千の酒と、千の店

利き酒師、ワインエキスパート、フードアナリスト等、様々な資格を持つ酒好き会社員が、全て自腹で訪れた東京~埼玉の
数千軒の中から、美味しいお酒の店を選んでご紹介。約380店を最寄駅で検索できる「記事の索引」や、お酒コラムもあり!

2009年05月

本格焼酎が250種類以上!根津「駅馬車」 (09/5/27)

焼酎ブーム以来、焼酎をたくさん揃えた店はおびただしいほど増えた。自分は焼酎の専門ではないので、本来は対象外なのだが、この店は紹介しておこう。根津の「駅馬車」だ。

場所は、地下鉄根津駅の1番出口を出て、弥生坂を東大方面へ90mほど上った右側
かつてはステーキハウスだったらしく、洋風の外観だ。店名も、昔の西部劇映画から取ったという当時の名残り。
2000年頃、現在の店主が引き継いで、居酒屋としてリニューアル・オープンしたらしい。

店はほどよい暗さで、1階が7席のL字型カウンターのみ、2階はテーブル席が24席ある。
店主は調理優先のため、ホール担当の女性が2つのフロアを行き来している。足腰が相当鍛えられるに違いない。

店主は余程の酒マニアなのだろう。この規模の店では通常考えられない数の酒が揃えられている
その中でも特に多いのが焼酎。本格焼酎と泡盛があわせて250種類以上、芋焼酎だけで150種類くらいあった。メニューでは、すっきり系、邪道系、フルーティー系、まろやか系、バランス系、どっしり系、辛口系、原酒系…といった味の傾向によって分類されているため、選ぶ際の目安にできる。

メニューに載っていても、何品かは「品切れ」というケースがよくあるものだが、ここはレア物も含めて本当に全部あるらしい。
価格は、25度の焼酎ならシングル(45ml)420円、ダブル(90ml)630円が標準。佐藤富乃宝山伊佐美魔王兼八もこの値段というのが凄い
高めのものだと、シングルで十四代が530円、百年の孤独が700円、南の島の貴婦人が900円、一番高そうな春雨サミット晩餐酒が破格の3,000円だった。

ビールは、ヱビス生(630円)、八海山ビール(1,030円)、15種類のベルギービール(800円~)と、種類は揃っているがこちらの価格は少々高め。
日本酒は日替わりで4種類しかないが、銘柄は吟味されている。先週あったのは、星自慢、而今、奥、豊盃の4種だった。すべて純米または純米吟醸で、価格は120mlが600円、180mlが800円。

ウィスキーもイチローズ・モルトが2種類もラインナップされていたし、バーボンやシングルモルト、ジン、ウォッカ、カルヴァドス…と、あらゆるタイプのお酒が厳選された品揃え。
カシス、カンパリ、ディタ…などのカクテル類や、梅酒をはじめとするフルーツ酒もたくさん。
梅酒も、あらごし梅酒、さつまの梅酒、角玉梅酒、赤ワイン梅酒、緑茶梅酒、紅茶梅酒、ハーブ梅酒、バナナ梅酒…など、10種類くらいある。
ほかにも、フランス仕込みの梅酒「プルシア」や、ギリシャのウゾなど、ともかく何百種類のお酒があるのか分からない。

料理も、いかの塩辛(300円)、餃子(焼または水・420円)、鶏の唐揚げ(530円)、レバ刺(630円)、やわらか角煮(740円)…など多岐にわたるが、人気が高いのはパスタ(1,080円~)。
おいしい豆腐・京ポン酢かけ(420円)、すばらしいサラミ(840円)、ふんわり玉子焼き(380円)、角煮の唐揚げ(840円)といったユニークな料理もある。パーティーは1,890円から(料理9品)。

この店は、焼酎好きでなければ、それほど特別な店ではないかもしれない。だが、焼酎マニアにとっては圧倒的な魅力を放つはず。タクシーを使ってやってくる客もいるというから、焼酎好きな人はぜひ行ってみて!

→yahoo!グルメ:駅馬車
http://gourmet.yahoo.co.jp/0000729173/P000969/

手頃で旨い純米無濾過生詰酒「裏・雅山流」 (09/5/21)

山形は、名酒の里として余りにも有名だ。「十四代」や「くどき上手」をはじめとして、「山形正宗」「出羽桜」「鯉川」「上喜元」「杉勇」「秀鳳」「初孫」「麓井」「楯野川」「惣邑」…など、秀逸な銘柄が実に多い。
昨年、都内の銘酒居酒屋を対象に行われた「日本酒好感度調査」アンケートでは、山形県がぶっちぎりの1位に輝いたというのも無理はない。

山形の酒は、昔の広告コピーではないが、「コクがあるのにキレがいい」。
香り高い新潟の吟醸酒が「香り吟醸」と表現されるのに対し、山形の吟醸酒は「味吟醸」と評される。
そんな山形県のお酒で、最近特に注目度が高いのが、(有)新藤酒造店の「九郎左衛門 雅山流」だ。

新藤酒造店は、米沢市にある老舗の酒蔵。江戸中後期から庄屋の副業として酒造りを始め、明治3年、五代目・新藤九郎左衛門の代から本職となった。
地元では、「富久鶴」というめでたいネーミングの酒で昔から知られている。

八代目の時、山田錦で仕込む純米大吟醸で全国新酒鑑評会に出品するようになる。それを市販したのが「九郎左衛門」という銘柄。九郎左衛門は、新藤家で代々の当主が襲名するという由緒ある名前だ。

更に、次期当主であり杜氏でもある十代目の新藤雅信さんは、「本物の地酒・人の求める酒」を目標に掲げ、地元の原料を使って米から自社生産する一貫造りに挑んだ。この新しい銘柄が「九郎左衛門 雅山流」だ。

自らの名前から1字取り、それに「動かぬ山」「流れる川」の2字を合わせ、大自然の中で何にもとらわれることなく技を磨き上げたいという心をこめた酒名だ。
蔵の前の田で育てた山形特産の酒造好適米「出羽燦々」に、山形酵母、吾妻山系の伏流水と、地元にこだわった原料で醸された吟醸酒で、保管設備の整った地酒専門店だけが契約を交わして販売を許される。

一方、「雅山流」のコンセプトはそのままに、もっと自由な発想で造られる「裏・雅山流」というシリーズも誕生した。こちらの原料米は美山錦が中心で、中には、山田錦や山酒86号(山形県独自の限定品種)を使ったものもある。ラインアップには純米大吟醸や本醸造もあるものの、中心となっているのは純米無濾過生詰酒。
「雅山流」もコストパフォーマンスは高いが、純米の「裏・雅山流」は更に安くて旨いと人気がある。(ほとんどが1升で2千円少々)

更にレアなシリーズとして、「雅山流・影の伝説」という銘柄もある。これは、貯蔵されているお酒の出来具合を見計らって、不定期に発売される限定商品。発売ごとに銘柄の末尾にローマ数字が付けられ、現在「Ⅵ」まで発売されている。
原料米も精米歩合もまちまちなため、「新藤さんのきまぐれで発売される」という冗談まで囁かれているユニークな商品だが、「雅山流」や「裏・雅山流」のいずれかの酒がベースになっている。これは本当に流通数が少ないので、見ることはほとんどない。

気鋭の酒蔵が仕込む注目の地酒「裏・雅山流」。最近は都内の銘酒居酒屋でも、時おり見かけるようになった。
値段を超えたその味を、ぜひ確かめてみてほしい。

→有限会社 新藤酒造店
http://www.kurouzaemon.com/

酒・肴・雰囲気、いずれも上質! 東中野「和酒バー・しもみや」 (09/5/17)

日本酒に入れ込んでいる店主の店は、けっこう数多くある。その中でも、最も高品位店が「和酒バー しもみや」ではないだろうか。

場所は、新宿から中央線で2つ目の東中野。JR東中野駅の東口改札を出て、右側の階段を下り、「ampm」の角を右折して約150m歩いた右側だ。ビルの中2階に見えるが、一応ここが1階らしい。窓際に並べられた酒瓶が表から見える。

店内は、広いカウンター10席のみ。バーと言うより和食のカウンター割烹といった雰囲気で、店内は明るくきれいに整頓されている。カウンターの正面は、左右に日本酒の冷蔵庫、その間の棚には焼酎が所狭しと並べられていて目を奪われる。

店主の下宮龍児さんは、東京農大醸造学科卒。お酒や発酵食品にまつわる数々の著書で知られる小泉武夫先生や、全国の酒蔵の息子たちと、ここで出会ったらしい。
その後、飲食関係の営業からサービス業を経て、日本酒の魅力を自ら伝えようと、2004年5月にこの店をオープン。以来、奥様と二人三脚で切り盛りしている。

店にある日本酒は150~200種類。かなりの酒通でも知らない銘柄が多く、しかもことごとく旨い。愛知の「年魚市(あゆち)」、和歌山の「超久」、ご主人の旧友が醸しているという長野の「緑香村」、東京の「屋守(おくのかみ)」、静岡は奥播磨の「誠保(じょうほ)」…等々。全国の「同窓生」と直取引の強みで、市販されていない美酒もここでは飲めるのだ。焼酎の品揃えも豊富。

量は1合が基本で、標本のように並べられた盆から好みのぐい飲みを選べる。
1人客の場合に限り、5勺グラスでの注文も受けてくれるので、あれこれ飲んでみたい客にはありがたい。
「和酒」を掲げる通り、ビールやワインも、日本産にこだわっているようだ。

料理も、味・見た目ともに和食割烹っぽい。おそらく奥様のセンスと思われるインテリアともあいまって、女性客が目立つのもうなずける。おいしい日本酒にこだわりつつ、料理にも妥協したくないというお客が多そう。
お酒の銘柄や料理の例は、店のホームページに掲載されている。

値段は居酒屋より1ランク上だが、内容に見合った価格で、決して高すぎることはない。自分の場合、利き酒セットB(3種)と、日本酒を5勺グラスで4種類、料理を2品いただいて5千円で納まった。何を選ぶかにもよるが、質を考えるとむしろ安めな印象だ。

最後に、その日に飲んだ銘柄を箇条書きにした「貴方の銘酒カード」を渡してくれる。次回に持参すれば、どんどん書き足してくれる仕掛けで、日本酒好きには嬉しいサービスだ。

線路をはさんで「大政小政」と「しもみや」という、日本酒ではトップレベルの2店が並び立つ東中野、小さいながら軽視できない街だ。両者の雰囲気が両極端というところが、また楽しい。

→和酒バー しもみや
http://www17.ocn.ne.jp/~simomiya/

ざっくばらんに安酒を楽しむ、渋谷「根室食堂」 (09/5/12)

これまでご紹介してきた店とはちょっとタイプが違うのだが、雰囲気に押されて紹介してしまおう。渋谷の人気立ち飲み屋「根室食堂」だ。

場所は、渋谷のマークシティのウェスト・モール入口横。道玄坂側の角にある。
写真のように、狭いながらもかなり存在感のある店だ。イメージとしては、鮮魚市場にある立ち食いの店といった感じ。

元々は4年ほど前に中目黒で開業した名物立ち飲み店だったのだが、08年7月1日、現在の場所に移転オープンした。地下1階から地上3階までの4層がまるごと立ち飲みという珍しい店舗だ。平均9坪と狭いが、4フロアあるので、まず入れる。

一応、地下1階~1階はカウンターでビールや地酒を楽しむ「根室食堂」で、2~3階は女性をターゲットにピザやワインも揃えた「STANDHING BAR NEMURO」と、少しだけ業態が違っている。

入口の前にも内側にも、魚介類や野菜の箱がたくさん積まれているが、これは単なるディスプレイではなく、本当に素材が入っている(または入っていた)もの。注文すると、そこから取り出してくれたりする。

食材もお酒類も、根室を中心とした北海道直送。オーナーの平山徳治さんが直接、仲買人や漁師、農家と契約して送ってもらっているそうだ。

生ビールはサッポロ黒ラベル(430円。2~3階はヱビス生)、日本酒は「国士無双」(400円~)、ワインは余市葡萄酒醸造所の「41」(グラス450円、ボトル1,900円)…と北海道モノばかり。

お酒の種類は少ないし、(日本酒は3~4種類くらい、すべて北海道の地酒)いずれも安い。食べ物もそれは一緒で、スーパーのパックで使われている皿で出て来たりする。
だが、この雰囲気だからそれも一種の演出と割り切った方がいい。北海道の市場に来たつもりで、安いが新鮮な食材を肴に、気楽に飲んで楽しむ店なのだ。


メニューは手書きの短冊で店中に貼られている。もちろん魚介類が中心だが、刺身、焼き物、煮物、揚げ物と、かなりの種類がある。売りはやっぱりホタテ、カニ、雲丹といった北海道ならでは食材。「生ホッケ刺(450円)」「時しらず刺身(550円)」「根室ズワイガニのPIZZA(1,350円)」など、ほかではなかなか食べられない。

美酒に舌鼓を打つのもいいが、たまにはこんな店で気楽にやるのも悪くない。からも近いので、待ち合わせにも便利そう!

→食べログ:北海道海鮮問屋 根室食堂
http://r.tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13008401/

ひとつの時代が終わったような…。 (09/5/5)

あれは確か、1981年の暮れだったと思う。
その頃学生だった自分は、FMラジオを良く聴いていた

その夜、たまたまリスナー投票によるロック・バラードのランキングをやっていたのだが、そのベスト3はいまだにはっきりと覚えている。

・「Just a 16」アレキサンダー・ラグタイム・バンド
・「情けない週末」佐野元春
・「スローバラード」RCサクセション

あれから28年が経ったが、この3曲は今でも自分の中でトップ3を維持している
自分がロック・バラードを好きになったのは、たぶんあの夜からだろう。
それだけに、忌野清志郎急逝のニュースは、自分にとってもちょっとショックだった。

時代を象徴するようなスーパースターには、なぜか早過ぎる死を迎える人が多い
石原裕次郎は52歳(87年)、美空ひばりは52歳(89年)、松田優作は40歳(89年)で亡くなった。
海外でも同様で、マリリン・モンローは36歳(62年)、ケネディ大統領は46歳(63年)、そしてジョン・レノンは40歳(80年)で亡くなっている。

日本は病死、アメリカは殺害という違いはあるが、いずれにせよ偉大なスターには太く短い人生が目立つ。
その伝でいけば、清志郎はむしろ頑張った方なのかもしれない。享年58歳。
いなくなってしまうと、日本の音楽シーンにぽっかりと穴が空いてしまったような、唯一無二の存在感を持つアーティストだった。

こういうことを言うとオッサンぽく聞こえるかもしれないが、70~80年代頃のロックは、今よりずっと骨太な曲が多かったように思う。最近のラップ調のJポップなんぞを聴いてると、情けなくて涙が出てくる。
人によって価値観が違うのを承知の上で、あえて言わせてもらえれば、音楽とは聴く者の魂を揺さぶるようなものこそが本物なのだ。

おそらくこれから、忌野清志郎の追悼CDだの、ドキュメンタリーなどが企画されるものと思う。興味本位で構わないので、機会があったら触れてみてほしい。
時代を担うヒーローは、「変なオッサン」の姿で現れることもある、と教えてくれるだろう。

あんた、最高にイカしてたぜ!ベイビー

連休中は、すべてのお酒が半額!有楽町「宝」 (09/5/3)

ゴールデンウィーク中、休みになる居酒屋は多い。行楽地や繁華街でもなければ客足も落ちるし、市場が休み(4日のみ臨時開場)という事情もある。
営業している店にとっても集客はなかなか難しいようで、割引キャンペーンなどを実施する場合もある。例えば、有楽町の居酒屋」では、ゴールデンウィーク期間中はドリンクがすべて半額だ。

場所は、東京国際フォーラムの地下。地下鉄・有楽町線の有楽町駅からは地下通路で直結している。
一見、ダイニングバー風のインテリアだが、店内にはモダン和風の座敷もあり、総席数は120席ある。12名と24名まで入れる個室もあるそうだ。

この店は、9つの酒蔵共同のアンテナショップという役割を持っているらしい。その酒蔵とは、浦霞(宮城)、大山(山形)、開華(栃木)、久寿玉(岐阜)、酒呑童子(京都)、春鹿(奈良)、嘉美心(岡山)、司牡丹(高知)、西の関(大分)。経営は夢酒グループだ。

それらの日本酒は本醸造500円からあるが、大山、白嶺・香田、嘉美心、司牡丹、西の関の純米酒がいずれもグラス600円、浦霞、春鹿、司牡丹・船中八策が650円。
純米吟醸酒は、開華・黒瓶が680円、浦霞・禅が880円。大吟醸クラスでは、浦霞・槽掛け雫酒、大山・槽掛け雫酒、開華、久寿玉、司牡丹・槽掛け雫酒がすべて980円だ。もちろんお燗も可能。

日本酒以外にも、各地の地ビールや、本格焼酎や泡盛も豊富(580円~。百年の孤独で980円)。
サワー・カクテル類は650円が中心になる。
初鰹のたたきからイベリコ豚のステーキまでという、幅広い食事メニューもなかなか面白い。
宴会は3,500円からだが、時間や曜日によって様々な特典が設定されている。

これらのドリンクがすべて半額というのは、かなりのお値打ち。飲ん兵衛なら見逃せない企画だ。ただし、前もって予約するか、クーポン持参が条件だ。
「ぐるなび」のクーポンページではなく、下記概要ページの「お得掲示板」がクーポンの役割を果たすらしい。当然だが、他のクーポンとは併用できない

せっかくゴールデンウィークに飲みに行くなら、こうした特典を利用しない手はない!

→ぐるなび:宝
http://r.gnavi.co.jp/g107805/

記事検索
livedoor プロフィール