贅沢な店はいくらでもあるが、和風好きにはこの上なく贅沢な店が、さいたまにある。
会席料理の「二木屋」だ。

場所は、北浦和駅西口から埼大通りを直進し、ロイヤルホストの信号を左折して約200m。
左側に現れる由緒ありげなお屋敷が「二木屋」だ。

店は、第3次鳩山内閣で厚生大臣を務めた、故・小林英三氏の旧宅を改装したもの。かつて高松宮様も訪れたという屋敷で、2002年10月には国登録有形文化財に指定されている。
造りは和洋折衷で、洋室と和室、小さな個室もある。

手入れの行き届いた日本庭園は、日が暮れるとかがり火が焚かれる。
庭は自由に歩けるので、余裕があればちょっと散歩してみるといい。人魚の彫像がしつらえられた池や、百年を優に越えたザクロの古木、屋内外にさり気なく配置された著名な芸術家の作品など、料理以外でも楽しめる。

肝心の料理は、鹿児島牛の最高峰のざき牛の素焼きステーキをメインとした会席料理。「素焼き」というのは、塩も胡椒も油も使わずに焼く方法で、それをワサビ醤油でいただくのが二木屋流だ。

ディナーは、6,300円、8,400円、10,500円、13,650円の4コースがあり、単品のみの注文はない。
ランチは、4,000円、5,000円、6,000円の3コースと、ぐっと手頃なため人気がある。

肉は通常80gで(頼めば60~80g追加してもらえる。+\2,800~)、一口大にカットされている。量は軽いが、10品前後あるコースの一部なので、ボリュームに不満は感じない。味付けがシンプルな分、肉本来の美味しさが楽しめる。ただ、ソースを使ったステーキに慣れている人には、少し物足りなく感じるかもしれない。

追加注文限定メニューとして「牛叩き」と「牛切落しビーフシチュー」があり、これがまた大変美味しいビーフシチューは、仏料理店などとは異なり、柔らかく煮込まれた肉がスープと一体化している。

お酒は、日本酒が久保田、八海山、十四代、桜正宗で、900円~1,300円。量は200mlと、1合以上あるので、まあ適正価格だろう。地酒3種の利き酒セットも、安く楽しめる。

ビール、焼酎、ウィスキーもあるが、一番充実しているのは、ワイン。赤・白それぞれ8種類が、ボトルで2千円台から揃えられている。(ほかにロゼとシャンパンもある。)1つだけシャトー・ラトゥール(70,000円)もあったが、普通は食事のコース料金と同額くらいで納まるはずだ。

更にこの店が凄いのは、年に数回催されるイベント。「アンリ菅野ディナーショー」「峰村好美佐の新内小唄の夕べ」「エピソードのあるワイン5種と会席料理」…等、いずれも半端ではないイベントを開催してきている。

開店2周年の秋からは、庭に能舞台を特設して、なんと日本最古の金春流の能と狂言を楽しむ「日本で一番小さな薪能」(60名限定)を開催。

よくあるドリンク1杯付きのライブショーが、子供のお遊びに思えてしまう店である。

会席料理 二木屋