最近、お燗を推奨する店が増えて来たような気がする。しかも、なぜか女性店主の店が目につくのだ。

お燗の達人として有名な錦糸町「井のなか」や、前々回ご紹介した東大宮「がしみ屋」は男性店主だが、越中島の「酒亭 初乃」、新宿の「松の屋」、阿佐ヶ谷の「燗酒屋」…など、いずれも女性店主が燗酒に並々ならぬ情熱を注ぐ店だ。
そして銀座にもまた1つ、そんな店が生まれた。有楽町駅からも近い「佳肴 みを木」だ。
みを木_外観店の場所は、プランタン銀座の隣にある「マロニエゲート」の裏の道を入って左側、ヤマト運輸の地下にある。

入ると、所々に花が飾られた小料理屋風のキレイな和風インテリア。フロアにテーブルが8卓ほどと、突き当たりのカウンターに8席ほどがある。壁に飾られたお品書きは、よく見るといずれも麹蓋が額縁のようにあしらわれていた。(麹蓋とは、酒蔵で主に高級酒を仕込むときに使われる、麹を盛る杉箱。)日本酒への思いが、分かる人にだけ分かるという、なかなか粋な演出だ。

女将の渡邊愛さんは、東京芸大卒の元広告クリエイターという変わり種。燗酒好きの総本山とも言える銘酒居酒屋「神田新八」本店へ2005年に入店し、新丸の内ビル店が2007年4月27日に開業すると、同店の女将を務めた。その後、独立して2010年12月9日にこの店をオープン。調理長として新八にいた長田治郎さんが加わり、上質な居酒屋として早くも注目を集めつつある。
スタッフは、ほかにフロアを担当する菅原麻衣子さん、市村裕美さんの計4人。

「新八」出身だけに、メインは純米酒のお燗。当然、「神亀」は7種類ほどが飲めるが(1合780円~2,200円)詳細は割愛して、そのほかの銘柄を紹介しよう。愛さん手書きのメニューには、地酒の銘柄がオススメの提供温度別に書かれている。銘柄はしばしば入れ替わるため、以下は一例と思ってほしい。

冷やでのオススメが、妙の花・無濾過生原酒あらばしり(1,050円)、月の井「和の月」有機米純米(1,000円)、丹沢山「隆」無濾過生滓原酒(1,150円)、亀泉・斗瓶取り大吟醸17BY(1,680円)。

常温でオススメなのが、千代むすび・完熟純米(950円)、綿屋「幸之助院殿」特別純米(900円)、冨玲(ふれい)ひやおろし特別純米(1,050円)。

冷や~ぬる燗まで楽しめるのが、ヤマサン正宗・純米吟醸(980円)、喜多の華「星自慢」特別純米無濾過原酒(780円)、千代むすび・純米吟醸 強力(950円)、羽前白梅・ひやおろし特別純米(1,050円)、〆張鶴「純」純米吟醸(1,200円)、李白・純米吟醸(900円)、竹泉・ひやおろし純米吟醸(1,050円)、天青「曙光」純米吟醸原酒(880円)。

ぬる燗~熱燗がオススメなのが、悦凱陣「誉」純米吟醸(1,050円)、鯉川「亀治好日」純米吟醸(900円)、天遊琳・特別純米瓶囲い(860円)、竹鶴・純米(680円)、旭菊「綾花」純米瓶囲い(850円)、同「大地」純米(820円)、蓬莱・特別純米(780円)、諏訪泉・特別純米(820円)、伯楽星・特別純米(800円)、喜久醉・特別純米(850円)、日置桜・鍛造生もと強力(880円)、同「常愛」純米吟醸(1,050円)。

「初乃」とラインナップが似ているのは、女将同士が同じ「新八」出身だからだろう。徳利や杯も、様々なデザインのものが揃えられており、注文ごとに異なるセットで供されるのが楽しい。

みを木_店内料理は、まず「本日の酒肴盛り合わせ」(小盛り1,200円、2~3人前2,280円)がおすすめ。数品の肴が少しずつ盛られて出されるのだが、見た目もキレイで食欲を刺激してくれる。
メニューはWEBでも紹介されているが、旬の素材が中心のため、表の黒板や手書きメニューで確認するのが確実。先週は、牡蠣の山椒醤油焼き(2個650円)、ゲンゲ干し(680円)、南部地鶏の唐揚げ(780円)、まぐろ鉄火巻(1本880円)、真鯛かぶと焼き(1,300円)、みゆき豚の葱味噌焼き(1,680円)…などがあった。

居酒屋としては値段が高めに感じるかもしれないが、立地・店の雰囲気・味・量(ボリュームのある品が多いがハーフも可)の総合点で考えれば、きっと納得できるはず。お通し(500円)を含めて、平均的な客単価を6,500円くらいで想定しているようだ。

小料理屋っぽい雰囲気を持ちながら、そこそこの値段でおいしいお酒と料理を楽しめるとあって、店は盛況
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→佳肴 みを木