食欲の秋は、日本酒も美味しくなる季節だ。

酒造業界で新年度となる10月1日は「日本酒の日」でもあり、それに前後して「冷やおろし」と呼ばれる生詰め酒が市場に出回る。
そんな季節のせいか、日本酒にまつわる催しもあちこちで開催され、業界ニュースに事欠かない時期でもある。

そこで今週は、お店紹介はちょっとお休みして、この秋の日本酒関連ニュースを2日続けて計4本ご紹介したい。
まず今日は、「10月トピックス編」の2本

●舌が肥えているのは、やっぱり女性?

日本酒造組合中央会が主催する「第31回全国きき酒選手権大会」が、10月21日インターコンチネンタル東京ベイで開催された。
1981年にスタートしたこの大会、毎年アマチュアを対象に、各都道府県で行われる予選を勝ち抜いた代表者が「団体の部」と「個人の部」で競う。今年は36都道府県72名が出場し、筆記試験と実技に挑んだ。

実技では、同じ7種類の日本酒を2回に分けてきき酒し、両方の一致数で競われる。
今年の「個人の部」では、大阪府の西村百代さん(40)が優勝。2位は千葉県船橋市の佐藤晃一さん(56)、3位は徳島県鳴門市の西澤真美さん(45)。
この大会では、ここ5年間で女性の優勝が4回と、女性優位が続いている。微妙な味の判別となると、やはり料理の機会が多い女性に分があるのかもしれない。


●100年ぶりで港区に酒蔵が復活!

現在、東京都内に醸造所は13蔵あるが、そのうち実際に醸造を続けているのは半数ほど、23区内では北区の小山酒造1蔵のみとなっている。
そんな中、東京都港区で100年ぶりとなる酒蔵「東京港醸造」が、10月8日に誕生した。運営は港区で雑貨店を経営する若松屋。

若松屋は元々、1812年に初代が造り酒屋として創業したが、日清日露戦争で経営が傾き、1910年に酒造業を廃業。それを復活させようと、7代目・現当主の斎藤俊一さんが尽力し、遂に実現にこぎつけたのだ。
ちなみに、3日前に亡くなった作家の北杜夫さんは俊一さんの大伯父に当たり、曾祖父(4代目)は歌人の斎藤茂吉さんだ。

残念ながら、清酒の醸造はまだ少し先になるらしく、初年度の発売は梅リキュール「お江」(290ml=750円、7200ml=1,680円)と、どぶろくの「江戸開城」(2900ml=750円)の2種。今のところ蔵直売に限られているるようだ。

→東京港醸造