大塚・蒼天_外観昼大塚にある焼鳥の名店「蒼天」の北口店が4月一杯で店を閉め、連休明けから南口店に統合されたと聞き、さっそく訪ねてみた。

場所は、大塚駅の南口。駅前広場の向かいにある「京樽」と「オールライトカフェ」の間からサンモール大塚商店街へ入り、五差路を左斜め前へ曲がってから、すぐ右折して約100mほど歩くと、右側に大きな杉玉が下がっている店が見えるはずだ。
この杉玉は、大きさからして、実際に酒蔵で使われていたものを貰い受けたのだと思う。通りからもかなり目立つため、たまに通行人が撫でて行ったりする。
大塚・蒼天_外観夜杉玉の横から短いアプローチを抜けて店へ入ると、まず焼場を囲むカギ型の広いカウンターがあり、窓側に4席、奥に向かって10席が並んでいる。その奥に厨房への出入口とトイレがあり、一番奥が半個室状になったテーブル席で、ここにも左右あわせて20人ほどが座れる。
焼鳥というより、カウンター割烹を思わせるキレイな店内で、女性客もかなり多い。

日本酒は、1合が陶製の片口で出されるのだが、片口の注ぎ口がやや下向きになっており、こぼれる雫を下のぐい飲みで受けるセッティングで供される。

日本酒の銘柄は、遊穂・純米吟醸 無濾過生原酒(750円)、同・20BY 火入れ(750円)、奥能登の白菊・純米 八反錦 無濾過生原酒(750円)、白鴻(はくとう)・千本錦 活性にごり(750円)、寶剣(ほうけん)・純米吟醸 広島八反錦(800円)、同・純米 超辛口(750円)、王禄・純米吟醸「渓」無濾過生(850円)、悦凱陣(よろこびがいじん)・純米吟醸 八反錦(900円)、同・純米 海老名亀の尾「興」(900円)、同・純米 赤磐雄町(850円)、小左衛門・純米大吟醸 40%火入れ(1,200円)、同・赤磐雄町(1,000円)…といった12種類があった。

以前の北口店に比べると、ラインナップがやや物足りない気もするが、セレクトの良さは健在だ。
ビールも珍しいガージェリーなどが入っているし、ワインもブルゴーニュを中心に白赤各8種類ずつが揃えられている。(ボトル価格は4,500円~14,000円ほど。グラスワインは白赤それぞれ1種類のみ。)お酒の品揃えの良さは、焼鳥に負けない高レベルだ。

大塚・蒼天_テーブルその焼鳥は、ささみ、正肉、手羽先、ぼんじり、なんこつ、砂肝、きも、はつ、せせり、はらみ、つくね、かわ、京鴨、う玉(うずらの玉子)…といった一般的な部位だけでなく、他店でほとんど見ないような珍しい部位もあるのが特長だ。
さえずり(食道・気管)、おたふく(甲状腺)、つなぎ (肝臓と心臓を繋ぐ部位) 、ふりそで(手羽と胸肉の間)、えんがわ(手羽先の皮)、ふんどし(腺胃)、せきも(腎臓)、そり(上腿の付け根)、てっぽう(生殖器)…といった部位がそれで、これらを目当てに訪れる人も多い。
ほかに、トマト、しいたけ、長芋、ししとう、銀杏、金針菜(中華で使われるユリ科の花の蕾)の野菜串や、スカモルツァ(イタリアのチーズ)といった変わり種もあり、種類は少ないが串物以外の一品料理もある。(ナマ物はない。)

串の価格は大体1本300円前後から、高い物では600円くらいの串もあるので、焼鳥としては高級店だろう。だが、その美味しさを味わえば、多くの人は納得するに違いない。なんせ本来は鳥料理が大嫌いな自分が、わざわざ大塚まで足を伸ばして訪れているのだ。

訪ねた日のお通しは、小さな器に盛られた鶏皮の二杯酢漬けと茄子の煮浸し、それに鶏団子スープの3点セットが提供された。
おまかせ5本セット(1,600円)を頼んでみたところ、正肉、京鴨、手羽先、つくね、きも、という内容。
コースは、3,150円と5,250円の2つがあり、このどちらかを注文するお客が多いようだ。

日本酒の充実した店がひしめき合う大塚だけあって、焼鳥店にもこれだけの銘酒が揃っていることにはおそれ入る。
店がキレイなことや、穴場的で落ち着けることも含め、デート向きの焼鳥屋として都内で最もオススメできる1店だと思う。

→蒼天