銀座1丁目から2~3分も歩けば京橋だが、特に用事でも無い限り、なかなか足を延ばすエリアではない。
だが、この店があるだけで、足を延ばす理由としては十分だ。東京メトロ・銀座線の京橋駅(6番出口)から徒歩1分の場所にある、銘酒居酒屋「酒龍馬」だ。

オープンしたのは、一昨年(2005年)の夏。
場所は、中央通りの「みずほ銀行」と「明治屋」の間の道を、昭和通り方面に向かって進み、50mほどの左側にある。
間口の狭い店だが、「十四代」の提灯が目印だ。

店内は、手前に4人掛けのテーブルが1卓あり、あとは奥まで14人程が座れるカウンターが続いている。
カウンターの中には、グレーのメッシュヘアーがお似合いのママと、小柄でキュートな女性の2人。

こちらのママが、青森や高知の酒蔵を毎年訪ね、全て直取引で約40蔵の銘酒を揃えている。
メニューにはそれらがズラリと掲載されているが、ともかくトップに書かれた「十四代」のラインナップが目を引く。本丸、八反錦、八反錦織りがらみ、出羽燦燦、山田錦(純米吟醸/大吟醸)、雄町、美山錦、愛山(純米吟醸/純米大吟醸)、龍の落し子、吟撰、双虹、龍月と、ほとんどの「十四代」が揃う稀有な店だ。

ほかにも、臥龍梅、田酒、くどき上手、飛露喜、黒龍、南、亀泉、雁木、鶴齢…といった銘柄が並んでおり、そのこだわりのセレクトには感嘆する。
一番高い「双虹」と「龍月」こそ2,500円だが、概ね800円くらいからの妥当な価格で提供されている。
お酒を頼むと、ミネラルウォーターのペットボトルをつけてくれるのがありがたい。

ママは生酒に力を入れており、一般には生酒を販売していない蔵にもお願いして、火入れ前のお酒を仕入れさせてもらっているそうだ。
タイミングにもよるが、メニューに載っていない希少酒が臨時に入荷することもしばしば。
ちなみに、ママのお薦め銘柄は、青森の「豊盃」と「陸奥八仙」とのことだ。

なお、焼酎も10種類以上あり、こちらにも「十四代」の米焼酎や蘭引き、「魔王」「伊佐美」「森伊蔵」の3大芋焼酎に、「百年の孤独」、果ては八木酒造の八千代伝「熟柿」「黄色い椿」といった希少酒が置いてある(売切御免!)。
この品揃えにして、ママはなんと一滴もお酒が飲めないと言うから、にわかには信じられない。

料理の方は、最初に大皿でお通しが出される。刺身、冷奴、塩辛、胡麻豆腐、プチトマト等、9種の料理が少しずつ盛られており、これだけでもつまみとして結構もってしまう。
ほかにも、「鰹のたたき」「豆腐の味噌漬け」「栃尾の油揚」「久礼天」「へぎそば」「ほや塩辛」「岩のり」「つくね団子」…など、手の込んだ料理ではないが、いかにも酒に合いそうな肴が揃っている。
800円~1,000円前後の価格が多いが、どれもボリュームがあるので、高い気はしない。1人ではちょっとつらいが、何人かで取り分けると楽しめそうだ。

昼はランチも営業していて、煮込みハンバーグ、男爵コロッケ、メンチカツ、鯖の塩焼き、鯖の味噌煮といったメニューを、全て850円で提供している。いずれも、3種の小鉢、ご飯、味噌汁、漬物が付いていて、こちらもお得だ。

ちなみに、三鷹に「かぶら家」という姉妹店があり、そちらも同様の品揃えを誇っている。

酒龍馬