千の酒と、千の店

利き酒師、ワインエキスパート、フードアナリスト等、様々な資格を持つ酒好き会社員が、全て自腹で訪れた東京~埼玉の
数千軒の中から、美味しいお酒の店を選んでご紹介。約380店を最寄駅で検索できる「記事の索引」や、お酒コラムもあり!

ワインの店

冷涼ワインの聖地、六本木「プロヴィナージュ」 (13/3/27)

プロヴィナージュ_外観神田や新橋をはじめとして、最近は格安ワイン居酒屋が注目されている。ワインに親しめる環境が広まるのは嬉しい限りだが、たまには本物のワインの美味しさに触れてみるのも、素晴らしい体験になるはずだ。

ワインの奥深さを垣間見せてくれる店として、ワイン好きにお勧めしたいのが、六本木の「プロヴィナージュ」だ。
場所は、六本木ヒルズから六本木通りを渋谷方面へ約200mほど進んだ左側。店はビルの2
階なので目立たないが、六本木六丁目のバス停を過ぎてすぐ左手なので、それを目印にするといい。
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六本木の隠れ家、名無しのシャンパンバー (12/12/10)

名無しのシャンパンバー_入口街がクリスマスのイルミネーションであふれる12月は、忘年会やパーティーが最も盛んになる季節だ。飲み会やデートのスケジュール調整に苦心している人も多いに違いない。
普段は居酒屋中心という人でも、こんな時季くらいはちょっと奮発して非日常的な店に行ってみたいと思うのではないだろうか。

今回は、そんな時に使えそうな六本木の隠れ家BARをご紹介しよう。クリスマス・シーズンにぴったりなシャンパン・バーだ。ともかく店の名前も看板もなく、暗証番号を入れないとドアも開かないという隠れっぷりからして、ちょっと面白い。
場所は、六本木の交差点から渋谷方面へ進み、右側にあるローソンの2~3軒先にあるDMビルの7階
ちょうど「六本木ヒルズ」の向かいあたりで、地下にある「鮨さか井」の看板が目印になりそうだ。
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住宅街の和食系ワインバー、浦和「入佐」 (12/11/9)

最近でこそ珍しくない和食系のワインバーだが、埼玉ではまだまだ少ない。都内だったら、以前ご紹介した六本木割烹 小田島を筆頭に何軒かあるものの、埼玉で思い浮かぶのは、浦和のワイン割烹「入佐(いりさ)」くらいだろうか。

店の場所は、浦和駅の東口に出て、パルコの裏手にある「浦和駅東口入口」の信号を左折。バス通りを230mほど歩いて「ウィークリーマンション」の角を右に曲がると、右側3軒目にある。
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ワインと日本酒で乾杯!? 神楽坂「てしごとや 蛍の火」(12/10/5)

飲み会の店選びには誰もが苦労するが、メンバーに日本酒好きやワイン好きがいる場合は、お酒の品揃えがポイントになってくる。もし、日本酒好きとワイン好きの両方が揃ってしまったら、どうするか?

どちらかに我慢してもらうのが普通かもしれないが、どちらも満足させる店というのも中にはある。飯田橋の「てしごとや 蛍の火(ほのか)」は、そんな有り難い居酒屋だ。
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新宿で安くワインを飲むなら、「I8市場」 (12/9/26)

※I8市場は、残念ながら2013年に閉店しました。

新宿西口から山手線沿いに高田馬場方面へ向かう小滝橋通りは、かつてラーメン激戦区として注目を浴びたエリアだ。
現在もラーメン店は多いが、最近は多彩な業種で個性的な店が進出しており、以前とはまた違った活況を呈している。

I8市場_看板この小滝橋通りと、青梅街道、税務署通りに囲まれた西新宿7丁目エリアでは、これまでもすみよしゆびそ兼ネルワイン屋…といった店をご紹介して来た。そのほかにも、居酒屋「かっぺ亭」、立ち飲み処「おゝの屋」、和食「菊うら」、鮨「さがね」、ワインバー「リースリング」…など、特長ある店が点在しており、個人的に最近お気に入りのエリアだ。

そんな小滝橋通り沿いに、最近カジュアルなワインバーがオープンした。地下なので今ひとつ目立たないが、居酒屋レベルの価格でワインを楽しみたいなら、ちょっと足を延ばしてみる価値はありそうだ。店名は、「I8市場」と書いて「アイエイトマルシェ」と読む。
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コスパ抜群のカジュアル・ワインバー、御徒町「ワイン厨房tamaya」 (12/8/29)

最近、カジュアルなワインバーが本当に増えていて、郊外でもかなり見掛けるようになった。地元の人にワインを楽しんで欲しいという若いオーナーが増えてきた証だろう。

ワイン厨房tamaya」も、下町方面で店舗を展開しているカジュアル・ワインバーだ。2010年2月18日、御徒町に開店するや、たちまち大人気となり、2011年2月21日に八丁堀店を、2012年8月21日には大塚店を出店した。続きを読む

大人気の立ち飲み3兄弟!渋谷「富士屋本店」 (12/8/22)

渋谷・富士屋本店_看板お盆休みで間が空いてしまったんで、今日はまとめて3店をご紹介。と言っても、すべて同じ店なんだけど…渋谷にある立ち飲みの「富士屋本店」だ。

渋谷に3店あって、いずれも人気店なのだが、なぜかすべて「富士屋本店」で、「支店」が見当たらない
業態によって、それぞれ「富士屋本店・大衆立呑酒場」「富士屋本店・ワインバー」「富士屋本店・ダイニングバー」と呼ばれている。
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一軒家のワイン居酒屋、武蔵浦和「BURCAK」 (12/6/5)

一軒家の飲食店というのは都内にもあるが、小さいながら庭つきのワイン居酒屋となると、さすがに都内では難しいだろう。新宿から30分離れた武蔵浦和なら、そんな店も実現する。
昨年オープンした「BURCAK(ブルチャーク)」は、旦那さんがシェフで、奥様がソムリエールという、若いご夫婦が営むアットホームなワイン居酒屋だ。
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下町の大人気ワインバー、押上「遠藤利三郎商店」 (12/5/22)

押上・遠藤利三郎商店_入口ついに東京スカイツリーが開業した。それにちなんで、今日は押上の店を紹介しよう。

と言っても、東京ソラマチにある店ではなく、ワイン好きの間では既に有名なワインバー、「遠藤利三郎商店」だ。
実はこのお店、自分がワインについて初めて教えてもらった遠藤誠さんがオーナー。テーブル・ワインからグラン・ヴァンに至るまで、700種以上のワインを希望小売価格+1,050円という大胆な価格で提供していることから、多くの雑誌で取り上げられた人気店だ。
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コスパ抜群のワイン居酒屋、新宿「ワイン屋」 (12/5/8)

ワイン屋_外観最近、「ガブ飲みワインの店」がずいぶん増えてきて、ワインの消費拡大に一役買っているようだ。「ガブ飲み」とは言え、普通の居酒屋に比べると少し高めなことが多いが、中には居酒屋と変わらないほど安い店もある。
西新宿の路地裏にある「ワイン屋」は、オーストラリアとニュージーランドのワインに的を絞り、居酒屋価格でワインを楽しめるという人気店だ。

場所は、青梅街道の新都心歩道橋を河合塾側へ渡り、街道沿いに120mほど歩いたお寺の角を右折すると、住友不動産ビル(33階建)のすぐ裏にある。地下鉄からなら、新宿駅「B18」出口(小田急ハルク口)から出ると近い。

写真は、まだ寒さが残る日だったのでガラス戸が閉まっているが、暖かい季節は前面が開け放たれ、オープンカフェのような雰囲気になる。
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食事もワインも全ておまかせ!六本木「小田島」 (12/4/10)

普段は手頃なお店で、それなりに美味しい料理とお酒をいただければ十分幸せになれるが、たまにはちょっと贅沢したい時もある。
黙って座れば、美味しい和食と美味しいワインが次々と出て来る、そんな至福の店が六本木の裏通りにある「小田島」だ。

最近でこそ和食にワインという組み合わせも珍しくないが、35年以上前からそれを提唱してきた草分け的な存在が、オーナー・シェフの小田島稔さんだ。
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超人気の朝食に、ワインも似合う!渋谷「VIRON」 (12/1/10)

渋谷は若者の街という印象が強いが、一時に比べれば最近は大人が落ち着けるエリアが増えたように思う。
中でも東急本店から松濤にかけては、昔から大人向きのエリアだった。飲食店も、目立たないながら上質な店がぽつぽつと散在していたのがこのあたりだ。

東急本店の向かいに、フランス風パンの店「VIRON(ヴィロン)」がオープンしたのは2003年6月。
VIRONは、フランスのパリ郊外にある製粉会社の名前だ。パン屋の3代目に生まれた西川隆博さんが、本場フランスのパンを食べ歩いた際に、VIRONの「レトロドール」というバゲットの美味しさに感動。この美味しさを日本の人に味わってほしいと思い、この店を立ち上げたのだ。続きを読む

豪快フレンチ&しこたまワイン、神田「BRASSERIE LE ZINC」 (11/11/17)

最近、魅力的な店が増えている神田界隈。特に、従来の和風イメージを覆すお手頃ワインの店が急増中だ。

この分野で新宿3丁目をリードしているのが(株)ワルツなら(Limitedの記事参照)、神田界隈をリードしているのが(株)夢屋だろう。今年8月5日には、神田南口に「BRASSERIE LE ZINC(ブラッスリー・ザン)」をオープンした。安い値段でガッツリ食べられる男前フレンチとして、早くも酒好き女子の人気を集めている

場所は、神田駅南口を出て、線路沿いに東京駅方面に向かい、交差点を渡って薬屋の右側の日銀通りに入り、左に曲がる最初の路地の中ほどにある。
築50年以上の2階建て一軒家を改装したという、同社が得意とする古民家再生店舗だ。
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極上ワインをグラスで試せる「マックスボルドー六本木」(11/11/4)

MaxBardeaux_outSワイン好きなら、1度は飲んでみたいと思うのが格付けワイン。ボルドーで地区ごとにランク付けしている極上ワインだが、ランクが上のものほど高価なので、なかなか飲める機会は少ない。「どれほど美味しいのか、1口だけでも飲んでみたい」と思う人は多いだろうが、そんな思いをかなえてくれる店が六本木に登場した。11月1日に開店した「マックスボルドー六本木」だ。

この店は、ボルドーの格付けワインばかり48種をグラスでテイスティングでき、その場で購入もできるテイスティング・バー。本店はボルドーにあり、海外では台北に次いで2国目の出店らしい。
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新宿3丁目の隠れ家ワインバー「Limited」 (11/10/12)

新宿3丁目を中心に「Bar Dance」や「MARUGO」など、十数店の飲食店を展開している株式会社ワルツ。新宿らしからぬオシャレっぽいジャズバーやワインバーが女性層を中心に受けているようだ。そのワルツが先月、また新しいワインバーを出店した。
小さい店ながら、隠れ家風でなかなか面白い。店名は「Limited」といい、その名の通り3年8ヶ月の期限付き営業らしい。

場所は、新宿3丁目の寄席「末廣亭」の3軒右隣にあるビルの奥。ビル入口の上に一応看板はあるのだが、まったく目立たない。通りから奥をのぞくと、入口のドア越しにカウンターの端がかろうじて確認できる程度だ。
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最高のものを、最低の価格で!銀座「ル・コフレ」 (11/4/27)

ル・コフレ_看板安めのお店が続いたので、このあたりでたまには高めのお店もご紹介しておこう。

客単価がおそらく1人2万円前後ではないかと思える店だから、高いことは間違いないのだが、ある分野に限っては「銀座どころか世界でも最安では…?」と噂されるフレンチ、銀座「ル・コフレ」だ。

銀座4丁目の交差点から歩いて100mほどの路面店でありながら、探してもなかなか見つからない「隠れ家」っぷりもユニークだ。
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安くてうまいグラスワインが40種!新橋「Kassi's Bar」 (11/4/5)

最近急増中の格安ワインバーに、小粒ながら面白い店が加わった。安い価格で飲める美味しいワインばかりを厳選して揃えた、新橋の「Kassi's Bar」だ。

場所は、烏森神社の近く。JR新橋駅前にあるSL広場の前の道を、パチスロ「えだまめ&グリーンピース」の角で右折し、烏森神社正面の路地を左に入り、最初の角を右に曲がって30mほど歩いた右側2階にある。
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浦和のカジュアル・ワインバー「ラ・スカーラ」 (11/3/1)

ちょっとワインが飲みたいと思っても、1人でワインバーは敷居が高いし、居酒屋だとイマイチ雰囲気が合わない。肩肘張らず気軽にワインを楽しめる店があれば…といった需要に応えるのが、最近急増中の“ガブ飲みワインバー”だ。
以前ご紹介した、新宿「MARUGO」や、銀座「ポンデュガール」あたりはその草分けかと思うが、どちらも大人気で、いずれも姉妹店が4店舗に広がっている。

浦和の「ラ・スカーラ」もそんな“ガブ飲みワインバー”のひとつだ。
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軽く飲むには打ってつけ!有楽町駅前の格安ワインバー (10/12/14)

お酒が200円から、つまみが300円からと聞くと、どこの立ち飲みかと思われそうだが、これがなんとワインバーの価格だ。しかも場所は、有楽町の駅前!
タネを明かせば、その店とはワインの品揃えで定評のある酒販店、「ヴィノスやまざき」のテイスティングコーナーだ。

場所は、有楽町の銀座側駅前にある、「イトシア」地下1階フードアベニュー。1~8階が有楽町マルイになっていて、地下のイトシアフードアベニューには、「東京カレー屋名店会」など27のショップが入っている。その奥の地下鉄通路口の手前にあるのが、「ヴィノスやまざき」有楽町店だ。

一見、普通のワインショップのようにしか見えないが、奥にテイスティングコーナーがある。言わば西洋版・角打ちなのだが、決してバカにできない。ご覧のように、ちょっとしたワインバーに引けを取らないスペースを備えている。レンガの壁とアーチ状の天井が、ワインカーヴを思わせる造りだ。
フロア中央にテーブルが3卓、左の壁際に小さなテーブルが2卓、突き当たりのカウンターにも4席ほどがある。右側のメイン・カウンターでも、立ち飲みが可能だ。テーブルの下の木箱は、荷物入れに使う。

ワインは安めのものから少し高めのものまで、毎週10種類以上の銘柄が用意され、すべてグラス(600円~)でもボトル(2,300円前後~)でも注文できる。少しだけ味見してみたいという人のために、30mlのテイスティング・サイズ(200円~)も用意されているのが嬉しい。これなら、普段はなかなか飲めない価格のワインでも味わえそうだ。
ワインの銘柄は毎週日曜に入れ替えられ、ホームページの「バーカウンターメニュー」(PDF)で確認できる。

飲んだワインをショップで購入する場合は、10%引きといった特典がある。逆に、ショップで買ったワインをこちらに持ち込んで飲むこともでき、その場合は持ち込みチャージとして1人500円が掛かる。これは、販売店という特徴を活かした大変お得なシステムだろう。

食事は、テイスティングコーナーという性格上、ほとんど軽食に限られている。メインは各種の「ピンチョス」(軽いおつまみを串で刺して食べるスペインの地方料理)で、この店では串がなくパンの上に乗せて提供される。

スモークサーモン(ノルウェー産)とカンパーニュ(田舎風パテ)が300円で、オイルサーディンが450円。ほかはすべて350円で、ブッタネスカ(ドライトマト・ケッパー・アンチョビ)、カプレーゼ(モッツァレラチーズ・トマト)、生ハム&チーズ(サンダニエレ産)、奈良漬とチーズ、タコのトマト煮、イカスミ煮、はちみつとブルーチーズ、ポークリエット、レバーペースト…等のピンチョスがある。

ピンチョス以外には、ナッツ&ドライフルーツ(500円)、冷やしトマト(600円)、季節野菜のピクルス(600円)、厳選オリーヴ盛り合わせ(600円)、モッツェレラヴルスト(モッツェレラのソーセージ/800円)、ブッフブルギニオン(牛肉の赤ワイン煮/900円)、有楽町店名物・チーズフォンデュ(900円)、ハム・サラミの盛合せ(900円)、チーズの盛り合せ(3種/600円、6種/1,200円)があるが、全体的に量は軽め。
特に人気が高いのはチーズフォンデュで、それ以外もつまみとして満足できる味だ

手軽にワインを楽しむのに打ってつけなのはもちろん、お気に入りのワインを見つけたい時にも使える店だ。有楽町駅前という立地は、途中下車にも便利。
ショップではワインだけでなく、日本酒やチーズ、ワイングッズなどもいろいろ販売している。

→ヴィノスやまざき有楽町店
http://www.v-yamazaki.co.jp/yurakucho/yurakucho.html

メニュー不要のワインバー、さいたま新都心「GALA BAR MIZUNO」 (10/11/12)

さいたまアリーナからほど近い場所に、ちょっとユニークなワインバーがある。「GALA BAR MIZUNO」というイマイチ覚えにくい名前だが、要するにオーナー・ソムリエである水野英明さんの名前を冠したワインバーだ。「GALA」には、英語で「お祭り」とか「特別なおもてなし」といった意味があるらしい。

MIZUNO_外観場所は、「さいたま新都心」駅からも5~6分で行けるが、埼京線の「北与野駅」からは3分程と、より近い。北与野駅を降りて、「書楽」横の国道17号線を大宮方面に進み、八幡通りの信号を左折すると、次の右側の角にある。
「さいたま新都心」駅からだと、西口のさいたまアリーナ前の道を左に進み、埼京線のガードをくぐって、国道17号線を渡った次の角になる。

エントランスから店に入ると、右側が6席ほどのカウンター。左側に2~4人用のテーブルが4卓ほどの、小さな店だ。カジュアルレストランとしても使える洒落た造りだが、カウンター周りなどにワインのボトルがあちこち置かれているので、その辺は雑然とした印象もある。

開店は、2006年3月3日。パレスホテル大宮やリーガロイヤルホテルで腕を磨いた水野英明さんが、35歳を前に独立したのがこの店だ。水野さんは、ソムリエ・利酒師・調理師の資格を併せ持っている。その技を活かした独自の店を目指して、ユニークなワインバーを作り上げた。

それは、お酒も食事もメニューに頼らない、オーダーメイドシステム。お客が「どんなワインを飲みたいか」を水野さんに伝えると、水野さんは店にある100種類以上のストックの中から、好みに合いそうなボトルを幾つか持って来てくれる。説明を聞いて好みの1本を選ぶと、今度はそれに合う料理をその場で提案してくれるのだ。もちろん、その時の腹具合や好みの食材、季節や天候も考慮に入れてくれる。

MIZUNO_店内グラスワインも常時10種類前後が用意されているので、1杯ごとに銘柄を変えることも可能。もちろん、それに合わせて料理も作ってもらえる。
普通は先に料理を注文して、それに合うワインを選ぶものだが、この店は逆なのだ。あくまでワインが主役。先に飲みたいワインを決め、それに合わせた料理を作る。ワイン好きには嬉しい方法だ。

ただ、財布が心配な人は、価格を確認した方がいい。グラスワインでも850~1,500程と、上下で倍近い差があるし、ボトルは更に価格幅が広い。ワインバーとして決して高い店ではないが、居酒屋感覚で注文してると、予算オーバーということも考えられる。

料理を決める際は、食物アレルギーや苦手な食材について必ず確認してくれる。地元・埼玉の食材を使ったり、注文したワインをソースに使うなど、臨機応変だ。
1皿の価格も、グラスワインと同じか、ちょっと安めなくらい。3皿のセット(ワインと共にお楽しみ頂く3皿の作品達)が、税・サービス料込み2,300円と手頃だ

小さい店の割に接客がとても丁寧なのは、好みが分かれるところだが、これは一流ホテル出身というだけではなく、若手2人(本澤直之さんと深野大輝さん)への教育という意味もあるのかと思う。この店のスタイルと思った方がいい。

数回行けば好みを覚えてくれるので、そうなると今日の気分を伝えるだけで、飲みたいワインと食べたい料理が出て来るということもある。そうなると、もう離れられない店になるだろう。

→GALA BAR MIZUNO
http://www.gala-mizuno.com/

元祖ワイン系ビストロ、銀座「オザミ・デ・ヴァン」 (10/6/29)

の数ほどあるワインバーやビストロの中でも、銀座のOLに知れ渡っている有名店が「オザミ・デ・ヴァン」だ。
「ワインの友達」という店名が示す通り、気取らない雰囲気と手頃な価格で、美味しい料理とワインを提供してくれる。
銀座2丁目の裏通りという立地は、銀座っぽくはないが、逆に居場所を忘れさせてくれるし(パリの下町にいる気分?)、コスト・パフォーマンスの高さにもつながっているのだろう。

場所は、銀座ベルビア館の裏にあるスペインバル「バニュルス」(ここも系列店)の路地を入った左側3軒目。テラスの部分にもテーブルが2卓置かれた、オープンな造りが目印だ。

入ると、1階はコース主体のレストランで、サービス・カウンターと4人用のテーブルが10卓くらい。狭い階段を昇った2階は、アラカルト主体のブラッセリー。3階は個室としても利用できそうなワインバーで、セミオープンテラス風の造りになっており、昼は太陽をあびながら、夜は星空を眺めながらワインや食事を楽しめる。席数は全部で66席ほどらしい。

開店した1997年9月の時点では2階までしかなかったが、98年11月から3階もオープンした。
ワインを飲みながら料理をつまんだり、ちょっとしたディナーにも十分対応できるとあって、雑誌などのメディアでも数多く取り上げられ、銀座のOLの間で不動の人気店となり、たちまち系列店が広がった。一昨年ご紹介したヴァンピックル銀座も姉妹店の1つだ。

ワインは、フランスを中心にグラスで40種類以上、ボトルで800種以上を常時取り揃えるという豊富さ。チーズも常時15種以上揃えている。分厚いワインリストは36ページにわたってびっしりと銘柄が記載されており、余程のワインマニアでない限り、自力でのチョイスは無謀だ。

コース料理は、「プリフィックスコース」と「シェフお任せコース」の2種類。プリフィックスコースは、前菜2皿とメインディッシュ、デザートをそれぞれ10数種類の中から選ぶという内容で5,250円。
月替わりのシェフお任せコースは、アミューズ、前菜2皿、魚料理、グラニテ、肉料理、デザートという内容で7,350円。

現在はこれに開店12周年記念のオプション・プランが加わっており、これがおススメなのだ。このプランは、お任せコースの1皿ごとにグラスワインをセットしてくれるというもので、価格は40mlグラス×5杯の場合で10,000円、70mlグラス×5杯の場合で11,025円。
料理にピッタリ合ったワインが計5種類も付いてくるというのは、ワイン好きにはたまらない

白2杯と赤2杯に、シャンパンまたはデザートワインのどちらかを選べるという構成だが、ワインの質がいいのだ。前菜こそ無難な地区名ワインだったが、その後はサントネーシャサーヌ・モンラッシェ、最後はAOCマルゴーの3級・シャトー・ジスクールまで出て来て驚かされた。3,675円の追加(70mlの場合)なら、1杯あたりわずか735円。それで、これだけのワインが飲めるというのは、絶対見逃せないと思う。

もちろん料理も評判通り、ビストロと思えないほど本格的なレベルで満足できる。ラストオーダーが深夜2時と、銀座としてはかなり遅いのもありがたい。
初回はコースで一通り把握し、2回目からはプリフィックスやアラカルトで好みの料理を楽しむというのが賢い利用法だろう。
土、日、祝日のみに営業しているランチも、更に安くて(1,890円~4,725円)人気があるらしい

→オザミ・デ・ヴァン
http://auxamis.com/desvins/

コストパフォーマンス抜群!武蔵浦和「Bistro un」 (2009/11/19)

今日は、ボジョレ・ヌーボーの解禁日。一時ほど騒がれなくなったが、今夜は多くの人がワインを飲みに行くに違いない。
ワイン好きにとって、美味しいワインが安く飲める店ほど嬉しい店はない。都内では家賃の高さもあってなかなか難しいが、郊外だとたまに掘り出し物の店がある。武蔵浦和にある「Bistro un」は、そんな嬉しい店のひとつだ。

場所は、JR武蔵野線の武蔵浦和駅の高架沿い。埼京線の武蔵浦和駅からだと、両線が交差しているあたりで武蔵野線の高架をくぐり、右に折れるとすぐ右側にある。

オープンしたのは、2004年12月7日。当初から安くて美味しいビストロとして人気があったが、2009年の4月1日に全面禁煙に踏み切ってから、一層評価が高まった。

ドアを開けると、フロアとの仕切りがあり、その向こうにテーブルが4卓、奥のカウンター(オープンキッチン)に6席。右手の奥が半個室の小上がりになっていて、そこにはなんと堀ごたつ式の座卓が1卓ある。
ビストロで小上がりというのも珍しいが、食事を気軽に楽しんで欲しいというこの店ならではだろう。子供連れのお客には有難いかもしれない。この店では、料理もお箸でいただくスタイルなのだ。

料理はフレンチをベースとしているものの、スパゲティや和牛のタタキなどもある。オーガニックな食材を心がけているそうで、ワインもフランス、イタリア、アルゼンチンなどのオーガニックワインが中心だ。

コース料理が、2,500円(オードブル数種、サラダ、魚料理、肉料理)、3,000円(上記+デザート)、3,500円(上記+温製オードブル)という手軽さ。アラカルトも550円~850円くらいがほとんどだ。
児玉ポークのリエット(550円)、ラタトュイユのグラタン(650円)、鮮魚の香草焼き(750円)、ペペロンチーノ(750円)、 鮮魚のカルパッチョ(800円)、和牛のタタキ(850円) 、各種デザート(500円~)…など。和牛サーロインは別格の3,000円(ハーフあり)。

ワインはグラス500円、ボトル2,000円からあるのだが、フロアの端にあるワイン保冷庫を覗くと、優良ワインやシャンパンに信じがたい安値が付けられている。
ラ・ジブリオット/ジュブレ・シャンベルタン2004年(5,300円)、ロベール・シリュグ/ヴォーヌロマネ プルミエ・クリュ レ・プティ・モン2001年(7,500円)。ランソン(5,500円)、ヴーヴ・クリコ(7,500円)。
ワイン好きなら、都内からでも通い詰めたいほどの破格値だ。

ワイン以外のお酒も柔軟性があり、生ビール(500円)、日本酒(550円~)、焼酎(550円~)、各種カクテル(500円~)、ソフトドリンク(300円~)…といったラインナップで、手頃な居酒屋といった値段。

このワインとこの料理で居酒屋価格というのは、ちょっと考えられない。若いご夫婦で営んでいるようなので、他店がおいそれと真似できるものではないだろう。
気軽にワインを楽しめる店として、ぜひ利用したいビストロだ。

→ぐるなび/Bistro un
http://r.gnavi.co.jp/a365100/

口コミ・ランキング埼玉No.1の店 (09/6/23)

ご夫婦2人で営むテーブル4卓だけの小さなビストロながら、某有名グルメサイトの「ベストレストラン2008」で、埼玉県の口コミ評価第1位(全国総合でも22位)に選ばれた店が上尾にある。それが、北上尾のビストロ「Maison d'H(メゾン ドゥ アッシュ)」だ。

北上尾は高崎線の下りで大宮から3つ目、1日あたりの乗降客数が1万人ちょっとという小さな駅で(大宮駅は約63万人)、飲食店自体が少ないエリアだ。しかも、店は駅から歩いて12分の場所。
大宮や浦和に何万もの店があるにも関わらず、こんな郊外のビストロが1位の評価を得たことに興味を抱いて、訪れてみた。

店は一見、瀟洒な庭つきの邸宅に見える。テラスにもテーブルが2卓置かれているが、ほとんど飾りに近いらしい。奥様が1人で給仕されているので、室内の4卓だけで手一杯なのだ。

食事は昼も夜も、基本的にコースのみ。コースは3種類あって、いわゆるプリフィクス式だ。オードブルとメインを、それぞれ5種類ほどの料理から選択する。デザートも、「本日のデザート」「仏産チーズの盛り合わせ」「自家製デザートの盛り合わせ」からチョイス

料理もワインも、前評判通り美味しかった。肉料理は焼き方がレア~ミディアムレアくらいで、他店と比べると軽めの焼き加減という印象だが、肉好きな人にはこの方が好みだろう。(逆に嫌いな人にはキツそう。)

ガルニチュール(付け合せ)の量が半端ではないので、肉料理のボリュームはかなりのもの。和牛ホホ肉の煮込みや、牛ヒレ肉のポワレならまだしも、仔羊のローストは骨付き肉が2ピースなので、これに色とりどりのズッキーニがたっぷり添えられると、かなり食べ応えがある。

ワインは4千円程度の手頃なスペインワインを頼んだのだが、料理に合っていて(仔牛料理の定番・メルロー種)美味しかった。小さな店なのに、ワインを80種類以上揃えてあると聞いている。

全体的に満足できる美味しさだったが、ずば抜けているというわけではなく、サービスも本格と言うよりはアットホーム路線。
口コミ・ランキングで埼玉1位になった原因は、どうやらコスト・パフォーマンスの高さにあるようだ。

ディナーコースが、税・サービス料込みで4,400円~7,800円。この日食べたのは、魚料理と肉料理が両方含まれているコースのハーフ(6,000円)だったが、かなりのボリュームだった。特に大食いでなければ、魚料理と肉料理のどちらかを選択するコースのハーフ(4,400円)でも充分だろう。
ハーフと言っても、この店ではフルより少し軽い程度と思っていい。
この味とこの量で、この値段なら、確かに満足度は高そうだ

それだけに常連も多く、定期的に訪れる客も珍しくない。(駐車場は6台分ある。)
ただ、あまり大食いでない自分には、この店のコースはボリュームありすぎ
もし次に訪れるとしたら、ぜひランチを試してみたい。軽めの美味しいランチをいただいた後、テラスでゆっくりコーヒーを飲めると、この店の良さを味わえそうだ。

→ぐるなび:Maison d'H
http://r.gnavi.co.jp/a245400/

ごく普通の居酒屋で驚愕の美酒が!…大宮「とらぬ狸」 (06/9/11)

使い方によって、かなり印象が変わってしまう店がある。大宮の駅から30秒の居酒屋「とらぬ狸」は、そんな店の一つだ。評価が分かれる店とも言えるかもしれない。

場所は、大宮駅の京浜東北線ホームの向かい。駅東口から、最も与野駅寄りの階段を降り、線路沿いの路地に入ると、すぐ左側2階にある。いわゆる南銀座通りの裏手だ。

店自体はあまりにも普通の洋風居酒屋で、目立つところは何もない。
2階の入口を入ると、すぐ右手がレジ・カウンターで、左手はお酒の棚。棚の向こうは半個室のスペースになっており、奥のフロアと合わせて40人ほどのテーブル席がある。
開店は96年9月。当初は駅西口にあったが、少しして東口に移転した。

フロアは、3人ほどの男性スタッフがサービスに務めている。
店は、スローフードを掲げており、北海道の食材を豊富に揃えた料理と、厳選された酒が自慢だ。価格はいずれも居酒屋としては標準的で、安くも高くもないレベル。

日本酒は、久保田「千寿」(790円)、八海山・本醸造(790円)、男山・生もと特別純米(630円)、田酒・特別純米(790円)、麓井・純米生もと(840円)、出羽桜「桜花」吟醸本生(790円)、黒龍「いっちょらい」(840円)、高清水「しみずの舞」吟醸(950円)、・純米吟醸(900円)の9種類。
焼酎も、690円と790円で12種類ほど揃っている。「百年の孤独」だけは1,200円だった。

ここまでは特に珍しくない居酒屋であり、紹介するほどでもない。実は、この店の真価はワインにある。
メニューにあるのは、白ワイン10種類、スパークリング・ワイン(シャンパンとカヴァのみ)8種類、赤ワイン15種類で、なんとシャンパンも含めて、その全てがグラスで飲める。価格は、グラス750~2,650円、ボトルで2,950円~9,950円。

ワインを楽しむならワインバーが普通だが、たいていは価格が高い上、グラスで飲める種類が少ない。この店だったら、わらびのおひたし(480円)でもつまみながら、何種類ものワインをグラスで飲むことも可能だ。

店には、店長を含めてソムリエが2名おり、ワインへの力の入れ方は半端ではない。メニューに載っていない高級ワインもざくざくある。知らなければ、まさかこの店でロマネ・コンティが飲めるとは想像もつかないだろう。(01年・525,000円)

毎月20日前後には「レア!ワイン会」を開催しており、1万円で主にブルゴーニュのレア・ワイン5種類と、料理(3品+お食事+パン+Euro Art製チーズ+デザート)を楽しむことができる。

先月からは、それに「銘醸ボルドーワイン会」という企画も加わった。こちらはシャンパンとボルドーの格付けワインを計6種類味わえる。先月の第1回では、シャトー・ラトゥール75年をはじめとする格付けワイン4種類が勢ぞろいした。毎回9大シャトーの1つが必ず入るというから、ワインマニアには垂涎もの。こちらは15,000円の料金で、料理はワイン会と同様だ。(次回は9月予定)

ワイン好きは当然だが、プロのソムリエたちがこの店で宴会を開くことも珍しくない。
オシャレじゃなくても、美味しいワインを安く飲みたい花よりダンゴ派には、見逃せない店だ。

→北海道食大使 とらぬ狸
http://www.toratanu.com/

ワインとボサノヴァを楽しむ渋谷の隠れ家「bar bossa」 (09/2/3)

風変わりな店ではないのに、万人受けせず好きな人だけどっぷりハマる、といったタイプの店がある。
渋谷の隠れ家「bar bossa」も、そんな店のひとつ。喧騒を離れた裏路地にある、ボサノヴァが流れるワインバーだ。

BarBossa_看板場所は、渋谷の西武A館・B館の間を通る井の頭通りを直進し、宇田川交番のY字路の左側を進むこと約250m。右側に現れる写真の袖看板が見えたら、ビルの隙間を抜けてそのビルのに回ると、路地裏に面して「bar bossa」がある。知らなければ絶対に見つからない立地だ。

店内は、路地に面した側に6席のカウンター、フロアに4人用テーブルが3卓ほどの小ささだ。カフェのようなカジュアルな内装だが、照明は暗めに抑えられている。

店を切り盛りするのは、音楽業界出身のご主人・林伸次さんと、ソムリエを務める奥様の2人。
林さんは、今もデジタルラジオで「bar bossa」という番組を持っているし、CDのライナーノーツを執筆したり、5年前には「ボサノヴァ」という本も出しているので、「出身」と言うより二足の草鞋と言った方が正しいかもしれない。 

店内には、もちろんボサノヴァやMPB (Musica Popular Brasireira=ブラジリアン・ポピュラー・ミュージック)が流れている。音量は低めなので、ボサノヴァ好きの人でなければ、そうと気付かないかもしれない。壁に並べられたジョアン・ジルベルトやA.C.ジョビンなどのレコードジャケットを見て、初めて気付く人も多いようだ。

メニューは店のホームページに掲載されているが、グラスワインが800~900円、ボトルは3,500~8,000円くらいが中心。高いものでも12,000円くらいまでだ。
フランス全域のものがバランスよく揃えられており、少数ながらイタリアやスペイン、オーストラリアといった物もある。全部で80種類ほどストックされているようだが、店のメニューにピックアップされるボトルは日によって変わるので、黒板やメニューを見ながら相談して決めるのがいい。

BarBossa_外観もちろん、ビール、ウィスキー、カクテル、ラム、テキーラ、ピンガ(サトウキビから作られるブラジルの蒸留酒)…など、ワイン以外の洋酒も一通りある。(各700~900円)

料理は軽めのものが中心で、おすすめはチーズとチョコレート
チーズは季節限定のものを10数種類揃えており、3種(1,000円)と5種(1,500円)の盛り合わせが用意されている。
チョコレートは、パティシエの久保田由希さんがオリジナルで作っているガトー・ショコラ(600円)で、抑えた甘さと濃厚な味がワインによく合う大人の味

この店は、BARの割に1人では入店できないらしいので、その点だけは注意が必要。
毎週日曜日には、ミニ・ライブも開かれており、ボサノヴァ好きならそちらもすすめだ

肩から力の抜けたいい感じの大人が、渋谷でゆったりと過ごせる貴重な空間だ。

→bar bossa
http://www.barbossa.com/01-top/index.html

ガード下の穴場ワイン居酒屋、神田「があどした」 (08/12/15)

ワイン好きにとって悩みの種は、安くて美味しいワインがなかなか飲めないこと。居酒屋では、値段は安いものの美味しいワインは余り期待できない。ワインバーなら美味しいワインが期待できるものの、けっこう高いし、1~2人ではボトルもなかなか頼めない。
気取らない雰囲気で、美味しいワインを安く飲めないものか…。

そんな人は、ガード下に行ってみよう。美味しいワインが驚くほど安く飲める店がある
神田のガード下に店を構える、その名も「があどした」だ。

JR神田駅の南口を出ると、東京方面に向かうガード下に飲食店が並んでいるのが見えるはず。手前から3~4軒目に「があどした」がある。ちょうど立呑み「ます屋」の向かいだ。
外観は写真通り、鉄のドア1枚のみ。注意していなければ、気付かずに通り過ぎてしまうこと必至。たとえ気付いても、通りすがりにこのドアを空ける勇気はなかなか出ないだろう。

ドアを開けると、年季の入った店内だ。4人用のテーブル2卓に、カウンター5席のみ。壁にはワインのラベルやポスター、クーラー…先週は、今月発売されたばかりのCD「ウルトラマン・オン・ブラス」のポスターも貼ってあった。このCDで指揮をしている矢澤定明さんが、お客の1人なのだそうだ。彼の先生である佐渡裕さんが店に来た時の写真も貼ってあるので、意外と藝大のお客が多いのかも?

開店から20年間、カウンターを仕切るのは、店主の石井寛一さん。コワモテの風貌に加え、歯に衣着せない物言いで、名刺の肩書きも「おやじ」。頭に「頑固」が抜けていそうな気もしてくる。
元はワインメーカーのビジネスマンだったそうで、ワインに詳しいことはもちろん、当時の人脈を活かして美味しいワインを格安で提供してくれる。

通常、グラスワインは6種類用意されているのだが、ちょうど今は特製ワインセーバーが故障中とのことで、白がブルゴーニュのGIVRY、赤がチリのMontesAlpha(シラー)の2種類しかなった。
ここのワインセーバーは、ボトルに窒素を注入することで酸化を防ぎ、抜栓後も品質を落とさず、最後の1杯までグラスワインを提供できる。今週中には直るという話だった。

ボトルワインは、壁の大きな紙3枚に羅列されている。ざっと60~70種類くらいはあるだろうか。多くは3,000円~9,000円で、ボルドーの格付けワインでも、ほとんどはこの範囲に納まる。例えば、99年シャトー・べレールが4,500円、96年シャトー・クロワゼ・バージュが9,000円…など。
この店の提供価格は市価のほぼ倍だから、店で出す価格としては底値と言っていい。

ハーフボトルも10種類近くあって、こちらにも格付けワインが含まれている。シャトー・マルキ・ド・テルムのハーフが4,000円、シャトー・トロットヴィエイユはもっと安かった。
別格の高級ワインも、10種類ほど置いてある。中には、高級フレンチ・レストランでなければ普通お目にかかれないような銘柄まで…。
ワイン以外はビールくらいしかないが、常連客の要望に負けて、日本酒久保田・千寿」と、芋焼酎「さつま白波」だけは置いてあった。

料理はカウンター内のボードに書き出されていて、17種類ほど。こちらも500円~1,000円。黒豚の紅茶煮、キノコバター、牡蠣のトースト、鶏なんこつ揚げ、フライ盛り合わせ、イタリア風オムレツ、焼きそば、チーズ盛り合わせ、肉しゅうまい、塩辛スパゲティ、柿の種…と、見事なバラバラぶりが楽しい。

実はここは支店であり、本店が100mほど先の同じくガード下今川小路にある。本店は奥様の久美子さんが切り盛りしており、支店とは料理などが微妙に異なるが、安くて美味しいのは同じ。テーブルは1卓しかないが、カウンターが8席ほどある。

ワインバーにしては客にオヤジが多いが、もちろん女性もいる。花より団子というワイン呑みには、こたえられない店だ。

→食べログ:があどした
http://r.tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13056505/dtlrvwlst/699500/

ワインを気取らずガブ飲みする店、銀座「ポンデュガール」 (08/8/18)

銀座のかなりはずれに、パリ下町の居酒屋のような小さな店がある。コストパフォーマンスの高さで人気がある「テーブルワイン ポンデュガール」だ。7月28日に紹介した「なじらて」の近くでもある。

場所は、銀座1丁目だが、地下鉄有楽町線の新富町駅が一番近い。2番出口から出ると、高速道路の上をまたぐ「三吉橋」が目の前にあるが、その1つ右隣の「新富橋」を渡ると、すぐ右手のたもとにある
オリエント急行のようなデザインの緑色の外壁で、店の表にもテーブルが2卓おいてある。表の席は、冬にはフルパワーのヒーターが置かれるそうだ。

店内は、赤い壁にフランスの地図やロートレックのポスター、サビニャックのポストカード、アメリのチラシなどがびっしり飾られている。入口のすぐ右手の壁は丸ごとワイン棚。
テーブル5卓にカウンター3席ほどの狭い店で、テーブルの間隔も狭い。店の中央のワゴンにはグラスワイン用のボトルが何本か冷やされいる。

みんなで気取らずに安いワインをガブガブ呑むという店なので、カッコつけて飲みたい人は別の店にした方がいい。
一応、壁の黒板などにおすすめワインが書かれてはいるが、日ごとに変わることもあって、ほとんどの客はスタッフの女性に好みを伝えて選んでもらう。「軽めでフルーティーな赤を」などと頼めば、3本くらいおすすめのボトルを持ってきてくれる。ボトルワインは1,980円からで、3,000円台が中心と、まさにテーブルワインの店だ。グラスワインは全て500円。

ワインは南フランスを中心に、イタリア、スペイン、カリフォルニア、チリからイスラエルまで多彩に揃えられている。ボトルにはすべて白いペンで値段が書かれているので、とても分かりやすい。
手頃なワインばかりだが、値段の割に美味しいものがチョイスされているので信頼していい。真夏の今は、もうちょっと赤ワインの温度が低いと嬉しいのだが、まぁ固いことは言わない。

以前は世界10ケ国のビールも備えてあったのだが、今はサッポロ(480円)、ヱビス(600円)と、ギネス(600円)くらいに減ってしまったのが残念。

料理はけっこうボリュームがあるので、複数で取り分けるのがいい。
継ぎ足し味噌で煮込んだ洋風もつ煮込み(680円)、トリッパのトマトソース煮込み(735円)、ラムのビール煮込み(1,580円)といった煮込みメニューが人気なので、1つは頼みたい。
手造りピッツァマルゲリータ(735円)や、ペンネゴルゴンゾーラ(840円)といった定番もあり、軽いものが良ければ242円からある前菜や、前菜盛り合せ3種(630円)も手頃だ。
どれもが居酒屋価格なので、安心して注文できる。

お客はやはり近くのOLさんが多いようだが、カップルや男性客も珍しくない。少々狭いのが難点だが、賑やかにワインを楽しみたい人にとっては、嬉しい店だ。
ただし、予約しなしで入るのは、遅い時間でないとまず無理。かなりの人気店なので、余裕を持って予約しておきたい。

なお、店名の「Pont du Gard」とは、フランス南部にある古代ローマ時代の水道橋で、世界遺産。
新富橋とは月とスッポンなのだが…これもシャレ?

→テーブルワイン ポンデュガール
http://www.pontdugard.jp/map.html

超人気の隠れビストロ、代々木「煮込みや なりた」 (08/4/14)

一般的には知られていない店でも、超人気店というのは存在する。その最右翼とも言えるのが、代々木の「煮込みや なりた」だろう。「煮込みや」と称しているが、実態はボリュームたっぷりのフレンチが楽しめるワインバーだ。

場所は、JR代々木の東口を出て、サンクスに向かって左へ進み、最初の路地を右に入ると、1つ目の角にある。「煮」の文字をデザインしたマークが目印。裏道ではあるが、駅のすぐ近くだ。

元は駅の反対側の代々木会館にあった店で、その当時は店の広さは2坪しかなかったらしい。その名の通り、煮込みが売り物だったのだが、狂牛病騒動と、店主である成田英壽さんのワイン好きが高じて、今や立派な酔いどれビストロに変貌した。
現在の場所に移転したのは、2006年2月21日だ。

ほとんどカウンターだけの店だが、テラス風の屋外にテーブルが2~3卓あり、ビニールのシートをめくってテーブルの間を通ると、店に入れる。
8席ほどのカウンターの奥に、2人用のテーブルと2人用のカウンターが1つずつあるが、それでも20人がやっとだろう。

この店にメニューは一切なく、黒板にその日書かれた20品ほどの料理がすべて。
ドリンクは、ビールかワインのみ。1人ボトル半分程度のワインが飲めないと、入店できないという店だ。(グループの中の1人でも飲めないと×)飲ん兵衛に特化した店はいくつかあるが、ここまで徹底しているのは珍しい。

ワインはフランス産中心で、ボトル2千円台~5千円くらいまで。種類は限られているので、シャンパンか、白か、赤かを伝え、好みの味があればリクエストすると、合いそうなボトルを何本か持ってきてもらえる。

メインは、やはり煮込み系が多いが、牛、羊、鴨、ウサギ…など、多彩な素材が登場する。
価格は1,300~1,800円くらい。美味しくて、驚くほどボリュームがあるため、これは格安
前菜の、キャベツのクミン風味(300円)、エスカルゴ(700円)、砂肝のサラダ(1,000円)は定番だ。
料理は成田さんが1人で作っているので、時間がかかることも多い。早めにできる前菜は必ず注文しておきたい。

安くて、うまくて、ボリューム満点ということで、店は連日満員。
来た客が次の予約をして帰ることも多いため、予約を取ること自体が一苦労だ。
電話予約は1週間以内しか受け付けてもらえないので、7日前の午前0時を過ぎてすぐ予約するのがコツ。自分も、そうやって予約を取った。

ちなみに、この店の常連客はナリタリアンと呼ばれているそうだ。
これ以上店を広めると彼らに怒られそうなので、とりあえず参照WEBは掲載しないでおく。行きたい人は、自力で調べてトライしてみて!

美味しい肉料理とワインの店、ヴァンピックル銀座 (08/4/4)

一番好きなお酒は日本酒なのだが、消費量でいえばワインの方が多いかもしれない。
最近でこそ減ったが、5年ほど前ならおそらく年に100本くらいは空けていたはずだ。(ほとんどテーブルワイン…

バクバク食べて、ガブガブ呑みたいというワイン好きに人気があるのが、「ヴァンピックル銀座」だ。串焼きとワインの店だが、ここではフレンチバーベキューと言われている。

店は、銀座の晴海通りの左側を数寄屋橋から4丁目交差点へ向かい、天賞堂の角を左折して50mほど行った、左側のビル2階。小さなビルなので目立たないが、ハートの看板を目印にするといいかもしれない。

階段を昇り、扉を開くと、店の狭さと混雑ぶりにちょっと驚く。
幅が狭く、奥行きのある造りなのだが、その雰囲気は確かに串焼き居酒屋といった感じだ。入ってすぐの窓側に小さなテーブルが1つあるものの、そこから奥までは長いカウンターがず~っと続いている。店の奥には、2~3卓のテーブル席がある模様。

カウンターの背後がワインラックになっているため、通路はとても狭い。人がすれ違うのはほとんど不可能で、一方通行でも体格のいい人は難儀しそうだ。

カウンターの中に豚一匹が逆さ吊りにされているのは、なかなか迫力がある。この店最大の売りが、埼玉県の吉田牧場で育てられた吉田豚なのだ。
吉田豚は、通常より長い期間飼育して、より質の高い豚に仕上げたもの。コクのある味わいは牛肉に劣らない美味しさだ。

串焼きは、青森産ニンニク(262円)から、活オマール海老(1尾2,940円)まで色々ある。豚のもも・肩ロース・バラは399円、江戸前穴子が525円、フォアグラの炭火焼は1串1,260円だ。
「おすすめ串6本セット」が2,940円、前菜からデザートまでの「おまかせコース」は4,200円なので、これらを頼むのが、断然お得

この店では、勝沼のブドウの枝を加えた炭火で焼いているというのも、ワイン好きの心をくすぐってくれる。

ワインは、南仏産を中心にしたフランスワインが、常時60種くらい揃えられている。自然派ワインが多いのも嬉しい。
価格は、ボトル3,129円から、高くても2万円くらいでほぼ納まる。よりグレードの高いものを求めるなら、例外的にシャトー・ラトゥール(35,000円)なども置いてある(ビンテージは不明)。

グラスワインも、常時10種類くらいあるのだが、こちらはメニューがない。スタッフに好みを伝えて3種類程度をピックアップしてもらって選ぶことになる。値段は1,500円くらいするので、頼む際は確認した方がいい。

かなり遅い時間でもない限り、予約せずに入れることは滅多にないため、要予約
丸の内にも支店があるのだが、そちらは新しくてキレイ。デートには丸の内店の方がいいかも…

→ヴァンピックル銀座
http://auxamis.com/vinpicoeur_ginza/

下町のおいしいイタリア食堂「たまキャアノ」 (08/3/29)

前々回の「燗酒屋」は、ホッとできる和風家庭料理の店だったが、今回はホッとできるイタリア家庭料理の店を紹介する。門前仲町の「たまキャアノ」だ。
取材拒否の店のため、メディアにはあまり載らないが、グルメ評論家諸氏からも高い評価を得ている、隠れた名店だ。

場所は、門前仲町の交差点から首都高の高架下をくぐり、2つ目の信号を過ぎたら右手の路地を入って、100mほど行った左側だ。門前仲町の交差点からは500mくらいあり、町名だと深川になる。

自宅を改造したと思える小さな店で、中はカギ型のカウンター9席のみだ。
予約席のテーブルクロスの上には、手書きのメッセージが書かれた紙が置かれている。
店のマダムであるたまさんのお宅にお呼ばれされたような、アットホームな雰囲気だ。

料理はアラカルトのみで、コースはない。一応基本となるメニューはあるものの、多くの料理やワインは時期によって入れ替わる。その日の料理はカウンター内の黒板に書かれており、ワインは実際のボトルが簡単な紹介文と値段付きでカウンター上に置かれている。

料理はイタリア風家庭料理といった感じだ。前菜、サラダ、パスタ、メインと20~30種類くらいのメニューがあり、一皿の価格は1,000円前後が中心。美味しさを思えば、コストパフォーマンスは相当に高い
ナイフとフォークのほか、お箸も置いてあり、気取らずにイタリアンを食べられる。

ワインも、1本2千円程度から4千円台くらいまでと、手軽で美味しいものが揃えてある。自分が飲んだのは、春らしい「Green Point Vintage Brut Rose」と「Chianti Classico Riserva」の2本。
ビールは、ヱビスのほか、バスペールエール(イギリス)、バドバー(チェコ)、クラーク(ベルギー)、コロナ(メキシコ)など、各種の外国ビールがある。日本酒も、久保田・千寿や熊本のソワニエなど、選ばれた銘柄だ。

店のスタッフは、たまさんとアシスタントの若い女性の2人。たまさんは、イタリアへ料理留学した後、この店をオープンした。気の置けない人柄を慕って通ってくる常連客も多い。
お客で目に付くのは、女性1~2人客やカップルで、男性同士というのはほとんど見かけない。
女性1人でも、たまさんとの会話がはずみ、隣り合わせた別の客と打ち解けてしまうこともよくあるようだ。

からちょっと距離はあるが、近辺に職場か家があれば、行きつけにしたいと思う女性は多いはず。
小さな店なので、ぜひ少人数で、できるだけ予約をしてから来店した方がいいだろう。

→食べログ/たまキャアノ
http://r.tabelog.com/tokyo/rstdtl/13018034/

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