JAZZピアノという分野は、若手の台頭が難しい印象があったが、一昨年YUMAが若干16歳で鮮烈なデビューを果たし、そんなイメージをぶち壊してくれた。

YUMAは、父親が中国人、母親が日本人という東洋系アメリカ人で、フルネームはYuma Sung(漢字では孫勇真)という。1989年、サンフランシスコ郊外のシリコンバレーで生まれた。

幼い時から音楽が大好きで、6歳からクラシック・ピアノを習い始め、9歳でジャズ・ピアノに開眼する。それからは、クラシックと並行してジャズの先生にも付いて研鑽を積んだ。
11歳でサンノゼ青少年ジャズ・コンペ「ソロ・ピアノ」部門1位を受賞して以来、各地のコンペで次々と入賞・優勝して注目を集める。

そして2003年5月、自主制作によるCDアルバム『Looking Up』をアメリカで発表。
日本でも、2004年のライブをきっかけにレコーディングが決まり、2005年7月コロムビアミュージックエンタテインメントより、デビューCD『Yuma Style』を発売した。
現在はCSMA(Community School of Music and Arts)に籍を置きながら音楽活動を続けており、2006年のグラミー賞では、ジャズ・アンサンブルに出演もしている。

YUMAのピアノは、彼の住むサンフランシスコのイメージにも似て、明るく軽快なイメージだ。
感心するのは、ユーモアあふれる即興アレンジを織り交ぜたその演奏スタイル。
少年時代の坂本九を思わせる、愛嬌のある笑顔のどこにそんな余裕が隠されているのか不思議なのだが、JAZZファンを思わず笑わせ、同時に感嘆させる大胆なアレンジをしばしば披露してみせる。

以前、テレビで「A列車で行こう」を演奏した際は、途中で踏切の音を奏でて見せ、会場の笑いと拍手を誘った。
CD『Yuma Style』でも、4曲目の「On Green Dolphin Street」では、右手で曲を弾き続けながら、途中で左手だけウエイン・ショーターの「フットプリンツ」を弾いている。
7曲目に収録されているジョン・コルトレーンの「Naima」でも、ハービー・ハンコックの「処女航海」が演奏途中で同時進行する。
10曲目の「冬のソナタ」は、なんとブラジルのサンバ風にアレンジされ、暑い冬ソナを聴かせてみせる。
こうした彼独特のユーモアあふれる演奏スタイルが、『Yuma Style』というタイトルに象徴されているのだ。

彼の演奏を初めて聴いてから2年。
今、YUMAは母親の母国である日本で、ライブ活動の真っ最中だ。
7日には銀座スウイングに、10日には帝国ホテルの「Imperial Jazz Complex 2007」に出演する。
彼の成長振りとともに、そろそろ2枚目のアルバムがアナウンスされないかが気になっている。

YUMA公式サイト