頑固親父」が閉店した今、都心で最も多くの種類を備えた地酒居酒屋というと、四谷「酒徒庵」ではないだろうか。

場所は、四谷三丁目交差点から新宿通りを新宿方面へ向かって、最初の右角の地下。地下鉄・四谷三丁目駅からだと、2番出口から出ると50mほどで到着する。(写真は、移転前の店舗)
入ると、左側に4人テーブルが2卓、右側に個室風スペースが2つある。その奥に、6席のカウンター。更に右奥へ曲がると、大きな日本酒専用冷蔵庫の並ぶフロアに、4人テーブルが8卓ある。全部で、41坪の店舗に55席だ。

フロア全体がL字型をしているため、客席が2つに分かているイメージだ。こうした造りは、神田「むら治屋」や、虎ノ門「花たろう」と似ている。
壁には全国の蔵元の前掛けがあちこちにディスプレーされていて、いかにも日本酒専門店らしい内装になっている。お酒の香りを楽しめるよう、店内は基本的に禁煙だ。

店長の竹口敏樹さんは、もともと蕨で30年続いた居酒屋「チョウゲン坊」で2005年から店長を務めていた。昨年の7月一杯で店が閉店したのを機に、東京へ進出。2009年9月1日にこの店をオープンした。
すると、たちまち数百種類の地酒を安く飲める店として、予約で連日満席という人気店になってしまった。

お酒は、地酒とビールのみ。自分は飲んでいないが、生ビール(ヱビス)の注ぎ方も絶妙という噂だ。
地酒は、店のホームページに200銘柄が掲載されている。開店当初250種類程度だった日本酒は、現在600種類まで増殖した。
お酒は半合(90ml)のグラスにすりきり一杯注がれる。メニューの値段もすべて半合の価格だが、200円~400円と、非常にリーズナブルだ。
200円の普通酒でも、黒龍、天狗舞、満寿泉…といった銘柄が並び、手抜きがない。限定品の「十四代」ですら220円(半合)という破格値だ。

竹口さんのおすすめは、あづまみね、たてのい、阿部勘、白露垂珠、飛露喜(ひろき)、花陽浴(はなあび)、屋守(おくのもり)、相模灘、青煌(せいこう)、村祐、風の森、美和桜、宮乃舞、会津中将、龍勢…あたりだとか。
ここでしか飲めないないものや、レアな銘柄も数多くある。ちなみに自分が飲んだのは、「1787(稲花)~息吹」(300円)、「色好い返事」(350円)、「東洋美人・611」(400円)、「越前岬」(300円)の4つ。

日本酒と一緒に、和らぎ水としてミネラル・ウォーターのペットボトルが置かれる。セルフサービスとはいえ、1人客でも2リットル入り1本というのは気前がいい。

料理の売りは、干物と牡蠣だ。牡蠣(1個450円)は北海道の厚岸、岩手の赤崎、宮城の石巻、三重の的矢、兵庫の赤穂、広島の宮島、アメリカ、カナダ…と、産地の異なる15種類ほどを常時揃えていて、食べ方も、生/焼き/蒸しの三通りから選べる。灰干しの干物(630円~)は、北海道や銚子からの直送
ほかにも、愛媛から毎日届く鮮魚(種類や価格は日によって変動あり)や、鯖のへしこ(630円)などの珍味、〆のおむすび(210円)まで、一通りの料理が揃う。
内臓に優しいヘルシー・メニューが多いのは、飲兵衛への心遣いということか…? お通し(420円)にも、温かい煮物が出された。

予約なしでの入店は難しい店だが、強いて挙げると、月曜か火曜ならフリーで入れることもあるらしい。満席情報や休日(不定)はホームページに掲載されているので、必ず確認してから出掛けた方がいい。自分が行った日も「満席」札が出ていたが、午後5時半から「1時間だけ」と約束して入れてもらった。(もちろん、きっちり1時間で店を出た。)
営業時間は午後5時~11時までだが、土・日・祝日は2時間ずつ早くなるのでご注意

→酒徒庵