※「旬風うらら」は2011年8月12日に閉店し、同年10月1日に栃木県足利市の「叢林」内に新生オープンした。

なぜこの店が、TVや雑誌で紹介されないのか不思議だ。連日ほぼ満席という状況なので、もしかすると取材を断っているのかもしれない。そう思わせるのは、新橋の少しはずれにある、創作和食の「旬風URARA」だ。
場所は、新橋駅の烏森口を出て、ニュー新橋ビルに沿って烏森通りを直進し、ケンタッキーの角を左折。そのまま柳通りを約300mほど歩くと、右側にある。駅からは、歩いて6 ~7分ほどだ。

旬風うらら間口はさほど広くなく、入口左手にある大きな木の看板が目印になる。ドアを開けると、左側は個室風のテーブルと小上がりが奥に向かって4卓ほど並んでおり、一番奥が4席のカウンターになっている。全22席と、さほど広くない。

料理は、フレンチの要素も取り入れた和食コースのみ(5,775円)。 年末など、時期によって値段が500円ほど高くなる場合もある。
コースは、ミニスープ、 前菜4~5点盛り、炊き合わせ、お造り彩々、小鍋仕立て、サラダ 、お肉料理 、お茶漬け、デザートという全9品で、ボリュームとしてもまず満足できるだろう。

ご主人の正田さんは、和食にとらわれず幅広い料理から素材や調理法を取り入れており、そのセンスはなかなかのもの。たらの白子、とらふぐの刺身、ウニ、あわび、ズワイガニ、フォアグラ、松茸、大間の鮪…といった高級素材の出現率も高く、コストパフォーマンスの高さが最大の魅力になっている。

店名通り、旬の素材が使われるため、内容は季節によって変わるが、お肉料理はカツサンド、お茶漬けはじゃこ入り梅茶漬けが定番。京風の味付けではないので本格懐石ではないが、創作料理としてはレベルが高く、酒を楽しむにはもってこいの味だ。
店の大きな魅力がお酒で、ビール、日本酒、焼酎にワインまで、美味しい銘柄をよく選んでいる。

日本酒は約 20種あり、いずれも冷酒での提供。量は1杯1合にやや欠けるくらいだ。
純米が、春鹿、立山、桃の滴(各840円)、特別純米が清泉(945円)、純米吟醸がくどき上手、〆張鶴(各1,050円)、特撰吟醸が黒龍(1,050円)、呉春(1,155円)、純米大吟醸が獺祭(1,260円)、京ひな・五億年(1,365円)、大吟醸が北雪・YK35(1,685円)。
久保田は千寿(840円)、紅寿(1,050円)、碧寿(1,365円)、萬寿(1,575円)の4種類が揃っており、紅寿と碧寿は4合瓶で注文することもできる。(それぞれ3,990円、5,250円。)

焼酎も、麦が天の刻印(735円)、龍。(840円)、銀の水 Black(840円)、iichikoフラスコボトル(1,050円)。米が播龍(840円)、十四代・鬼兜(1,575円)。芋が松露 うすにごり(735円)、富乃宝山(735円)、夢鏡(840円)といった、グレードの高い品揃え。尋ねれば、「百年の孤独」や「森伊蔵」が出て来ることもある。

ワインはフランス産を中心に赤、白それぞれ 7~10種ずつ。グラスワインが840円から、グラスシャンパンは945円からある。
ボトルは4千円~7千円台くらいのものが、赤白バランス良くメニューに並んでいる。こちらもメニューにないストックがあり、ワインバーでも滅多に見られないような逸品が隠れていたりするようだ。

繊細な料理に似合わず、正田さんは人懐っこい兄ちゃんといった感じ。初めての客にもどんどん話しかけてくるので、すぐに馴染める一方、そういうのが苦手な人だと逆に引いてしまうかもしれない。
これで一品料理があれば、上質な居酒屋としても使えるのだが…コースに絞ったからこそ、この値段が実現できるのだろう。満席の日が多いので、予約は必須と思った方がいい。

→旬風URARA