銀座あたりで庶民派の呑み屋と言えば、三州屋(08/5/15紹介)か有楽町のガード下がパターンだ。しかし、銀座のど真ん中に大人気の串焼き屋があるのを忘れちゃいけない。和光の裏手にある「銀座ささもと」だ。
牛や豚の美味しい内臓を食べられる店として、都心の串焼きファンから熱い支持を得ている。

場所は、銀座4丁目交差点から晴海通りを数寄屋橋方面へ向かい、2つ目の角を右に曲がればすぐ左側だ。
大きな提灯に縄のれんと、大衆居酒屋らしいたたずまい。
ガラスの引戸を開けると、いきなり4人掛けと6人掛けのテーブルが置いてある。その奥の左側がカギ型のカウンターで、右側は2~3人用のテーブルが3卓。
椅子はすべてベンチ式のため、混んで来たら詰めて座る仕組みだ。カウンターは詰めれば10人くらいまで座れそう。テーブルは人数が少ないと相席になることもある。

照明は裸電球。壁のあちこちに『太陽を盗んだ男』から『パレスチナ1948・NAKBA』まで新旧の映画や、土方巽のトリビュート展などのポスターが貼ってあり、なかなか渋い。一番奥にあるレジの手前には、古めかしい木製レジも置かれている。

料理メニューは、串焼きと煮込みがほとんど。豚と牛と野菜というラインナップで、鶏はない。
定番のハラミや牛タン(585円)といったものだけでなく、他店には無いような珍しい部位もあるのが魅力。
脳味噌を煮込んだ「ブレ煮込み」(780円)は、とろけるような食感が人気で、売り切れの場合も多い。「牛タンのツクネ」(585円)は、内側を生のまま残した絶妙の焼き加減で、これまた売り切れるのが早い。こうしたスペシャルメニューを除くと、豚串は1本195円(刺身は292円)、牛串は1本390円の均一価格だ。

最初の料理には、味噌たれの「串煮込み」(390円)を頼むのがセオリー。びっくりするほど早く出てくる。逆に、同じく味噌たれの「キャベツ煮込み」(195円)は、15~20分かかるので早めに頼んでおいた方がいい。
この店には箸がなく、煮込みや刺身を含むすべての料理を串に刺しているのが面白い。

お酒のメニューは数こそ少ないが、こちらも面白い名物がある。
葡萄(ぶどう)割り、酸塊(すぐり)割り、梅割りの、3通りの焼酎割りだ。(各682円)
三重の麦焼酎・亀甲宮(キンミヤ)に十勝ワイン・トカップを1割混ぜたのが葡萄割りで、明るいルビー色がキレイ。
同じくカシスを混ぜたのが酸塊割り、梅シロップを混ぜたのが梅割りだが、これらは非常に強いため1人3杯までしか注文できない。

ビールもすべて682円で、ヱビスの生と黒生、ハーフ&ハーフ、アサヒ「スーパードライ(中瓶)」、キリン「クラシックラガー(中瓶)」がある。
日本酒は、冷酒が「玉の光」(グラス・682円)で、お燗が「新政」(徳利・780円)と、選択の余地なし。

「ささもと」は、元々新宿思い出横丁の超人気店で、銀座は支店のような形で1982年にオープンした。
新宿店は女性のみだと入店できず、看板もなければメニューも無い。味は銀座以上という噂だが、ハードな常連が多いらしく、内臓系にうとい自分は今ひとつ訪ねるのを躊躇している。

ちょっとクセはあるものの、店の雰囲気が気に入れば絶対また来たくなるはず。
お客でいっぱいの割に予約は受け付けていないため、電話で空席を確認してから急行するほかない。
客層は意外と幅広く、オジサンは目立つものの老若男女さまざまで、カップルも珍しくないようだ。

なお、ここに書いたのはすべて税込み価格たが、店のメニューは税抜きで書かれているので注意してほしい。

→銀座ささもと
http://sasamoto.kdn.gr.jp/