ビールは、注ぎ方によって味が変わる。
だったら、日本一注ぐのがうまい人の店で飲むのが一番おいしいのでは?
そう思って行って来ました、新橋の「ビアライゼ'98」へ。

かつて、ビール通の間で伝説のビアホールと言われた、「灘コロンビア」という店が八重洲にあった。そこには、日本一のビール注ぎ名人・新井徳司さんがおり、「ビールの泡にマッチ棒が何本も立つ」という絶品ビールを出していた。夜ごとビール通が押しかける繁盛店だったが、新井さんは1993年に他界。
店で名人に師事すること17年、直伝の技を引き継いだ唯一の弟子が、「ビアライゼ'98」の松尾光平さんだ。

店は新橋駅・烏森口から西口通りを5分ほど歩いたはずれの方にある。(※2008年7月に移転。現在は、SL広場前にある「ヤマダ電機」左側の路地を入って100mちょっと歩いた右側にある。

にわか雨がパラつく平日の火曜日、午後7時半頃の入店だったが、店は満席。カウンターもテーブル席も、文字通り1脚の椅子も空いていない盛況ぶりだった。
入口のすぐ内側に小さなテーブルが置いてあるので、飲みながら待つこともできるのだが、ここはしばらくガマン。少し待ってカウンター席が空いたところで、「アサヒ樽生」(580円)を注文した。

ビールはあまり飲まないので(特にアサヒは)、的を得たコメントかどうか自信がないのだが・・・飲みやすい。ビックリするほど旨いという印象ではないが、ビールの苦味が全然気にならず、まろやかな風味で、スイスイと飲める感じ。泡も細かくてクリーミーだ。
続いて、バスペールエールやスタウトも飲んだ。味わいは異なるものの、いずれも同様の印象を持った。

「ビアライゼ'98」では、全てのビールを松尾さんが一人で注ぐ。「灘コロンビア」から引き継いだ、全国でも珍しい昭和24年型の旧式サーバーを使い、かち割り氷で冷やしている。
基本的には全てタンブラーでの提供だが、頼めばジョッキでも(超特大ジョッキでも)提供してくれる。
日本酒(白鷹)やワインもあるのだが、ここではビール以外飲む気にならなかった。

おつまみも、ビアホールとはしては驚くほど豊富。
名物はメンチカツで、パリッとした衣から肉汁が溢れ出すジューシーな一品。ポテトサラダやコロッケの美味さも有名だ。
心憎いほどビールがうまくなる料理が揃っているが、マグロの刺身、〆鯵、チャーハンなど、意外な料理もあり、懐の広さを見せてくれる。頼んだ料理はすべて美味しく、十分満足できた。

店はさほど広くはないし、格好をつけた店ではないが、廃材を使った温かみのある作りで、居心地は悪くない。カウンターや奥のテーブル3つはラフな組み木のため、卓上がデコボコしている。テーブルは4人用が7卓、6~7人用が1卓ある。
女性客もけっこう多く、カウンターで一人で飲んでいる人もいた。

水・木・金の週3日に限り、ランチもやっている。魚料理からメンチカツまで、15種類ほどあって750~950円くらい。おかずのボリュームは軽いのだが、大皿に盛られた6~7種類のお惣菜と、ご飯、味噌汁、お茶(冷/温)がおかわりし放題。(セルフサービス)ただし、昼はビールは飲めない。

閉店時間10時と少々早めなのが残念だが、ビール好きな人ならぜひ連れて来たい店だ。

→Yahoo!グルメ/BIER RISE'98
http://gourmet.yahoo.co.jp/0000660970/P913031/