現在、東日本は危機的な状況だが、首都圏の居酒屋も例外ではない。
震災を免れた店でも、市場は品薄だし、計画停電に節電、極めつけは消費者の一斉自粛…。
何とか店を開けても、宴会は軒並みキャンセルされ、フリーのお客もほとんど入らない
休業に追い込まれる店も多く、営業している店は祈るような気持ちで客を待っているのが現状なのだ。

多くの居酒屋にお世話になった者として、こんな時こそ飲みに行かなくては義理が立たない。しかも、それが被災者の支援につながるなら、言い訳も立とうというものだ。
ということで、今回は震災チャリティー営業を行っている2店をご紹介する。
やまちゃん1店は、予約が取れないことで有名な銘酒居酒屋、四谷・荒木町の「やまちゃん」。
場所は、地下鉄丸ノ内線「四谷三丁目」駅から4番出口を出て、新宿通りを四谷方面に直進。みずほ銀行の角を左折して、70mほど路地を入った右角にある。
大きな暖簾をくぐって右の引戸を開けると、左側のカギ型のカウンターに8席、右側の小上りに4人用座卓が2卓あるだけという小さな店だ。

店主の「やまちゃん」こと山上博三さんは、奥湯河原、箱根、銀座などで料理人の修業を積み、さらに魚の勉強をするため築地で働きながら、2009年2月にたった1人でこの店をオープンした。
料理はおまかせコースのみで、その日築地で仕入れた魚を中心に、刺身・焼物・煮物など9品ほどが順次出される。これに、プレミアムモルツと全国の銘酒約25種類の飲み放題(時間無制限!)がもれなく付いて、1人5,800円ポッキリ

築地仕込みの魚の目利きと、通もうなる日本酒の品揃えで、人気はたちまち沸騰。予約が1年先まで埋まってしまい、ついに予約の受付をしばらく中止する事態を招いていた。
だが、この震災によって通常営業を断念。当分は日本酒だけを提供する立ち飲み営業に変更し、予約も不要となった。日本酒はすべて1杯(約100ml)400円の均一価格で、その内50円が被災地への寄付金に充てられる。評判の高い「やまちゃん」の料理を味わえないのは残念だが、料理を出さない分、つまみの持ち込みは自由だ。

お酒はこれまで同様、四谷「鈴傳」や赤坂「鈴木三河屋」から仕入れる珠玉の銘酒ばかり。
末尾に記載した店のホームページから、「仕入帳ブログ」をクリックすると、最新の入荷銘柄などを確認できる。これだけの素晴らしい日本酒が400円で飲める機会は、滅多にないはずだ。

名酒センターもう1店は、震災の3日後にオープンした名酒センター新橋店」。浜松町にある日本酒のアンテナショップ「名酒センター」の2号店で、JR新橋駅汐留口の正面にある新橋駅前ビル1号館の1階だ。

この店は、昼間はカフェ「Kitchen Bar en」として営業しているカウンターのみの店だが、夜は折り畳み椅子を撤去して、立ち飲みの日本酒バーに変貌する。
日本酒は、全国各地50蔵の250種から、日替わりで7種程を提供している。価格は1杯90mlで300円。
今日あったのは、「佐伯俊男の風雲剣鬼伝シリーズ」から丹下右近・純米吟醸、新陰十兵衛・純米吟醸、巌流小次郎・特別純米の3本と、嘉泉・田むら・純米吟醸、黒牛・純米吟醸、南方・純米吟醸、瀧澤・特別純米、越乃寒梅・本醸造…など。
つまみも同じく300円均一で、ゆで卵の酒浸し、ぬか漬け、酢の物、野菜の炒め物、くんせい(サーモン、カキ、タラコ、他)、マグロのハム等がある。今日は大根の甘辛煮が品切れだったようだ。

今回の震災を受けて、椅子も利用できるよう変更し、座る場合は「椅子料」300円をいただいて被災地へ寄付することになった。カウンター8席、壁カウンター8席の最大16席がある。

両店とも現在の営業形態は一時的なものだが、終了時期は今のところ未定。(「やまちゃん」は立ち飲み営業を26日で終了しました。)
この2店だけでなく、今は何とかこの難局を乗り切ろうと、多くの店が様々な努力をしている。飲みに行ける人は、頑張って店を開けている居酒屋へ、ぜひとも足を運んであげてほしい!

→居酒屋やまちゃん
→Kitchen Bar en