著名ヴァイオリニストと言うと、普通は誰を思い浮かべるだろうか。
日本人のヴァイオリニストは多いので、外国人ヴァイオリニストの名前が出てくることは少ない気がする。
だが、100万人に1人の天才と評され、クラシックのアルバムとして史上最高の売上げ記録を持つ“超個性派”ヴァイオリニストの名前を、知っておいて損はない。
それが、ナイジェル・ケネディだ。

1956年12月28日、英国サセックス州ブライトン生まれ。
年齢的には、セックス・ピストルズのメンバーらと同年代になる。
それが無関係ではないのかもしれないが、デビュー以来30年、その型破りな演奏スタイルによって「パンク・パガニーニ」とも呼ばれた。

普通、ヴァイオリニストのステージ衣装は燕尾服が常識だが、彼は平服や古着、パンク・ファッションでステージに立つ。
演奏スタイルも自由奔放。ジャズ・セッションのように他のミュージシャンと競い合ったり、ヴァイオリンを垂直に立てて演奏してみせたり、ステージを下りて客席を歩き回りながら演奏したり。
アンコールでは、ジミ・ヘンドリックスの曲も飛び出す。
曲の合間の喋りも、ジョークたっぷりでユニーク。
実に自由で楽しそうな「ギグ」なのだ。(彼は自分のライブ演奏を「ギグ」と呼ぶ。)
そんな自由奔放な演奏を、幅広い音楽性と、深い解釈、圧倒的なテクニックが支えている。

彼の代表作と言えば、1989年にレコーディングしたヴィヴァルディの『四季』だ。このアルバムは、発売と同時に英国クラシック・チャートで1位を獲得し、その後半年間にわたって上位にランクインし続けた。
それどころか、ポップ・チャートでも6位を記録し、クラシックの枠を超えた彼の人気を知らしめたのだ。
『四季』は200万枚以上を売り上げ、クラシック作品の史上最高セールス記録としてギネスブックにも掲載された。

彼はポップスやジャズのミュージシャンとも積極的に共演し、ケイト・ブッシュ、ポール・マッカートニーのアルバムにも参加している。
昨年は、ジャズ・アルバム『ブルーノート・セッションズ』を発表し、ロン・カーター、ジャック・デジョネットらとも共演している。(彼が作曲した曲も含まれている。)
最近はジプシー音楽にも傾倒しているようだ。

50歳にして「円熟味」を増すどころか、ますます新たなスタイルにチャレンジし続けているナイジェル・ケネディ。
ロックより過激で、ジャズより自由なヴァイオリニストに、乾杯!

■Nigel Kennedy公式HP
http://www.nigelkennedy.com/

■Listen Japan(ナイジェル・ケネディのDLページ)
http://listen.jp/store/artist_68362.htm