大凧_看板そろそろおでんの季節も終わりかもしれないが、人気の店だと夏でも客足は絶えない。
上野で四半世紀以上も愛されている老舗の「大凧」も、年中混み合っているおでんの名店だ。そこそこの価格で美味しいおでんが楽しめ、おまけに美味しい日本酒を揃えているところが、のんべえたちの熱い支持を集めている。

場所は、上野2丁目仲町通りを3つ目の角(ローソンの向かい)で左折し、個室イタリアン「サヴィーニ」の角を右に入ると、右側2軒目にある。
上野で最も賑わっている一角だが、立地としては御徒町からの方が近い。御徒町からだと、松坂屋の角から湯島方面に進み、「日本海庄や」の角を右折してすぐの路地を左に入ったところだ。
大凧_外観細い路地裏だが、店名が染め抜かれた巨大な和凧が建物の上部を覆っているので、すぐ分かるはず。店は小さいものの、老舗らしい素朴な和風インテリアで、腰を落ち着けて呑むにはもってこいだ。

1階は10席ほどのカウンターのみと狭いが、お客が多ければ2階も使える。店の外側の階段を上がると、2階は6席ほどのカウンターと6人用のテーブルが1卓ある。調理は1階で店主の小室さんが担当するが、日本酒は2階に置かれているので、上階のスタッフとリフトで料理と日本酒をやりとりしている。

厳選された日本酒で人気のこの店では、お酒を縁付きの角型コースターに載せたロックグラスに波々と注いでくれる。
定番の地酒は20種類ほどで、浦霞・本醸造(550円)、澤の井「大辛口」本醸造(550円)、男山・純米原酒(550円)、立山・本醸造(600円)、麒麟山・本醸造(600円)、醴泉・本醸造(600円)、千代菊・本醸造(700円)、一ノ蔵・純米(600円)、一ノ蔵「ひめぜん」純米(低アルコール酒・700円)、天狗舞・山廃純米(700円)、四季桜・純米(700円)、三千盛・純米(700円)、春鹿・純米(700円)、田酒・純米(700円~)、鳳凰美田(700円~)、武勇(700円~)、超 超久「氷室貯蔵 生」純米吟醸(850円)、獺祭・純米吟醸(850円~)、浦霞「禅」純米吟醸(1,000円)、出羽桜「雪漫々」大吟醸(1,300円)。

超 超久「氷室貯蔵 生」純米吟醸は、平成18年の古酒。既に造られていない酒なので、店のストックが尽きたらそれまでらしい。-5℃の蔵で低温熟成されていたため、古酒の割に色は濃くない。柔らかな旨みが広がる美酒で、これを目当てに通う常連がいるというのも頷ける。出羽桜の「雪漫々」も、なかなかお目にかかれない希少酒だ。
地酒好きを引きつける品揃えは、スタッフの好みが反映されていて、思わず酒談議を交わしたくなる

大凧_店内おでんは、薄味だが出汁のしっかりときいた関西風。汁の濃い関東風が苦手という人にはピッタリだ
タネは30種類以上で、1個100~300円がほとんど。季節によって一部のタネが入れ替わる。旨さの割に手頃な値段なので、リピーターがとても多い店だ。特に人気なのは、大根(150円)、つみれ(200円)、牛すじ(300円)あたり。トマトは意外にも洋風の味付けだ。

おでん以外の季節の肴は日替わりで、こちらも30種類以上ホワイトボードに書かれており、売り切れたものから消されていく。
訪れた日にあった肴は、とり皮のポン酢(400円)、長いもポン酢漬け(400円)、おさしみかまぼこ(400円)、鰯のなめろう(450円)、ササミの湯引き(450円)、鮭トバの炙り(500円)、スルメイカの丸干し(500円)、氷頭なます(500円)、ポテトサラダ(550円)、房州くじらのタレ(600円)、鯨ベーコン(600円)、カキのオイル漬け(600円)、あん肝((600円)…など、のんべえ心をくすぐるメニューが目白押しだった

おでんと日本酒がともに美味しい店はほかにもあるが、コースを主としているような高級店が多い。その点、ここは気軽に楽しめる価格に抑えられているのが嬉しい。冬に比べて回転が鈍くなる夏場は、タネに味が良く浸み込むため、その手の味が好きな人は逆に夏を狙って訪れたりするらしい。
欠点は、やはり店が狭いこと。路地裏とはいえファンの多い店なので、できるだけ予約してから訪れた方がいい。

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