東北地方太平洋沖地震での酒蔵の被災状況が明らかになって来たので、改めてここでご報告したい。

全国卸売酒販組合が24日までに確認できた限りでは、被災した蔵は東京以北に119社あるとのこと。
以下、各県の概況をざっとお伝えする。
●岩手県
全26社のうち、津波により蔵全体が流され全壊したところが3社、タンク倒壊、レンガ煙突が崩れ屋根破損、清酒、もろみの流出など17社から被害報告。
海側の蔵元の被害は甚大。社員、蔵人などの中には行方不明者もいる。

●宮城県
全28社のうち26社が被災。未だ連絡が取れない蔵が1社。
海側の蔵元の被害が甚大で、事務所全壊1社、小売部全壊2社、製造蔵損壊・酒全滅の報告数社。
その他、今後の診断などで建物の取り壊しが見込まれる蔵2社、蔵の壁の損傷が大きいところが複数、製造設備の被害も甚大。一部社員の家族に被害があったもよう。

●福島県
全73社のうち、蔵全壊2社、建物にひび、もろみの流出、製品の一部破損など28社から被害報告。
また、福島第一原子力発電所の避難対象となっているのが4社。これは、浪江町にある「磐城壽」の(株)鈴木酒造店、「楽實」の馬場酒造本店、「磐城 天王山」の上田本家、双葉町にある「白富士」の冨沢酒造店と思われる。

●茨城県
報告のあった53社ほぼ全てで被害があった。
蔵全壊(倒壊の危険含む)が2社、屋根、建物への被害、煙突の倒壊のおそれ、タンクからの酒流出、商品の多数破損など被害は大きい。県南の被害は比較的軽微。人的被害はなかった。

●栃木県
びん詰関連機器のずれ、外壁損傷、煙突にひび、一部商品破損、タンク転倒によるもろみ、酒の流出など25社が被害。

●千葉県
屋根、壁の一部が剥離、タンクの酒のこぼれや商品の一部破損など19社が被害。

●新潟県
配管損傷および漏水による漏電、開放タンクからの酒流出など8社が被害。

●埼玉県
煙突破損、開放タンクのこぼれ、商品の一部破損など9社が被害。

●長野県
外側土壁に大きなひびが発生したところが1社。

ほかに、青森3社、秋田27社、山形24社、群馬14社から被害の報告があるが、これらはいずれも軽微とのこと。
なお、この情報はあくまでも報告があった数であり、連絡がつかない蔵もあるほか、停電、断水、電話不通などの被害や、計画停電の影響を受けている蔵は更に多数あるものと考えられている。

数字にすると、単なるデータとして流してしまいがちだが、1つ1つが人生を揺るがす悲惨な現実を伴っていることを噛みしめたい。
しばらくは、東北の地酒びいきにならざるを得ないだろうな~。