「人に教えないで!」という声が多い店なのだが…皆さんの良心を信じてご紹介してしまおう。新橋最強のランチと評される、蕎麦懐石の「ひろ作」だ。

場所は、新橋駅の烏森口から、ニュー新橋ビルに沿って虎ノ門方向へ200mほど進み、マクドナルドの先にある和菓子屋「文銭堂」の路地を左折し、最初の角にある。

格子戸を開けると、すぐ左手に4人掛けのテーブルが1卓、正面のカウンターに4席。合計8人で満席という小さな店なので、2人程度での来店が望ましい。昼休みの時間帯に入れることは稀だ。(2階もあるという噂があるが、未確認)

年配のご夫婦お二人だけでやっているらしく、店もごく普通の和食屋に見えるため(壁際にはTVが置いてある)、夜は最低17,000円~と知ると驚いてしまう。
夜はとても来られないが、(かなりの食通でも驚くような、幻のメニューがあるとか…。)ランチは1,500円と手頃。おまけに内容は、採算度外視の高コスト・パフォーマンスなのだ。

この店はおまかせコースのみなのでメニューはない。座れば、まずお手拭き・お箸・お茶が置かれ、自動的にコースが始まる。
ランチは、突き出し、お造り、天ぷら、蕎麦、甘味という構成(天ぷらは別の料理になる場合あり)。内容は日によって替わるが、7日のメニューをご紹介する。

突き出しは、白身魚の素麺仕立て。卵黄と小海老が入っており、あっさりした淡白な味。柚子の香りが引き立っていた。
お造りはカマス。軽く炙られた皮目が香ばしい。上に松葉も散らしてあって、風味豊かだ。
天ぷらは、鱧とトウモロコシと空豆。揚げたての熱々が出される。いずれもちょっとずつだが、トウモロコシの凝縮された甘さには感激した。
次に、ウニをのせた蒸飯。これは、お茶を飲む茶碗でちょっとだけ出される。

メインのざる蕎麦は、1人前ずつ和紙にくるまれた自家製粉の蕎麦を茹で上げる。蕎麦はかなり細く、半透明にツヤツヤと光っていてキレイだ。味もおいしいが、昔気質の「ちょいとたぐる」量なので、男性は物足りないはず。600円を追加すれば、ざる2枚にできるので、最初にお願いしておく手もある。

蕎麦つゆは、つゆ茶碗と片口の2つで出され、片口の方は足りない場合の追加用。蕎麦湯は専用に作られたものらしく、お粥のようにとろっと白濁している。この蕎麦湯がもっと飲みたくて、蕎麦つゆも全部使ってしまう。
最後の甘味は白玉小豆だった。

この蕎麦懐石コースが1,500円(最近まで1,200円だった)はお値打ち。1度体験した人は、必ずファンになってしまうらしい。
欠点は、食べ始めると昼酒が欲しくなってしまうこと。(事実、ほとんどの客が飲んでいる。)

ただ、酒の選択肢は少ない。ビールはスーパードライ、冷酒は「浦霞」の禅(純米吟醸)としずく(大吟醸)、燗酒は「新政」、焼酎は「吉四六」といったところ。
たまに、焼酎で「佐藤」の黒や「伊佐美」が入ったりするが、お酒には残念ながらあまり力を入れていない。

お昼でも、予約すれば6千円くらいからコース料理を出してもらえるので、気に入ったらそちらにトライしてみても良さそうだ。

livedoor東京グルメ/ひろ作