日本酒を選ぶとき、自分が最初に気にするのは「純米酒」であるかどうかだ。
純米酒とは、米麹だけから造られた日本酒を指している。

米と水は分かるとして、米麹とは何だろうか?
米麹とは、蒸した米に麹菌を繁殖させたもの。麹菌には、デンプンを分解してブドウ糖を造り出す働きがある。そして糖分は、酵母(微生物の一種)を加えると、分解されてアルコールを発生させる。
糖分がないとアルコールが発生しないので、米麹を使って糖分を造り出しているのだ。

純米酒の仲間に純米吟醸酒純米大吟醸酒というものもあるが、これはとりあえず純米酒の高級バージョンと思っていていい。
この3種を除く全ての日本酒には、米・米麹・水以外の原料が含まれている。

それは何かと言えば、主に醸造アルコールだ。
「醸造アルコール」とは、サトウキビやトウモロコシ、イモ類などから醸造・蒸留して造られた、純度の高いアルコール(エチルアルコール)のことだ。
これを使うと、日本酒の醸造が安定して失敗しにくくなると同時に、スッキリとした味に仕上がったり、費用も安くなったり…といったメリットがある。

その一方で、醸造アルコール等を加えた酒はリキュールに近いのだから、「日本酒」と称するべきではない、といった批判もある。
ワインの場合、アルコールを添加したものは「フォーティファイド・ワイン」と言い、普通のワインとはっきり区別されている。シェリー、ポートワイン、マディラ酒などがそうだ。

醸造アルコールを入れたものが一概に粗悪品というわけではなく、少量を的確に使えば、普通の純米酒以上の味になる場合もある。例えば、「吟醸酒」や「大吟醸酒」では、少量の醸造アルコールを加えることで、爽やかな味わいとフルーティーな香りを引き出している。

しかし、多く使えば日本酒らしい味わいが薄くなるのは事実。それを補う(ごまかす?)ために、糖類グルタミン酸ナトリウム(うまみ調味料「味の素」の主成分)などの添加も認められている。
このようなお酒は「普通酒」と呼ばれ、最も安価に普及しているタイプの日本酒になる。普通酒は、どうもベタベタした味だったりして、美味しい日本酒にはなり得ない

では、醸造アルコールはどこまでが少量なのか?
線を引くのは難しいが、本醸造酒吟醸酒と名乗るには、醸造アルコールは米の重量の10%以内に制限されている。実際はそれよりずっと少ない量しか使っていないお酒も多い。
ほかのお酒は飲めるのに「日本酒は苦手」と言う人は、普通酒をはじめとした品質のあまり良くない日本酒を飲み、悪印象を持ってしまったのでは、という気がする。

自分は純米至上主義というわけではないが、常に肴をつまみながら呑むため、和食と相性のいい純米酒が一番気に入っている。
また、醸造アルコールの入った日本酒を呑むと、悪酔い二日酔いになりやすいことも経験上自覚している。

だから、居酒屋でメニューを見ると、真っ先に純米酒をピックアップしてしまうのだ。