東京では、この冬初めて本格的な雪に見舞われた。さすがに寒い。
こういう日は、お鍋に日本酒が最高ではないだろうか。たまには純和風の落ち着いた店で、静かにちびちびやるのも悪くない。
そんな時に思い浮かぶのが、新橋の路地裏にある鰯料理の専門店、「長屋」だ。

場所は、新橋のSL広場から烏森神社への路地に入り、神社の前を左折、1つめの路地を右に折れて少し行った右側
店の外観は、店名通りまるで昔の長屋。建物は築50年を経ており、改装の話も出たことがあるそうだが、常連たちの反対で頓挫したらしい。

引戸を開けると、まず入口で靴を脱いで下駄箱に入れる。右手すぐのところに、2階への階段があり、1階は5席ほどのカウンターと、テーブルが1卓だけという小ささだ。
カウンター内には店主と女将が控えており、女給さん(と呼びたくなる)2人が料理を運んでいる。
彼女らの服装は、一見モンペと割烹着に見えるのだが、よく見るとちょっと違っている。

2階は、8畳と3畳の和室2間がぶち抜きになっていて、6人用・4人用・2人用の座卓が全部で6卓ほどある。古さは隠せないものの、掃除は行き届いている。トイレも洋式で清潔だ。

鰯料理の店はいくつかあるが、ここはさすが専門店。50種類以上あるというのは半端ではない。鰯以外の料理は数えるほどしかないが、それでも不満を感じさせないほどバラエティ豊かだ。

煮物・焼き物・揚げ物から、しゅうまい、ソーセージ、果てはいわしパン(315円)や鰯アイスクリーム(420円)まである。鰯パンは、トマト味と豆板醤味の2種類があり、小2個または大1個が同じ値段。アイスクリームも生臭さは一切ない。
料理は価格は630円~840円が中心。
お通しも、もちろん鰯。鰯の刺身(840円)は、季節の草花をかごに盛って提供される。

この季節に食べられるお鍋は、「いわし鍋」と「つみれ鍋」の2種類で、どちらも1人前2,625円(コースは7品で5,250円)。「いわし鍋」は、鰯がぶつ切りで入っている。いずれも10種以上のきのこや山菜がたっぷりで、これだけで満腹になってしまうほどのボリューム。

日本酒は、残念ながらほどんど本醸造酒だが、10種類ほどが揃っている。銘柄は、津軽じょっぱり菊水の辛口北雪・佐渡の鬼ごろし、米鶴かっぱ、浦霞・本込み、土佐鶴越天楽・超特選。
純米酒として、まんさくの花と、美少年・神力があり、大吟醸酒に銀盤・播州50がある。
値段はすべて630円(ただし1合より少ない)。高清水の生酒だけは、小瓶で1,050円になる。

焼酎ボトルも10種類ほどがあり、価格は3,675円~5,775円 。生ビールやビール中瓶は578円だ。サワーやウイスキー、ワインもわずかながら置いてある。

店のBGMは、なんと長唄。窓を開けると、隅田川でも流れていそうな気分にさせてくれる。
最近は鰯もかなり値段が高くなったので苦労もあるかもしれないが、こういう店はぜひ長続きして欲しい。

ホットペッパー/長屋