今月上旬、ロンドンで開催された「IWC 2011」で、今年の「チャンピオン・サケ」が選ばれた。
2011年度のチャンピオンには、「鍋島 大吟醸」(佐賀県・富久千代酒造)が輝いたそうだ。

IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)は、世界最大規模・最高権威とされるワインコンペティションで、世界中のワイン関係者から注目されているイベントだ。

ワインならフランスというイメージがあるだろうが、ワインを愛する点ではイギリスもフランスに負けていない。あのボルドーも、1154年から300年間もイギリス領だった歴史があり、イギリスへの輸出が今日のボルドーの栄華を築いたと言えるのだ。
そのIWCに「SAKE部門」が設けられたのは2007年。以来毎年、出品された日本酒の中からベスト1銘柄が選ばれる。今年の「SAKE部門」への出品は、206蔵・468銘柄だったそうだ。

このチャンピオン・サケを、さっそく飲んでみた。すっきりとしたキレイな酒で、水のようにスイスイ飲めてしまう。確かに美味しいお酒には違いないが、世界トップというほどのインパクトはない。
そもそもこのコンペティション、審査員は基本的に外国人だと思うので、どうしても飲みやすさが優先されてしまうのではないだろうか。(もちろん日本酒に造詣の深い人が選んでいるが、日本人アドバイザーは3人だけとか。)

昨年は、「チャンピオン・サケ」が1銘柄ではなく、5部門・5銘柄が選出される形式に変更されていた。純米酒部門、純米吟醸酒・純米大吟醸酒部門、本醸造酒部門、吟醸酒・大吟醸酒部門、古酒部門の5つだ。
それが、今年はなぜか元の1部門に戻ってしまっている。想像するに、これら各部門ごとに的確な判断を下せる審査員が少なかったのではないだろうか。

しかし、1銘柄を選出するという労力は尊敬したい。その下にトロフィー受賞酒、更にその下にゴールドメダル受賞酒も設けているが、頂点の1品をセレクトするというのは、この手のコンペティションではあまりない。

日本で最も権威のある「日本酒新酒鑑評会」では、875点の出品酒の中から、入賞437点、金賞244点が選出されるが(今年度の場合)、それ以上の絞り込みはない。
かつて話題になった「モンドセレクション」などは、2008年大会の応募総数1,753点のうち、金・銀・銅のどれかに入賞したものが1,421点(81%)、最高金賞ですら329点(19%)が受賞しているという乱発ぶりだ。

賞の目的が違うと言ってしまえばそれまでだが、1銘柄を選出するという英断は称賛したい。
ちなみに、過去の「チャンピオン・サケ」は以下の通り。どこかの店で見かけたら、試しに自分なりの評価を下してみるのも面白いのでは?

●初代 チャンピオン・サケ(2007年)
 純米酒「菊姫 鶴乃里」(石川県・菊姫)

●第2代 チャンピオン・サケ(2008年)
 純米吟醸酒 「出羽桜 一路」(山形県・出羽桜酒造)

●第3代 チャンピオン・サケ(2009年)
 古酒「山吹 1995」(秋田県・金紋秋田酒造)

●第4代 チャンピオン・サケ(2010年)
・純米酒部門/「・吟撰」(福井県・加藤吉平商店)
・純米吟醸酒・純米大吟醸酒部門/「nechi 2008」(新潟県・渡辺酒造店)
・本醸造酒部門/「本洲一 無濾過本醸造」(広島県・梅田酒造場)
・吟醸酒・大吟醸酒部門/「澤姫 大吟醸 真・地酒宣言」(栃木県・井上清吉商店)
・古酒部門/「華鳩 貴醸酒8年貯蔵」(広島県・榎酒造)

→IWCホームページ(英語)