※「烏森醸造」は、現在看板がなくなっているため、閉店した可能性があります。

「隠れ家」と言われる店は珍しくないが、この店ほど本気で隠れている店は珍しい。
思わず、アメリカ禁酒法時代の「秘密酒場」を連想してしまった。それが「烏森醸造」だ。
具体的な場所など書いたら怒られそうなので、あえて書かないでおく。
店名から大体の場所は推測できると思うので、訪れたい方は記事をヒントに探してみてほしい。

店の入口は、ビルとビルとの隙間、人ひとりがやっと通れる程度の狭い空間にある。目印は、路地の入口に描かれたカラスの足跡
暗い路地に木製の戸があるだけなので、この店を探していた自分ですら、1度は気付かずに通り過ぎた。最近、ようやく看板を掲げたが、かつてはこれも無かったのだ。

営業時間がまた当てにならない。一応は平日午後6時~11時ということになっているが、「客が来ないと8時くらいで閉めちゃうんだ」とか・・・。自分も、やっと入れたのは訪問4回目。常連は必ず電話してから店に行くらしい。

店内は、奥の厨房を入れてもわずか3坪ほど。フロアには、ナラの無垢板の細長いテーブルが1卓だけしかない。テーブルの両側に4人ずつ8人、押し込んでも10人が限度だろう。
厨房も、冷蔵庫のドアが開ききれないし、刺身包丁は引ききれないという話だ。
だが、照明もそれほど暗くないし、壁も白い漆喰なので、雰囲気は明るい。何より、店主・山さん(とても見えないが、古希間近)のべらんめぇ調が、そのまま店の個性となっている。

店では、基本的に酒も料理も山さんにおまかせ。まず、ビールか日本酒かを伝え、日本酒なら好みを伝える。あとは客のペースに合わせて、美味しいお酒が次々と注がれる。日本酒はその日によってまちまちだが、繁枡、盾野川、墨廼江、明鏡止水・・・など、かなり吟味された品揃えだ。
料理も同様で、3品くらいまでトントンと出て来て、後は客の箸の進み具合を見て追加していく感じ。いずれも美味しい和食で、日本酒によく合う。鰤の照焼きなどは厚みがあって、ボリューム的にもたっぷりだった。

おなか一杯食べ、記憶が飛ぶほど飲んでも、勘定は6,500円~8,000円くらい(人にもよるので保証はしないが)。
お任せで飲んで食べることに抵抗ない人なら、最高の隠れ家になりそうだ。

※その後、なんと深夜11時からはワインバーに変身するようになった! 

営業時間/18:00~23:00
 定休日/土曜は予約のみ、日祝休