前回の記事で、久保田が好きな日本酒といった人気投票で常に3位以内にランクしていると書いた。蛇足かもしれないが、これについてちょっと補足しておく。

というのは、別に久保田が日本屈指の旨い酒という意味ではないからだ。
紹介した通り、久保田の出荷量はとても多く、人気も高い。従って、飲んだことがある愛飲家の人数も非常に多いのだ。久保田より旨い酒も少なからずあるのだが、多くは出荷量が少なく、知名度にも開きがある。
どれほど旨い酒でも、飲んだ人の数が少なければ、こうしたランキングで上位に入るわけはないのだ。

もちろん、あの出荷量で品質を保つことは、なかなかできることではない
だが、はるかに少ない出荷量ながら、旨さでは久保田を凌ぐ酒が数多くあることも忘れないでほしい。

ところで、やはり前回の記事で、久保田の「紅壽」は原料米に山田錦が使われている、と書いた。
今更ながら、日本酒に余り詳しくない方のために補足しておくと、山田錦とは日本酒の原料として最高とされているお米の品種名だ。もちろん、値段の方も最高

たまに、「全国新酒鑑評会金賞受賞酒」といった肩書きのついたお酒を見かけることがあると思う。全国新酒鑑評会というのは、日本酒業界で最も権威ある吟醸酒のコンテストで、酒蔵はここで金賞を受賞するために技術を磨いていると言っても過言ではない。

この鑑評会は2部に分かれているのだが、第1部が山田錦を使っていない(またはその使用割合が半分以下の)吟醸酒、第2部が山田錦を使用した(またはその使用割合が半分超の)吟醸酒、となっている。
山田錦を使用したお酒は、ほかと同列で比べられないほど旨い、ということなのだ。

この鑑評会では、出品酒の1/4ほどが毎年金賞を受賞する。金賞イコール「1位」という意味ではないので、そこは誤解しないでほしい。
昨年度の実績では、第1部に129点、第2部に828点の計957点が出品され、特に優秀と認められた255点が金賞酒として選出されている。

鑑評会は毎年5月に行われており、今年(第97回)は5月12日~13日が決審日。6月17日(水)には公開きき酒が開かれるので、興味のある人は行ってみるといいだろう。会場は池袋サンシャインシティ・ワールドインポートマート展示ホールだ。
開催時間は10~13時/16時~20時の2部構成。入場料は、前売り3,000円、当日3,500円と、ちょっといいお値段だ。