銀座は、名だたる洋食屋がひしめいているため、店の選択は難しい。紹介するのもおこがましい超有名店ではあるが、ここは銀座らしく、「最初の店」と「最高の店」を紹介することにしよう。まず今日は最初の店

日本の洋食を語る時、「元祖」として必ず紹介されるのが、創業113年の「煉瓦亭」だ。
場所は銀座3丁目、アップルコンピュータの裏手に当たる。(やはり有名な老舗キャバレー「白いばら」の隣)

今の店舗が建てられたのは、1964年。その名の通り、煉瓦造りの建物で、間口は広くないものの地下から3階まである。
1階は厨房があるため3卓しかなく、待っている人もいて少々落ち着かなそう。地下と2階はテーブル席で、2階の方が窓もあって広い。3階はなんと座敷席になっている。(下の写真は2階)

トンカツも、エビフライも、カキフライも、オムライスも、ハヤシライスも、すべてこの店から誕生したと言うから、半端ではない。

ただし、エビフライの発祥には諸説あり、ハヤシライスも日本橋「丸善」が元祖として知られている。ドミグラスソースを使ったのはここが最初なので、「元祖」を主張しているようだ。逆に、オムライスは大阪心斎橋の「北極星」の方が現在のオムライスに近く、煉瓦亭では卵がライスに混ぜられている。

1895年に創業した木田元次郎さんがこれらの料理を考案したそうだから、歴史を創った店には違いない。そもそも、ライスを茶碗ではなくに盛って最初に出したのがこの店だとか…。
現オーナーである明利さんは、四代目に当たる。

ハヤシライス(1,500円)は、丸いお皿に平べったく盛られたライスと、ソースポットで提供される。この店ではハヤシライス以外は全てライスが別注文になるそうだ。
ソースはクリーミーなデミグラスソースで、トマトの酸味が効いている。玉葱は白くてシャキシャキしているのが特徴的。ソースも牛肉も玉葱も、量がたっぷりあって、お代わりできそうなほどだ。「元祖」のせいかもしれないが、どこか懐かしいような味だ。
福神漬けとラッキョウは、よくある蓋付きの薬味入れで添えられて来る。

店の入口を男性が開けてくれる点を除けば、店の雰囲気も料理も、意外に庶民的な洋食屋。店の古さを歴史として見られるかどうかで、評価は変わりそうだ。料理も、いかにも元祖洋食屋という感じなので、過大な期待を抱くと肩透かしをくらうかもしれない。
だが、「ちょっと美味しいメシでも」という感覚で利用できるところが嬉しい。

値段がもっと安い洋食屋がいいなら、「スイス」の方をおすすめする。
いずれにしても人気の高い洋食屋は、ランチタイムに行列ができる。ランチタイムを少しはずした方が、待たずに入れるはずだ。

→煉瓦亭
http://www.ginza-rengatei.com/index1f.html