2003年12月16日火曜日。その日は、新宿ゴールデン街にあるJAZZバー「ボルチモア」で飲んでいた。
ここも非常に小さな店だが、けっこう好みのCDが揃っている。

3~4杯飲んだあたりで、耳慣れたピアノのメロディが流れてきた。
「おっ、『ラウンド・ミッドナイト』か。いいねぇ・・・誰の演奏?」
「セロニアス・モンク」
「えっ?嘘
「ホントだよ。」
差し出されたCDは、「The Essential Thelonious Monk」。
セロニアス・モンクがソニーミュージックと契約していた1962~1968年のベスト盤だ。

自分が信じられなかったのは、その音があまりにキレイだったからだ。
これまで聴いていたモンクの演奏と言えば雑音混じりのモノラルの音というのが当然で、またそれが独特の味わいにもなっていた。
ところが流れてきたのは、まるで先月録音したかのような、クリアなステレオ・サウンドだったのだ。
聞けば、最新のデジタル技術を駆使して、40年前の音源を限りなくリアルに再現したCDとのことだった。
「ラウンド・ミッドナイト」や「ブルー・モンク」、「ストレート・ノー・チェイサー」が、まるで目の前で演奏されているかのような立体的なサウンドで聴けるのは、感動的としか言いようがない。

「知らなかった!・・・こんなCDいつ出たの?」
「まだ出てない。発売日は明日
これだからこの店は侮れない。
翌朝、さっそくCDショップに駆け込んだのは言うまでもない。

お酒のBGMとしては、あまりに似合いすぎるほどの1枚だ。
思わず「ストレート・ノー・チェイサー」などと注文してしまい、酔いはますます加速する・・・。

●The Essential Thelonious Monk
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