日本酒激戦区の大塚には、日本酒の美味しい店が本当にたくさんあって、紹介したい店が尽きない。
「串駒」「きたやま」「江戸一」といった有名店は、あえて紹介する必要もないだろうが、最近も新しい魅力的な店が増え続けている。
今回は、そんな中から日本酒専門店はなおか」をご紹介したい。
はなおか_外観場所は、大塚駅南口を出て、都電の線路を渡り、吉野家の前からセブンイレブンの横の「大塚三業通り」に入って約150mほど歩いた右側にある。
キレイな和風の店構えは、ちょっとした割烹のようにも見えるが、暖簾のかかった格子戸の右側に置かれた「三重錦」「宝剣」「小左衛門」の菰樽が、居酒屋らしさを表している。
入ると、左側に10席のカウンターと、奥の小上がりに6席の座卓が一つという、小さな造りだ。カウンターの中で迎えてくれるのは、和服にたすき掛け姿の店主・花岡賢さん。

花岡さんは、2010年秋から西荻窪でたこ焼きと静岡おでんが売りという、ユニークな和酒バーを営んでいた。2店目となるこの店をオープンさせたのは、2010年6月27日。西荻窪の方は、信頼できる女性店主に現在まかせている。

この店の特徴は、日本酒をそれぞれの酒質に合わせた温度で保管し、提供温度や味の傾向に合わせたグラスで提供している点だ。4度・8度・15度の冷酒向けとして8種の高級グラスを、お燗向けには4種のお猪口を使い分けている。1杯の量は120mlで、価格は650~900円くらい。訪れた日は、一番高いもので1,400円だった。

お酒の銘柄は、花岡さんが見込んだ蔵の酒だけを扱い、常時約30銘柄を揃えている。蔵は原則として変えないが、もし扱いを増やす場合は、最低でも2シーズンは味を確認してから決めるそうだ。蔵は変わらなくても仕入れる酒は時期によって変えるため、様々な種類が入れ替わり立ち替わり入荷する。
銘柄はホームページで確認できるが、主な銘柄を挙げると、あずまみね、小左衛門、宝剣、白岳仙、賀茂金秀、天宝一、美和桜、大那、忠臣蔵、鶴齢、阿部勘、豊香、鳳凰美田、陸奥八仙…など、目利きの確かさをうかがわせるセレクトだ。古酒も3種類ほど揃えてある。

日本酒以外であるのは、ヱビス生ビール(中650円・小450円)と、ウーロン茶(400円)くらい。ほかに焼酎・果実酒もあるらしいが、メニューには書かれていない。スタンスはあくまで日本酒専門店だ。

はなおか_店内料理は800円前後を中心に、日替わりの肴が30品ほど。
名物は、露地栽培農家である三鷹の秦野農園から直接仕入れる朝採り野菜だ。野菜盛り合わせ(750円)は、まな板状の皿に並べた6種類ほどの生野菜を、塩やタレでいただく。よくある野菜スティックと同様だが、新鮮な野菜の美味しさをダイレクトに味わえる。
締めの一品で人気なのが、塩むすび(250円)。これも、美味しいお米でなければ成立しないメニューだ。

これらで分かる通り、料理は素材が本来持っている美味しさを引き出すシンプルな薄味系。魚料理や肉料理もあるが、それらも基本は変わらない。
運が良ければ、放し烏骨鶏の卵ご飯(600円)などもいただけるかもしれない。(不定期入荷)

コース料理は、2,500円(先付け2、野菜盛り、焼物、珍味)と、3,700円(先付け2品、野菜盛り、刺身、焼物、珍味、塩むすび、味噌汁)の2コースを用意している。

花岡さんは、一見して、とても真面目そうな職人気質。自分のような話好きには、もう少しフランクな方が嬉しいが、決してとっつきにくいわけではない。
店だけでなく、「酒は未来を救う会」の実行委員長も務めており、毎年チャリティ和酒試飲会なども開いているそうだ。第3回となる今年は、今月26日(日)午後なので、興味のある方は会のサイトをご参照あれ。

→日本酒はなおか