西川口というと、正直あまりイメージの良い街ではない。だが、駅から30秒の距離にある「BAR CASK AND STILL」は、洋酒好きにとってわざわざ途中下車してでも寄る価値がある店だ。

場所は、西川口駅の西口に出て、駅前から左手に入る路地を進むと、すぐ左側の地下。「BAR」というシンプルな看板が目印だ。

階段の上にも季節のメニューを書いた黒板が掲げられていて、その日のおすすめに胸が躍る。
煉瓦に囲まれた階段を下り、扉を開けると、右側から正面にかけて逆L字型のカウンターが伸びる。左側には1卓だけテーブル席がある。合わせて13席ほどの小さな店だ。

カウンターの背面は、上から下までビッシリとボトルが並べられていて壮観。シングル・モルトだけでも400種類以上あるそうで、酒好きならこの景色だけでうっとりとしてしまう。

店のスタッフは3名。店主である川本将人さんは、この店一筋(前身である「HIDAMARI 狸 Part3」を含む)で、バーテンダー歴19年目を迎える。日本と英国のソムリエ資格を持ち、シングル・モルトと英国をこよなく愛しつつ、日本酒もたしなむというオールラウンダーだ。

紅一点の山口貴子さんも、川本さんに次ぐ古株。ベネンシアドール・アフィシオナド資格を持つほどのシェリー好きでありながら、料理の腕もかなりのものだ。意外と女性客が目に付くのは、彼女のおかげかもしれない。
若手の石川和伸さんもミクソロジスト(フルーツカクテル)系のバーテンダーながら、シェリーの修行にスペインまで行くという勉強熱心。

店のメニュー等はホームページを見てもらうとして、この店の特徴はともかく「お酒が好きで好きでしょうがない」という情熱にあふれていることだ。
3人ともプロのバーテンダーらしく、必要以上にお喋りなタイプではないが、お客にもひしひしとその好きさが伝わってくる。
そのため、お客にも「酒を愛する客」が多いようだ。周囲の注文の仕方を見ていると、それぞれが自分のスタイルを持って、この店とお酒を楽しんでいる客が多い。

品揃えが素晴らしい分、1,300円、1,800円、2,100円といった、ちょっと高めのものも多いので、自分のように目に付いたボトルを指差してオーダーするタイプの人はご用心。一応値段を確認してから注文しないと、勘定が1万円を超えてしまうこともありそうだ。

だが、ともかく酒好きを虜にしてしまうような品揃えに加え、アットホームな雰囲気、それでいてさりげない仕草でキッチリとプロの仕事を見せてくれるスタッフと、魅力が満載
こんな店の常連になれたら、お酒の楽しみが一層広がるに違いない。

→BAR CASK AND STILL
http://home.att.ne.jp/alpha/caskandstill/