え目。照明も間接照明なので、昼間でも落ち着いた雰囲気だ。
木のテーブルにはクロスが無く、エスニック風のランチョンマットとナプキンがセットされている。シーリングファン(天井扇)ともあいまって、リゾート・ホテルめいた内装だ。同じ高級洋食店でも、資生堂パーラーよりカジュアルで居心地がいい。

「伊勢的矢産カキフライ(2,800円)」は、最高級の的矢のカキを、注文を受けてから殻をはずして揚げる。
待っている間に、まずスライスされたフランスパンが出される。ポテトチップのように薄く、カリッと揚げられており、うっすらチーズ味が付いたものだ。(2枚目の写真の奥にあるのがそれ。)
カキフライは1人前6個。衣は薄くて明るい色をしており、パン粉がとてもサクサクしている。油っぽくなく、とても軽い仕上がりだ。付け合わせは、さやいんげんと人参のソテー、それにフライドポテト。パセリとカットレモンも添えられる。
ライスやパンは別注文(300円)になるので、もし注文するなら、細かく刻まれた赤パプリカの入ったソテーライス(600円)がおすすめだ。

調味用に、REA & PERRINSのソースと自家製タルタルソースが提供される。REA & PERRINS(リーペリン)は、「ウスターソース」を開発した英国のメーカー。原材料に醸造酢、たまねぎ、ニンニク、アンチョビ、砂糖、塩、スパイスなどが使われていて、ちょっと魚醤っぽい味がする。香りも強いので、このカキフライに限っては、風味を損なってしまう気がする。
それに対して、自家製タルタルソースは素晴らしい刻まれた玉子がたくさん入った濃厚な味で、これをたっぷりカキフライに載せて食べると、一層味わい深くなる。

これだけの牡蠣だから、もちろんフライだけではなく、生で味わうこともできる(2,400円)。
亡くなられた萩本光男(はぎもと・てるお)シェフは、小川軒で腕を磨いた名シェフで、自らの料理を「究極のマンネリ」と評していたという。このレベルの料理を常に提供するというマンネリは、決して簡単なことではないだろう。高価な店だが、それだけの価値はある

カキフライだけでなく、もちろん他の料理も美味しい。ビーフシチューやハンバーグといった平凡な料理を、非凡な味で提供してくれる。
先週の流れで言えば、ハヤシライス(2,200円)もある。ここのハヤシライスは、丸く盛り付けられたライスの皿と、ソースポットで提供され、付け合せはなし。ルーは粘度が低く、ややスープっぽい感じ。具にはマッシュルーム、玉葱、牛肉がたっぷり入っている。マッシュルームは香り豊かで芳しく、玉葱は透明がかった飴色。牛肉は、生でも食べられるほど上質な肉を6時間煮込んであり、メチャクチャ柔らかい

400mほど離れた同じ並木通りの1丁目にある居酒屋三州屋も、カキフライ定食は人気メニューだ。こちらは1,100円で、牡蠣は5個。付け合せはキャベツ、キュウリ、トマト、ミカン、パセリが入ったサラダ。それに、白菜と胡瓜の漬物、ご飯、なめこの味噌汁、お茶がセットされる。
さすがに銀圓亭と比べるのは酷だが、気取らずにお腹を満たしたいなら、こちらもおすすめだ。

→銀座.info:南蛮 銀圓亭
http://www.ginza.info/S11337.html

うまいハヤシライスその3・銀座「資生堂パーラー」 (08/10/10)

3店目は、銀座でも最高の洋食屋、「資生堂パーラー」だ。
洋食屋とはいえ、ここと「みかわや」は雰囲気がフレンチ・レストランに近い。
創業は1902年なので、こちらも煉瓦亭に次いで1世紀を超える老舗だ。

場所は、銀座8丁目・中央通り沿いの、資生堂ビル4~5階。4階のエレベーターを降りると、まず受付があり、左手がフロアになっている。
5階まで吹き抜けになっているので、広々としていて高級感もあふれている。スタッフも大勢おり、お客の目配りに余念が無い。

フロアの中央にはボトルワインが何本か置かれていて、昼間からワイングラスを傾ける紳士淑女もちらほら見える。さしずめ銀座の若旦那衆あたりか。

ハヤシライスは、3,000円(サービス料・消費税を含めると3,465円)というすごいお値段。同じ銀座の「みかわや」や「銀圓亭」ですら2千円台前半なのだから、洋食屋としてはここが「最高」と言ってまず間違いないだろう。ハヤシライスにサービス料が付く、という洋食屋もここぐらいでは。

ソースは、珍しい丸型のソースポットで出される。ライスがテーブルでサーブされるのはちょっと驚いた。好みの量を伝えて、お皿に盛ってもらう。もちろん、後でお代わりもできる。
付け合せは、福神漬・ラッキョウ・焼玉葱・ミカンの4種類が銀のトレイで提供される。

ルーの色は茶色で、それほど深い色あいではない。いかにもハヤシライスといった教科書的な味で、こちらも老舗だけあって真っ当な味に仕上げているようだ。
特別な点があるとすれば、それは牛肉だ。ルーには、5mm程度に細切りされた玉葱と薄切りの牛肉が入っているのだが、この牛肉は質・量ともにハヤシライスの常識を超えているステーキにしてくれと言いたくなるような肉なのだ。これを口にすれば、おそらくこの値段の意味が納得できることだろう。
ただ、ハヤシライスにこれ程の肉が必要なのか…という素朴な疑問は残る。

「資生堂パーラー」には「資生堂パーラー/SALON DE CAFE」という姉妹店があり、銀座本店の3階にも入っている。ハヤシライスはそちらでも食べることができるが、ちょっと歩いた汐留の資生堂(日本テレビの隣)の「SALON DE CAFE」では、ランチタイムに限り1,500円でハヤシライスのセットが食べられる。(サービス料なし・消費税込み)セットはスープ、サラダ、コーヒーまたは紅茶が付く。

さすがに3,000円のものと同一ではないが、味はかなり近いので、こちらを楽しむのも悪くない。牛肉が普通のバラ肉になるのは致し方ないところ。付け合せもこちらは福神漬と焼玉葱のみだが、コスト・パフォーマンスは格段にいい

→資生堂パーラー
http://www.shiseido.co.jp/parlour/html/index.htm

うまいハヤシライスその2・銀座「煉瓦亭」 (08/10/08)

銀座は、名だたる洋食屋がひしめいているため、店の選択は難しい。紹介するのもおこがましい超有名店ではあるが、ここは銀座らしく、「最初の店」と「最高の店」を紹介することにしよう。まず今日は最初の店

日本の洋食を語る時、「元祖」として必ず紹介されるのが、創業113年の「煉瓦亭」だ。
場所は銀座3丁目、アップルコンピュータの裏手に当たる。(やはり有名な老舗キャバレー「白いばら」の隣)

今の店舗が建てられたのは、1964年。その名の通り、煉瓦造りの建物で、間口は広くないものの地下から3階まである。
1階は厨房があるため3卓しかなく、待っている人もいて少々落ち着かなそう。地下と2階はテーブル席で、2階の方が窓もあって広い。3階はなんと座敷席になっている。(下の写真は2階)

トンカツも、エビフライも、カキフライも、オムライスも、ハヤシライスも、すべてこの店から誕生したと言うから、半端ではない。

ただし、エビフライの発祥には諸説あり、ハヤシライスも日本橋「丸善」が元祖として知られている。ドミグラスソースを使ったのはここが最初なので、「元祖」を主張しているようだ。逆に、オムライスは大阪心斎橋の「北極星」の方が現在のオムライスに近く、煉瓦亭では卵がライスに混ぜられている。

1895年に創業した木田元次郎さんがこれらの料理を考案したそうだから、歴史を創った店には違いない。そもそも、ライスを茶碗ではなくに盛って最初に出したのがこの店だとか…。
現オーナーである明利さんは、四代目に当たる。

ハヤシライス(1,500円)は、丸いお皿に平べったく盛られたライスと、ソースポットで提供される。この店ではハヤシライス以外は全てライスが別注文になるそうだ。
ソースはクリーミーなデミグラスソースで、トマトの酸味が効いている。玉葱は白くてシャキシャキしているのが特徴的。ソースも牛肉も玉葱も、量がたっぷりあって、お代わりできそうなほどだ。「元祖」のせいかもしれないが、どこか懐かしいような味だ。
福神漬けとラッキョウは、よくある蓋付きの薬味入れで添えられて来る。

店の入口を男性が開けてくれる点を除けば、店の雰囲気も料理も、意外に庶民的な洋食屋。店の古さを歴史として見られるかどうかで、評価は変わりそうだ。料理も、いかにも元祖洋食屋という感じなので、過大な期待を抱くと肩透かしをくらうかもしれない。
だが、「ちょっと美味しいメシでも」という感覚で利用できるところが嬉しい。

値段がもっと安い洋食屋がいいなら、「スイス」の方をおすすめする。
いずれにしても人気の高い洋食屋は、ランチタイムに行列ができる。ランチタイムを少しはずした方が、待たずに入れるはずだ。

→煉瓦亭
http://www.ginza-rengatei.com/index1f.html

うまいハヤシライスその1・京橋「モルチェ」 (08/10/6)

日ごとに涼しくなり、だいぶ秋らしくなってきた。
このくらいの季節になってくると、カレーの代わりにハヤシライスというのもいい。
ということで、珍しくハヤシライスの美味しいお店なんぞを紹介したい。

職場の都合により、場所は京橋~銀座界隈。
今回ご紹介する店は京橋のビヤホール。「明治屋」地下にある「モルチェ」だ。
明治屋の横にある地下鉄京橋駅へ降りる階段の途中にあり、まさに駅から0分という近さ。

店は、ごく普通の「下町のレストラン」といった感じ。階段からフロアに降りると、右手にビアホールのカウンターがあり、テーブルがたくさん広がっている。照明も明るい。店のスタッフは、年配の人も多く、ちょっと昔のデパートのレストランみたいなイメージがある。

ハヤシライスは、この店のランチで出される人気メニューのひとつ。驚くほど美味いというほどではないが、950円という価格を考えれば、充分お得な味だ。
お皿のライスの脇に、付け合せのインゲンとニンジンのソテーが載せられ、ルーはソースポットで出される。色は深い茶色で、良く煮詰められていることが分かる。万人受けする味なので、誰の口にでも合うのではないだろうか。
ここでは、ハンバーグやチキンカレーなども人気がある。

京橋と言えば、7月9日にご紹介した「ダズンロージス」も近くにある。ここのランチ・メニューは3品とも非常に評価が高いが、「特製ハヤシライス」(1,575円)もその1つだ。1日10食限定というところにもそそられる。

こちらのハヤシライスもかなり黒っぽいルーで、「モルチェ」以上に相当煮込まれている模様。事実、味も濃厚だ。
具は、米沢牛のヒレ肉、玉葱、マッシュルームが入っているが、米沢牛がレア状態なのか、ちょっと生っぽい香りがした。こってりとしたデミグラスソースが好きな人にはたまらない味のはずだ。

気取らない雰囲気の「モルチェ」と、評判の高いビストロ「ダズンロージス」では、店の雰囲気がかなり違う。
同じ京橋のハヤシライスではあるが、気分や用途によって使い分けるのがおすすめだ。

→ついてるグルメ/京橋 モルチェ
http://www.tsuiteru.com/gr/kyoubashi-mortier/

由比ガ浜の欧風カレー店、「woof curry」 (08/8/12)

週末、久しぶりに鎌倉まで遊びに行って来た。
鎌倉は学生時代よく訪れた場所で、今でも従姉妹や知人が何人か住んでいるものの、長いことご無沙汰だった。久々に訪ねてみて、いい意味で昔と変わっていないことに、ほっとした。変わった所と言うと、海の家が贅沢になったことと、江ノ電に液晶ディスプレイが付いたことくらいか。

久々の鎌倉なので、やはり美味しい店でランチをとりたい。
今、鎌倉で注目のお店と言えば、何と言っても3月22日(土)にオープンした「Bills」だろう。七里ヶ浜を望むロケーションといい、世界一と評されるスクランブルエッグといい、話題性ではこの夏一番だ。
自分も関心はあったのだが、値段の高さと、開店前から行列が絶えないという噂を聞いて、お盆前の日曜に訪れるのはさすがに避けることにした。

その代わりに行ったのが、今年の4月19日(土)に開店した「woof curry」。こちらは由比ガ浜通り沿いにある小さなカレー屋さんだ。
江ノ電の長谷駅と由比ヶ浜駅、どちらからも歩いて5分程度だが、長谷駅からの方がやや近いような気がした。

店は、築30年の古い洋装店を、スタンダードトレード社の手でキレイにリフォームしたもの。小さいながらも白を基調としたシンプルで開放的な空間を創り出しており、居心地はいい。2階には、昔懐かしい足踏みミシンやロッキングチェアが置かれている。

店を切り盛りするのは、引地恵一さん・志津佳さんご夫妻。ご主人は、元PLATONというバンドの凄腕ドラマーだったとか…。吉祥寺の老舗カレー店「まめ蔵」で修行したそうだが、「まめ蔵」とは少々テイストを異にしている。

カレーは、チキン(850円)、野菜(850円)、ポーク(900円)、キノコ(900円)、ビーフ(950円)、スペシャル(1,100円)の6種類。スペシャルは、ビーフと野菜、それにゆで玉子が丸1個入っている。ルーはどれも共通のようだ。
味は、自分好み欧風カレー。マイルドでコクがあり、味も香りもいい。肉は柔らかく煮込まれ、野菜は茄子や獅子唐、プチトマトなどが入っている。アーモンドスライスもGOOD!

辛さは抑えられているので、大抵の人は問題ないだろう。事前に頼めば+50円で辛口や甘口に調整してもらえる。同様に、お子様カレーも可能。大盛りは+150円、生玉子・ゆで玉子は+50円で対応する。
メニューにない組み合わせでも、臨機応変に作ってもらえる柔軟性が嬉しい。

アルコール類は、ビール(650円)と、グラスワイン(赤・白いずれも500円)のみ。
ビールはドイツの麦芽100%イェーバーピルスナーの小瓶だが、独特の風味があってなかなか美味しかった。
ほかに、ソフトドリンク類やミニサラダ、ヨーグルト(ブルーベリーソース)なども用意されている。

湘南らしい爽やかさと、素朴なアットホームさのある「woof curry」。
由比ガ浜の人気店になること間違いない。

→woof curry
http://www.woof-curry.com/

限定10食のランチカレー、銀座「レディタン ザ・トトキ」 (08/7/10)

3店目の限定カレーは、銀座の高級フレンチレストラン「レディタン ザ・トトキ」のシーフードカレー。
これを注文できるのは月曜日のランチタイムのみで、しかも10食限定。つまり、最大でも週に10人しか食べられない。

店の場所は、晴海通りの「COACH」の角を銀座5丁目方向に入って左側、坂口ビルの7階。
実はこのビル、さほど大きくないにも関わらず、9階に天ぷらの「近藤」、6階に鮨の「鰤門」などが入っている、超グルメなビルだ。

「レディタン ザ・トトキ」は、高級フレンチレストランとしては日本初というオープンカウンターの店。
カウンターの一番手前の端が少し出っ張っていて、その周りは6人で囲めるようになっている。その隣に4人、厨房への出入口をはさんで奥に8人分の席がある。右奥に個室も1つだけあり、こちらは4~9人で利用できる。
インテリアは決して華美ではなく、シンプルで上品。
店内は禁煙で、写真撮影も×

店主は、有名フランス料理店・銀座「レカン」の料理長を10年あまりも務めていた、十時亨シェフ。2003年12月に独立し、この店をオープンした。
最高の食材最高の調理で提供する姿勢は「レカン」時代から微塵も揺るがず、それにシェフ独自の創造性をプラスし、更にお客との対話やお箸の提供といったカジュアルさを導入している。

昨夏には「外房産干しあわびの赤ワイン煮」という驚愕の一品が登場し、グルメたちの度肝を抜いた。戻す・蒸す・煮込むの工程で完成まで10日間を要するというこの料理、一皿28,400円(大1個。小は19,800円)という価格も凄いが、美味しさも凄いらしく、あらゆる美味を超越した傑作と言われている
限定カレーには、この干しあわびの戻し汁が使われているのだ。

ランチの営業は土・日・月の3日間だけ。しかも、10食限定シーフードカレー(2,520円)を提供しているのは、月曜のビジネスランチのみだ。(火曜が定休日

そのカレーは、皿の半分にライスが盛られ、その手前にスープ状のルー。別にカレーポットでもルーが供されるが、ルーには具が全くなく、ただのソースのようにしか見えない。
ところが、1口含むと…おびただしいほどの魚介類の香りが口の中ではじける!あらゆる海の美味が繊細なバランスで溶け込んでいるのだ。これはもう、カレーを超えていると言っていいかもしれない。

「バルテリア Curva」もそうだが、具が無いカレーは少々物足りなく感じるものだ。しかし、この店では魚介のフリットが添えられる。イカ、イワシ、ベビーコーン、カリフラワーなどがカリッと揚げられている。自分はイカ・タコが少々苦手なのだが、このフリットのイカは弾力があって軟らかく、お代わりしたいくらいだった。

最後に、フレンチパンも勧めてくれる。1口大に千切り、皿に残ったルーを付けて食べるためだ。ちょっとお行儀は悪いが、この提案は嬉しい
サイドメニューとして、オードブル(1,575円)、スープ(840円)、サラダ(1,050円)、デザート(1,050円)、コーヒー(735円)を追加することも可能。

土~月の共通のランチとして、3,990円、5,880円、7,350円~、12,600円のコースもある。ディナーは、9,450円、12,600円~、15,750円~、21,000円の4コース。いずれも税込みだが、サービス料10%は別だ。
実は、その上に31,500円の特別ディナーコースもあるらしく、それには「干しあわびの赤ワイン煮」が含まれるそうだ。

カウンターでのフレンチに抵抗がなく、高くても最高の料理を食べてみたい人は、ぜひコースの方も試していただきたい。

→レディタン ザ・トトキ
http://www.totoki.jp/index.html

限定15食のランチカレー、京橋「Dozen Roses」 (08/7/9)

2店目の限定カレーは、京橋のビストロDozen Roses(ダズンローゼス)」の手作り欧風カレー。
ランチ限定で、1日15食までとなっている。
場所は、宝町駅のA1出口を出て左折し、次の角を右に曲がった、京橋消防署の向かい。

こぢんまりとしていて目立たないお店だが、レンガ造りの外観は品がある。
店内は、入って右側に2人用テーブルが2つ、正面に8席のL字型カウンター、左手の奥に4人用のテーブルが1つ。
壁にはミュシャのリトグラフが、レジの横にはガレランプのレプリカが飾られている。

店主は、かつて博多 和田門銀座店(現在は閉店)で13年間料理長を務めた佐藤昭和シェフ。1999年6月24日に、同店から独立して奥様と2人でこの店をオープンした。

Dozen Roses(1ダースのバラ)という店名は、佐藤シェフお気に入りの作家、ディック・フランシスの競馬ミステリー『直線』に登場する競走馬の名前だ。佐藤シェフは、意外にも競馬や格闘技が大好きなんだとか。
一方、店の内装はミュシャ好きの奥様の影響らしい。

ステーキで有名な「博多 和田門」だが、銀座店で出していたカレーライスの評判が高く、佐藤シェフの元にも懐かしむ声が多数寄せられたため、2003年からランチメニューに加えたということだ。

ランチのメニューは、「手作り欧風カレー」(1,365円)のほか、米沢牛ヒレ肉の入った「特製ハヤシライス」(1,575円)と、白身魚のフリット、ホタテ、海老が入った「特製魚介のピラフ」(1,575円)がある。いずれもサラダ付きだ。
1日限定15食はカレーだけで、あとの2つは限定10食。
この3つのメニューすべてが、甲乙つけがたいほどの大人気となっている。

カレーは、細かく刻まれたリンゴとドライレーズンが混じったバターライスの上に、ほぼ真っ黒に近いルーという組み合わせ。このルーは3日間かけて煮込まれているそうで、非常に濃厚で美味しい。中には柔らかく煮込まれた伊万里牛のバラ肉がゴロゴロ入っている。辛さは抑えめ。

付け合わせとして、福神漬けとラッキョウ、トマトペーストの3つが添えられる。このペーストは、トマトソースに蜂蜜とレモンを加えたもので、カレーに酸味や甘味を加えたい場合に混ぜてほしいとのこと。これを加えた方がルーの重たさが少しやわらぐので、個人的には混ぜた方が美味しいように感じた。半分ほど食べ進んだあたりで混ぜるというのも、いい方法かもしれない。

ランチのサイドメニューに、デザート(+315円)、デミタス・コーヒー(+260円)、デザート&コーヒー(+470円)が追加できる。また、オードブル、デザート、コーヒーが付いたセット(+1,260円)にすることも可能だ。
これらは、ハヤシライスやピラフでも同様。

午後1時を過ぎると、カレーとハヤシライスの「あいがけ(1,850円)」など、いくつかの裏メニューが注文できるようになる。午後1時を回っても品切れしていない日が多いので、これらを試してみるのも面白い。裏メニューの情報は、同店のホームページに載っている。

ランチがこれだけ美味しいと、当然ディナーも気になってくる。
同店のディナーで有名なのが、「生うにのクレープ包みオマールソース(2,650円)」だ。寿司5カン分ほどの生うにがクレープに包まれている贅沢な料理で、これを食べると誰もが言葉を失うという。

なお、土曜日は、ランチ/ディナーの区別がなくなり、終日一通りの料理を揃えた特別メニューになる。
残念ながら、ワインリストはチェックしていない。
だが、レジの後ろに大型のワイン専用冷蔵庫が備え付けられていたし、ボルドーの5級ながら3級並の人気と実力を備えているシャトー・カントメルルの木箱がカウンター内に置かれていたのを目撃した。
ワインの品揃えも、きっと期待を裏切らないに違いない。

→Dozen Roses
http://homepage3.nifty.com/d_roses/

限定20食のランチカレー、有楽町「バルテリア Curva」 (08/7/8)

このブログでご紹介する店は、けっこう片寄っている。とりあげるのは居酒屋やBARがほとんどで、それもお酒の品揃えが充実している店が中心だ。
どんな有名店でも、日本酒の銘柄が1つしかないようだと、紹介する可能性はかなり低くなる。神楽坂の「伊勢藤」や、湯島の「シンスケ」といった、至高の居酒屋がいまだ登場しないのはそのためだ。(「伊勢藤」は白鷹、「シンスケ」は両関しかない。)

また、「焼鳥」や「モツ」系の店も、これまで1度も登場していない。これは、鶏肉や内臓料理があまり得意じゃないという個人的な理由だ。(鮟肝やフォアグラ、トリッパ、レバーペーストは好きだが。)

逆に、居酒屋でもBARでもないのに登場する店もある。多くはおいしい和食店や洋食レストランだが、蕎麦屋・カレー屋も含まれている。
蕎麦はともかく、カレーはお酒との関連性が薄い。それがなぜ登場するのかと言うと…実は、二日酔いの日にとる昼食に、カレーが多いのだ。

二日酔いの日は、そもそもあまり食欲がない。そんな時でも食べられるのが、カレー。あのスパイスの香りが食欲を刺激し、ヘコたれている内臓に活を入れてくれるような気がするのだ。

どうせ行くのなら、やはり美味しいカレー屋がいい
幸いカレーの店は多いので、美味しそうな店にはあちこち行ってみることにしている。
これまでも、築地の「中栄」(07/3/22)、「Cali Cari」(07/4/11)、西新橋の「カフェ☆ドゥ・ミル・ドゥ(現在は、高円寺「ヴェルトワール」)」(07/4/27)、「Nagafuchi」(08/3/27)、新橋の「The KARI」(08/3/27)、目黒の「めぐろ三ツ星食堂」(08/8/22) …などの店を紹介したが、今回は銀座周辺で1日20食以下の限定カレーランチを提供している3店を、3日連続でご紹介したい。
まずは、1日限定20食の「バルテリア Curva」。

場所は、有楽町駅の国際フォーラム口を出て、お堀方面に直進した右側にある帝国劇場の地下飲食店街「クニギワ」の一角。地下鉄・有楽町駅からだと、D1出口が直結している。

この店はダイニングバーなので、造りもそれっぽい。S字に曲線を描いたカウンターや、背の高いテーブルなどが配されている。
カウンターの端にシガーが置かれていたので、シガーバーでもあるようだが、雰囲気はカジュアル。
ここには昼でも夜でも食べられる定番カレーも何種類かあるが、ランチ限定20食できひろカレーというメニューを出している。

このカレーは、昨年の2月までコリドー街近くにあった「銀座きひろ」というカレー専門店の味を復活させたもの。
きひろの菅沢一夫シェフは、元宮中料理人として天皇陛下の料理番を務めていたそうで、そのカレーは玉葱などの野菜やフルーツ、30種類のスパイスを使って100時間煮込まれているそうだ。

カレーには具がまったくなく、ルーのみをライスに掛けて食べる。辛さはほどほどで、辛すぎることはない。
元祖「きひろ」カレーはもっと辛くて、サラサラのルーだったそうだが、それを多少マイルドでとろみのある方向に調整したらしい。昔の味を知る人にとっては、そこに不満もあるようだが、確かにこの方が一般受けはすると思う。

コクがあってなかなか美味しいカレーだが、具がないのは男性にとって少々物足りないかもしれない。 定番カレーの方は、ソーセージやハンバーグといったトッピングができるので、がっちり食べたい人にはそちらを選ぶという選択肢もあるだろう。

→バルテリア Curva
http://www.balnibarbi.com/shop/curva/

安くて美味しい、さいたま新都心のお得なレストラン「サルーテ」 (08/7/6)

さいたま新都心で食事をとる場合、けやき広場周辺か、コクーンにある店というのが普通だろう。だが、少し歩くと、ちょっといい雰囲気で食事できるレストランがある。美味しい割に値段が安いのが魅力だ。

さいたま新都心駅の西口から南へ向かうと、「ラフレさいたま」ビルが線路沿いにある。その2階にあるレストラン「SALUTE(サルーテ)」がそれ。吹き抜けのロビーの上にあり、オープンな造りだ。

元々「ラフレさいたま」は、簡易保険加入者の健康増進を目的として造られた、いわゆる公共の宿で、9~14階はビジネスホテルの客室になっている。6階には温水プールやエステ、天然温泉クア施設まで備えたフィットネスクラブがあるし、7階には医師などの専門スタッフに生活習慣の相談ができるメディカルケアセンターも入っている。
いずれも、安価の割にしっかりした内容なので、なかなか人気があるようだ。

「サルーテ」も同様で、内容に比べかなりお得な価格設定となっている。
なんせ、夜コースでも3,000円から、飲み放題プランも4,000円から設定されているのだ。

更にお得なのがランチで、950円(休日は1,100円)からセットが食べられる。
ランチセットはスープ、サラダ、パンまたはライス、ドリンクバーが付いているので、それだけ考えてもかなりお得。すべてお代わり自由だ。
シェフは帝国ホテルのレストランの出身とのことで、味も美味しい。

例えば、野菜カレーランチ(950円)の場合、ライスの上にカボチャ、ニンジン、セロリ、タマネギ、ホウレンソウ、トマト、バナナが載せられ、ルーはソースポットに入れて出される。薬味は、福神漬とラッキョウ。ルーはノーマルとココナッツ入りの2種類か選べるが、ノーマルでも辛さはマイルドで、ほのかな甘みを感じさせる。

カレーだけでも、ほかにビーフカレー、ポークカレー、シーフードカレーなどいくつかあり、週替わりのパスタランチ等も数種類ある。ステーキセットやランチコースといった2,000円のランチもある。

お酒の種類は、残念ながら余り多くない。生ビール(420ml) 600円 、アサヒビール(中瓶) 650円 、ギネス(小瓶) 650円、フランスワインがボトル2,500円、グラス600円 ~、各種カクテルやサワー、日本酒、ウィスキーはいずれも600円だ。

この店の雰囲気や窓からの眺めを気に入っている人も、少なくない。
壁のないオープンな造りなので、エレベーターホールからも店内が見渡せてしまうのが落ち着かない人もいるかもしれないが、間に広い吹き抜けがあるので、気になるほどではない。
内装は豪華でこそないものの、シンプルで上品。窓からは新都心の街並みが眺められて、なかなか良い。

駅から5分程歩くのが面倒という人もいるが、その距離があるからこそ、落ち着いた時間を過すごせる店だと思う。

→ラフレさいたま:サルーテ
http://www.rafre.co.jp/restaurant_bar/salute/top.html

メガ蕎麦が食べられる日本酒系BAR、築地「SO.BAR Sakuma」 (08/7/3)

6月19日にご紹介した「ねこ屋」の1階に、「SO.BAR Sakuma」という蕎麦屋がある。昼は蕎麦屋、夜はBARという店だが、日本酒の品揃えは2階とタメを張るレベルを持っている。

場所は、聖路加病院手前の「ぎょれん」ビル向かい。詳しい地図は「ねこ屋」のホームページを参考にするのが早い。
黒塗りの小さなビルの1階で、見かけはスタイリッシュなBARにしか見えない。
店は面積12坪で、厨房を除くと8坪という小ささ。立ち食い蕎麦屋並の広さしかなく、実際当初は立ち食いで考えていたらしい。

営業中は、店の表の椅子に、一部のメニューを書いた黒板が載せられている。
中に入るとすぐ右側に券売機があり、昼はここで食券を買って食べる。
奥に向かって左右に1枚板のカウンターがあるが、左側は厨房がある関係から5~6席ほど、右側は壁沿いに8席くらいのスツールが置かれている。
左側のカウンターの向かいはボトル棚になっており、左に洋酒が、右に日本酒と焼酎がびっしり並べられている。

蕎麦のメニューは、暖かいそばが「のりそば」750円、「きつねそば」700円、冷たい蕎麦は「季節のそば(今は、しめじととろろ)」800円、「大根そば」750円、「鶏そば」800円、「豚そば」800円、「もりそば」600円。
ランチタイムは、揚げ玉、温泉玉子、ごはん無料だ(いずれもなくなり次第終了)。

この店の蕎麦は色の濃い田舎蕎麦で、ともかく量が多い。優に2人前かそれ以上あるだろう。このボリュームといい、胡麻や海苔の多さ、揚げ玉・玉子無料…といったあたりは「minatoya」(07/3/6紹介)に良く似ている。

店主の佐久間泰二さんは、脱サラしてこの店を開業した。少し前に腕を痛めてしまったそうで、今は火曜と水曜の夜にだけ手打ち蕎麦を出し、ほかの日は製麺所に頼んでいるそうだ。

は、店内の照明はかなり暗くなり、すっかりBARモードとなる。
日本酒は2階同様、純米か純米吟醸しかない。「それ以外じゃお金取れませんから」と、嬉しい台詞を吐いてくれる。
小皿の載せた小グラスに注いでくれ、量は溢れた分も含めて約6勺といったところ。

現在の定番銘柄は、岩の井・純米原酒(650円)、浪乃音・純米大吟醸渡船(700円)、黒牛・純米無濾過生(600円)、出羽桜・純米吟醸(600円)、雁木・純米生原酒(550円)、辧天娘・純米(550円)、上喜元・純米(550円)。
昨晩の臨時銘柄は、天吹・純米吟醸美山錦生(650円)、澤の花・純米(550円)、千代むすび・じゅんから純米(600円)、楯野川・中取り純米出羽燦々(600円)。

焼酎の品揃えもなかなか面白い。価格は400円からで、源、刻の一滴、問わず語らず名も無き焼酎、べいすん、寿百歳、豪放磊落、ネリヤカナヤ、彌生、つくし、佐蔵…などがある。「百年の孤独」もあったが、これはさすがに1,600円だそうだ。
洋酒もあるが、蕎麦ということもあって明らかに日本酒・焼酎が中心。

肴は、カウンターの黒板に書かれている。プチ山かけ(400円)、かにみそチーズトースト(600円)、パリジャンポテトのアンチョビバター(650円)、カマンベールのまるごとソテー(900円)、みそマグアボクリチーノ(900円)…など、一番高いものでも900円だった。
もちろん、蕎麦もつまみにでき、量を少なくしてもらうことも可能だ。

夜は常連さんが多いようだが、肴も酒も600円前後で楽しめる点や、気軽にふらっと寄れる手軽さがなかなかいい。
営業時間は、昼が11:30~14:00(月~金)、夜が17:00~22:00(火~金)で、土・日・祝日はお休み。

記事検索
livedoor プロフィール