錦糸町と言えば、お燗達人として知られる工藤卓也さんの「井のなか」が有名だが、その目と鼻の先に小さな銘酒居酒屋が登場した。「酒処 蔵」という、ちょっと個性的な店だ。

場所は、錦糸町の北口駅前通り(吉野家の脇)を100mほど直進し、本郷宣教教会の角を左折して60mほど歩いた左側にある。駅からは歩いて4分ほどだ。店名が大書きされた日除け幕が目印になる。
中に入ると、右側のカウンターに6席と、左側の小上がりの座卓に6席あるのみ。

男性店主が1人で切り盛りするこの小箱で、約90種もの日本酒をストックしているというのは驚異的だ。
しかも、グラス1杯60mlが標準で、注文は30mlからお願いすることができる。いろいろなお酒をたくさん知ってほしいという店主の思いが伝わってくるが、管理は大変に違いない。

蔵_外観見逃せないのは「利き酒セット」。ほかの店だと3種類が普通だと思うが、この店は4種類。月曜・火曜には7種類のセットになる。これが、ホットペッパーのクーポンを持参することで、なんと無料でいただけるのだ。
量は30mlずつだが、7銘柄なら優に1合を超える。しかも全てが優良銘柄だから、日本酒好きにはこたえられない。(銘柄はおまかせ)

銘柄は流動的だが、ともかく他店であまり目にしないマイナーな品が多い。しかも、ほとんど純米酒で、無濾過生原酒といった通好みのものばかり。おそらく小規模な蔵が造る美味しい酒を積極的に紹介したいのだろう。こういう主張のはっきりした品揃えは嫌いじゃない。

先週の銘柄を一部挙げると、日の丸・純米(280円)、開運・本醸造にごり生原酒(300円)、風の森(300円)、鉄砲隊「一ツ火」(300円)、大典白菊・純米にごり(340円)、半蔵(340円)、寫樂・純愛仕込み(360円)、花巴「弓紘葉」(380円)、澤の花「夕涼み」(380円)、田光(380円)、舞美人(380円)、羽根屋(400円)、さとこのお酒(420円)、稲花(420円)、本金(420円)、李白(440円)、飛良泉「おり贅(オリゼー)」(440円)、風が吹く(440円)、自然郷「シトラスセント」(460円)、手取川「別誂」(460円)、百楽門(500円)、三連星(520円)、ソガ・ペール・エ・フィス・シュトゥルム・ミヤマニシキ(540円)、東鶴(550円)、醸し人九平次・大吟醸無濾過原酒(680円)…等々。

蔵_店内焼酎の品揃えも、日本酒同様に個性的だ。池の露、界、三岳、鷲尾、もぐら、樵、御幣、川越、心水、百姓百作、農家の嫁、ばらの贈り物、青酎、山翡翠、赤兎馬、寿福絹子、しのざき…などの銘柄が、460~600円程で揃えられている。

料理も日替わりのようで、品数も多くないが、飲兵衛好みの肴が揃えられている。先週は、秋田産いぶりがっこ(300円)、かつおのワタの塩辛(350円)、にしんの切込の麹漬け(350円)、ゴーヤーのおろしポン酢かけ(380円)、手づくり豆腐の唐揚げ(380円)、宮崎県風冷や汁(400円)、飛び魚のなめろう(430円)、ほやの塩辛(500円)、くじらの赤身のヅケ刺し(580円)、水蛸の炙り刺し(650円)、まぐろのカマ炙り焼き(800円)…などが並んでいた。
お通し(350円)は殻付きアーモンドなどの肴3点盛りで、これだけでも1~2杯は飲める

狭い店なので内緒話には向かないし、店主1人なので注文が重なるとどうしてもレスポンスが鈍くなる。そのあたりにさえ目をつぶれれば、量より質を追求したい酒飲みなら、わざわざ足を運ぶだけの価値がある。
お酒の銘柄や種類はもちろん、仕込米、精米歩合、製造年度までがプリントされたレシートも嬉しい。

→ホットペッパー:酒処 蔵