飲み屋の店内を紹介する時、どうしても使わなくてはならない言葉がある。多くは建築用語だが、意味がちゃんと伝わっていないと、実際に訪れた際にイメージが違うといったことにもなりかねない。
そこで、今回はお店の造りに関する7つの言葉について説明したい。基本的な言葉ばかりだが、中には意外な事実が見つかるかも!

【居抜き】 いぬき
店舗を譲渡する際、内装や備品、お酒までそっくりそのまま残し、すぐに営業を開始できる状態で次の経営者に買い取ってもらう形式のこと。普通は最低でも看板(店名)は新しくするし、最低限の手を入れてから開業する。飲食店全般でよく見られるが、特に開業資金を抑えたいスナックなどの個人経営店に多い。

【オープンキッチン】 open kitchen
壁や間仕切りなどがなく、客席から調理をしている様子が見渡せるキッチンのこと。TV料理の鉄人」以降、よく見かけるようになった。渋谷の「レガート」(07/3/11) や、上野の「さくらい」(07/8/2) がこの形式だ。
ショー的な効果は期待できるが、いつ見られても恥ずかしくない、きちんとした調理をしているという自信がないとできない。
逆に、食事フロアから完全に仕切られた厨房は、クローズドキッチンと言う。

【個室】 こしつ
他のスペースから独立した、一組のお客専用の部屋のこと。ふすまや、移動可能なパーティションで仕切って個室にすることもある。入口を閉めれば外と完全に遮断される場合を完全個室、天井や壁などに隙間がある場合を半個室と言ったりする。
最近は、2~4人用といった小人数向けの個室ばかりを設けた個室居酒屋も多いが、個人的にはあまり好きではない。店内をあちこち見渡せた方が楽しいし、店のスタッフを呼ぶ時にも便利だし…。(単に「デート」という用途がないせいもあるが。)しかし、分煙効果があることは認めたい。

【座敷】 ざしき
ふすまで仕切られた、畳敷きの客席のこと。通常は、宴会に対応できる程度の広さを持った和室で、ふすまを閉めれば個室として利用できる部屋を指している。大きな居酒屋や、和食系の店によくある。

【小上がり】 こあがり
床から一段高くなった、畳敷または板張りの客席のこと。座敷と違い、簡単な仕切りだけか、または全く仕切りがないため、個室にはならない。居酒屋などで非常によくみかける席だ。
畳敷きが本来だが、最近はいわゆる掘り炬燵式と呼ばれる、足を床下に下ろせるタイプも多い。

【三和土】 たたき
土やコンクリートで仕上げた土間のこと。元々は、粘土と石灰とにがり(塩化マグネシウム)を混ぜ、叩いて固めたところから「たたき」と呼ばれるようになったらしい。3種類の材料を混ぜて作ることから「三和土」という当て字が生まれた。
このブログでは、素材は何であれ、靴を脱いで上がるタイプの店舗にある、土足スペースを指している。
本来は土間と言った方が正しいのかもしれないが、土の床と誤解されても困るので、あえて「三和土」と書くことにしている。
新橋「」(07/05/10) や、池袋「楽旬堂 坐唯杏」(08/1/9) など、靴を脱いで上がる店の入口には必ずある。

【メゾネット】 maisonette
建物の2階分(またはそれ以上)のフロアを使い、内部で行き来できる階段などを設けた構造のこと。メゾネットはフランス語で「小さな家」という意味で、マンションの2層を一戸として専有する住宅を指した。ホテルなどでも、たまにこうした形式の部屋がある。
六本木「imoarai」(08/8/17) や、池袋「昔ばなし・別館」(08/1/27) などがこの形式だ。
これに対して、通常の1層の住戸はフラット(flat)という。