浦和でお酒のおいしい居酒屋といえば、多くの人は和浦グループの店を思い浮かべるのではないだろうか。かくいう自分もそう。ただ、どの店も人気店なだけに、隠れ家的な楽しみは今一つの感もあった。
そんな浦和にも、駅近くに「隠れ家」っぽい日本酒の店がある。「和酒処 さなぶり」という店だ。

場所は、浦和駅の東口からパルコ前の道を右に進み、埼玉りそな銀行の信号を渡って50mほど路地を入った右側。
カギ型のカウンター9席のみという小さな店なので、居酒屋と言うより和酒BARといった趣がある。
さなぶり_外観日本酒好きの年配店主が脱サラして始めた店なので、凝った料理は出てこないが、ツマミはけっこう個性的な品が置いてある。開店は、2010年1月15日。
聞き慣れない店名は、「早苗振る舞い」という農家の行事から取ったそうだ。田植えが終わった後に、皆の労をねぎらうとともに神様へ豊穣を祈って行われる酒宴のことで、漢字だと「早苗饗」と書くらしい。耳馴染みがないため少々覚えにくいが、店主の日本酒への思いが表れた屋号だと思う。

9つの席には、それぞれ敷紙と箸が置かれているのだが、紙の端に「今日のお酒メモ」という欄が設けてある。お酒好きはつい杯を重ねてしまって、美味しかったお酒の名前も忘れてしまうので、メモれるようにという店主のはからいだ。(「そのくらいたっぷり飲んでって」ということかも!?)

日本酒はほとんど日替わりで、常時30種類以上を揃えている。基本は半合サイズで300~600円、一合だとその倍額になる。
訪れた日にあった銘柄は、豊盃、刈穂、まんさくの花、くどき上手、会津中将、日高見、黒兜、天心「皿倉」、花浴陽、亀泉、山本、翠露、豊賀、亀甲花菱、田むら、屋守、大那、澤姫、不動、五人娘、勝駒、黒龍、竹鶴、南、能古見、死神、山丹正宗、久礼、繁桝、満寿泉、ほまれ、喜多の華、賀茂泉、醍醐の雫、博多練り酒
店主は会社員時代から、蔵で酒造りを体験して来るほどの日本酒好きだっただけあり、日本酒にはめっぽう詳しく、銘柄もさすがのラインナップだ。

ビールは、店主お気に入りの「アウグスビール 工場直送 無ろ過 樽生」(750円)のみ。
焼酎はほとんど600円で、芋の「分水乃嶺」「純黒 甕仕込み」「明るい農村 赤芋仕込み」、麦の「閻魔」「中々」、黒糖の「ネリヤカナヤ」、米の「木内の米焼酎」「耶馬美人」(これのみ700円)などがある。

さなぶり_店内肴は、いかり豆、島のり、小なす辛子漬け、黒糖ピーナッツ(以上300円)、鳥取砂丘の塩らっきょ、わかめポン酢(以上350円)、博多なかなか、奥秩父のわさび漬け、焼きたらこ、自家製いかの塩辛、ちりめん山椒(以上400円) 、鮭とば、へしこ、クリームチーズ酒盗のせ、秋鮭の酒粕焼き、塩炒りぎんなん、合鴨スモーク(以上450円)、なめろう(500円)、豚ロースの酒粕漬け、まぐろカマの塩焼き(以上600円) …など飲んべえ好みの肴が多彩に揃えられている
店主1人で切り盛りしている分、本格料理はないが、下手に凝った料理を加えれば待たせるだけという判断もあるだろう。

小さな店だけに常連が多く、初見の一人客だと気後れするかもしれない。最初は2人くらいで訪れた方がリラックスできそう。ちょっと意外だが、女性の常連客も多いらしい。
注意したいのは、不定休という点。ちょうど今も店主が旅に出ていて(たぶん酒蔵)、5日からの営業になるそうだ。

→和酒処 さなぶり