渋谷は若者の街という印象が強いが、一時に比べれば最近は大人が落ち着けるエリアが増えたように思う。
中でも東急本店から松濤にかけては、昔から大人向きのエリアだった。飲食店も、目立たないながら上質な店がぽつぽつと散在していたのがこのあたりだ。

東急本店の向かいに、フランス風パンの店「VIRON(ヴィロン)」がオープンしたのは2003年6月。
VIRONは、フランスのパリ郊外にある製粉会社の名前だ。パン屋の3代目に生まれた西川隆博さんが、本場フランスのパンを食べ歩いた際に、VIRONの「レトロドール」というバゲットの美味しさに感動。この美味しさを日本の人に味わってほしいと思い、この店を立ち上げたのだ。
VIRON_外観「レトロドール」は、パリ市主催のバゲットコンクールで10年間に7回優勝したという逸品だ。大統領府の御用達のバゲットでもあるらしい。
その名と同じレトロドール小麦粉と、コントレックスを混ぜた水、ゲランドの塩、イースト酵母だけから作られているそうだ。外はパリパリ、中はもっちりとした、バゲットのお手本のようなパンだ。

店は、赤をベースにしたデザインで、フランス・テイストに溢れている。(思わず映画『アメリ』を連想した。)店の1階はパンとお菓子のショップになっており、バゲット・サンドやキッシュも販売されている。2階がブラッスリーで、こちらでは食事とお酒が楽しめる。1階で注文したパンやお菓子を、2階でサーブしてもらうことも可能だ。2階はカウンターとテーブル席あわせて約50席。テーブル間のスペースは少々狭い

この店が有名になったのは、9時~11時まで注文できるプティ・デジュネ「ヴィロンの朝食」(1,260円)がきっかけだ。焼きたてのバゲット・レトロドール(2切)、セレアル(穀物を練りこんだパン2切)、ヴィエノワズリー(クロワッサンやデニッシュ等10種類から2種類を選択)といったパン類に、ジャム6種類、ハチミツ、日替わりのコティディアンクリーム(ヘーゼルナッツ、チョコ等のスプレッド・クリーム)、コーヒーまたは紅茶がセットで付いてくる。

ジャムはミオ社、ハチミツは荻窪のラベイユ、バターはエシレ…と、添える味にも最高の品質を追求しているのが魅力だ
全ての素材にこだわったシンプル・リッチな朝食は、日本ではなかなか味わえないクォリティとボリュームで、パン好き女子が開店前から行列を作る。

プティ・デジュネには、「ヴィロンの朝食」のほか、「パリの朝食」(1,260円)もある。こちらは、サラダ、半熟卵、オレンジジュース、バゲット・レトロドール、コーヒーまたは紅茶という、ややヘルシーな内容。人気は圧倒的に「ヴィロンの朝食」の方が上だ。

VIRON_店内朝食があまりに有名だが、プリフィクス形式のランチもあるし、ディナーも食べられる。(営業は24時まで。ただし1階のショップは9時まで。)
フランス風なだけに、ワインやシャンパンも一通り揃えられており、午前中からボトルを開ける人も少なくない。カウンターの上の棚は、ヴーヴ・クリコのオレンジ色の箱でいっぱい
グラスワインも、産地や品種の異なるものが白・赤それぞれ4~5種類ずつ用意されており、テーブルにボトルを並べて1つずつ説明してくれる。価格は1杯750~1,200円くらい。

ランチやディナーの料理はどれもボリュームがあり、しっかり飲んで食べてしまうとお値段もそれなりに掛かってしまうが、それだけに朝食のリーズナブルさが際立っている。
美味しいパンを食べたい時には、候補に挙げたい店であることは間違いない。

●Brasserie VIRON 渋谷店
東京都渋谷区宇田川町33-8 塚田ビル2F
TEL 03-5458-1776

▼営業時間
9:00~12:00 ラストオーダー11:00 (モーニング)
12:00~15:00 ラストオーダー14:00 (ランチ)
15:00~18:00 ラストオーダー17:00 (カフェ)
19:00~24:00 ラストオーダー22:30 (ディナー)
無休(年末年始は営業時間の変更あり)