新橋の烏森神社界隈には、狭い路地に小さな店がひしめいていて面白い。
しかも、外観ではなかなか分からないのだが、侮れない店が意外と多いのも特長だ。

この界隈では以前、究極の隠れ家「烏森醸造」(07/3/12)や、シングルモルトを極めたショットバー「MOONSHINE」(07/10/2)を紹介したが、それ以外にも、MOONSHINEの1階にあるビストロ「スリジィエ」、手頃で美味しいイタリアンとワインで人気の「A.te」、8席が連日争奪となる鮨処「しみづ」、看板のない隠れ家割烹「久」…など、多彩な名店がひっそりとたたずんでいるのだ。

そんな中に、家庭料理の「てまり」がある。
場所は、烏森神社の2軒隣。
ほぼ一間の間口の引戸を開けると、奥までずっとカウンターが続く。突き当たりは小上がりに座卓が1つ。

白木のカウンターは清潔で気持ちがいい。その上には、端まで大皿惣菜が並べられている。肉じゃが、菜の花の辛子和え、茄子の味噌炒め、田舎煮、ポテトサラダ…など、ほっとするような家庭料理が揃っている。
一番人気の五目玉子焼は、きのこなどの具がたっぷり入っていて、ボリュームも満点だ。

壁の貼り紙や手元のホワイトボードに、その日の酒や肴のメニューが書かれているのだが、なぜか価格がない。初めての客はちょっと不安になりそうだが、心配は無用だ。この店のお惣菜は、すべて600円の明朗会計。
ドリンクにも600円メニューが多く、生ビール(中)、瓶ビールのサッポロ黒ラベル、梅サワー、ライチサワーなどのサワー類、酎ハイ、烏龍ハイなども600円だ。ヱビスビールは700円。

この手の小さな店にしては珍しく、地酒も焼酎も各10種類ほど揃っているのが嬉しい。日本酒は、立山、越乃景虎、吉乃川、船中八策、紀伊国屋文左衛門、緑川…など。竹のコップに波々と注いでくれる。
昨日は、女将の出身である和歌山の「紀伊国屋文左衛門」をいただいたが、なかなか美味しい純米酒で気に入った。
価格はだいたい800円前後で、立山が600、緑川が1000円だ。

焼酎は、高倉、閻魔、黒霧島、神の河、龍雲、小牧、鬼火、白岳しろ、白水、黒饒香、小鹿げんもん…など。こちらはほとんどが500円だ。

あったかくて美味しい家庭料理をつつきながら1杯やっていると、居心地の良さについつい長居してしまう。
店のスタッフは、料理担当のマスターと、気のいい女将さん、それに日替わりで入るバイトの女の子の3人。人当たりのいい女将さんは、典型的なおっかさんキャラで、人気がある。

忘れてならないのは、座敷にまどろむ2匹の猫。この店の隠れた人気者だ。

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