千の酒と、千の店

利き酒師、ワインエキスパート、フードアナリスト等、様々な資格を持つ酒好き会社員が、全て自腹で訪れた東京~埼玉の
数千軒の中から、美味しいお酒の店を選んでご紹介。約380店を最寄駅で検索できる「記事の索引」や、お酒コラムもあり!

2008年09月

森下の大人気老舗居酒屋、「山利喜」 (08/9/29)

あまりにも有名な居酒屋シリーズ・その1。
森下にある「山利喜」を紹介しておこう。(「喜」は、正しくは「七」3つ。)

森下という少々はずれの地にありながら、名居酒屋といえば必ずその名が挙がる店だ。同じ森下に「本館」と「新館」の2つがある。

「本館」は、「森下駅前」交差点から新大橋通りを菊川方面へ2軒目という近さ。かつては風情漂う古めかしい店舗で有名だったが、老朽化により2008年8月2日~2009年12月4日まで店を閉めて建て替えたのだ(1枚目の写真)。その間は、仮店舗「山利喜もりもり店」で営業していた(3枚目の写真)。
現在の店舗も旧店の風情を残す内装となっている。

「新館」ができたのは2002年。同じく「森下駅前」交差点から清澄通りを両国方面に60mほど歩いた左側。こちらは、一見ラーメン屋のような雰囲気(2枚目の写真)。中も、1階はカギ型のカウンター12席のみのオープンキッチンで、やはりラーメン屋っぽい。2階はテーブル席が32席。椅子は背もたれない丸椅子で、4人テーブル以外に相席で通常使われる大テーブルが1つある。3階は板の間に掘り炬燵式の座卓が並べられた29席だ。

創業は1924年(大正13年)で、現在のご主人、山田廣久さんは3代目だ。店を継ぐまではフランス料理の修行をしていたため、老舗居酒屋にしては珍しくワインも置かれている。そのためか、女性客も多い。

名物のやきとんは、カシラ、軟骨、ハツ、レバー、タン、ガツ、シロ、軟骨タタキ…など、1人前2本で260円。

煮込み(500円)は、牛シロ、八丁味噌、ブーケガルニ、ポートワイン、ザラメなどが使われ、大鍋で6時間以上じっくり煮込まれている。煮込みによく合うと評判のガーリックトーストは220円。東京3大煮込みの1つとされているが(あとの2つは、北千住の「大はし」と月島「岸田屋」)、この和洋折衷の味は賛否両論あるかもしれない。
煮込みは、茹でられた煮玉子の入った「煮込み玉子入り」もあって、こちらも人気がある(550円)。

もちろん、ほかにもメニューは豊富で、刺身、サラダ、スペアリブ、湯豆腐、くさや…など多彩に揃っている。

お酒も割と豊富だ。本醸造はすべて650円で、それ以外は800円だったが、いつでもそううまく分かれるわけではなさそうだ。南部美人、うきたむ、磯自慢が本醸造酒。純米に安芸虎、純米吟醸に醸し人九平次、古酒に花垣がある。燗酒は、神亀鶴の友で、こちらは小徳利650円、大徳利1,100円。
定番以外のお酒も常時2~3種類あって、先週は喜正醸し人九平次の冷やおろし(各800円)があった。

焼酎は、芋焼酎の風憚、麦焼酎の中々(各600円)、5年熟成麦焼酎のこしゅん(800円)、泡盛の黒真珠(700円)。ボトルで麦焼酎の伝説もある(2,800円)。

ビールは、キリン樽生・中(550円)、大(700円)と、瓶のラガー(620円)。ギネス(ハーフパイント・650円)や、サッポロの無濾過プレミアムビール・白穂乃香(600円)もあるところが粋だ。
ワインは、時期によって変わるようだが、グラスで600円、ボトルは3,000円~7,000円くらいまで数種類揃っている。現在あるのは、ローヌの注目ワイン、ドメーヌ・ド・ラ・モルドレ

価格的には普通だが、多彩なメニューと味とサービス、三拍子揃っているのが人気の理由だろう。
この近くで飲むなら、やはりどうしても足が向いてしまう店だ。

→山利喜
http://www.yamariki.com/

さいたま随一の銘酒居酒屋「仁左衛門 吟亭」 (08/9/24)

さいたま市でおそらく最も有名な銘酒居酒屋が「仁左衛門」だろう。ともかく、日本酒と焼酎あわせて約500種類という品揃えは圧倒的だ。

実はこの店、さいたま新都心駅前にある本店以外に、「仁左衛門 吟亭」という姉妹店がほぼ隣に、「仁左衛門 吟亭・大宮店」が大宮駅東口から少し歩いた裏路地にある。3店ともお酒の充実度は見事なのだが、店の雰囲気やメニューは少しずつ違っている。

本店は駅前ということもあって、さいたま新都心駅の東口ではよく知られているし、店内も広い。個室や座敷も完備しており、宴会では50人まで対応できるそうだ。ただし、自分のように1人飲みの客だと、カウンターが無いのがちょっとさびしい。

吟亭・大宮店は、人一人しか通れないような裏路地にある小さな店で、こちらは打って変わった隠れ家風。少人数での飲み会や、お忍びに向いている。(詳しくは、07/12/24の記事参照)


そして、「仁左衛門 吟亭」は本店の並び、50歩ほど与野方面に歩いたところにあるので、こちらも駅から至近だ。蔵を模した外観で、杉玉が下げられた入口は本店と違い店内がよく見えないため、初めての客はちょっと入りにくいかもしれない。

だが、入ってしまえば、そこは居心地のいい銘酒居酒屋だ。手前にカギ型のカウンターがあり、その奥にテーブル席と座敷、大小5つの個室がある。
カウンター横の壁際が、焼酎の棚と日本酒・ビールの冷蔵庫になっており、酒好きにはたまらない眺めを呈している。(下の写真参照)

本店と共に、割と最近メニューや店内を少しリニューアルしたため、開店当初よりいい雰囲気になっているようだ。BGMにもジャズが流れており、大人が落ち着ける。

吟亭の方も、日本酒と焼酎がそれぞれ100種類以上揃えられており、量も質もまず文句が無い。マニアックな銘柄は控え目だが、かなりの飲兵衛でも満足できるだけのラインナップが揃っている。ホームページに主な銘柄が掲載してあるが、時期によって数十種類が随時入れ替わる。今週は、20種類の冷やおろしが入荷しているが、新しい20種類がもう既に控えているのだそうだ。

価格は、普通の居酒屋に比べると少し高めに思えるかもしれないが、銘酒居酒屋としては平均的。ほぼ全ての日本酒が半合でも注文もできるので、300円前後から銘酒が楽しめる。飲み比べセットも何種類もあって、日本酒好きには嬉しいところだ。
お燗もすべての銘柄で対応してもらえるが、お燗は合う酒と合わない酒とがあるので、より美味しくいただきたいなら、店のスタッフに相談するのが得策だ。

料理も美味しい。サバのへしこ炙り(500円)、本からすみ(800円)、このわた(800円)、ばくらい(600円)といった、酒の肴によく合う珍味系はもとより、刺身、煮物、焼物といった料理もいける。

イベントの企画もたまにある。10月は金曜以外の毎日、本店で「冷やおろし飲み放題」(冷やおろし32種類が2時間飲み放題で2,500円)を受け付けている。飲兵衛ほどお得な企画なんで、自信のある人はぜひどーぞ!(冷やおろしは売り切れ御免。15種類を切ったら企画終了とのこと。)

→ぐるなび/仁左衛門 吟亭
http://r.gnavi.co.jp/g770303/

イギリス王家秘伝のリキュール「ドランブイ」 (08/9/22)

お酒には、その発祥にまつわる逸話が残されているものが少なくない。
その中でも、最も良く知られたものの1つが、スコットランドのリキュール「ドランブイ」の逸話だろう。

ドランブイは、平均熟成15年のハイランド・モルト・ウイスキーを中心とした約40種類のスコッチと、スコットランドの原野に咲くヒースの花のエキスや蜂蜜、各種ハーブ、水、シロップなどを配合した、英国産リキュールの傑作。まともなショットバーで、この酒を置いていない店は、まず無いと言ってもいいだろう。

洋酒好きな人なら知っている人も多いと思うが、その発祥はイギリスの王位継承戦争にさかのぼる。
1745年、ステュアート王家のチャールズ・エドワード・ステュアート王子は、フランスの支持のもと、王位継承権を争う戦いを起こした。
エジンバラ・ダービーまで進撃するが、インバネス州カロデン・ムーアで大敗し、フランス王家との連絡も途絶え、王子は敗走する。3万ポンドの賞金までかけられたが、それでも王子への忠誠を守って、スコットランド北西のスカイ島からフランスまでの亡命に尽力したのが、ハイランド貴族のジョン・マッキノンらの勇士だった。

亡命は成功し、王子は褒美としてジョン・マッキノンに王家秘伝の酒の製法を授けた。これがドランブイというわけだが、マッキノン家は王家秘伝の酒に敬意を表し、それを製造販売することなく、しばらくは一族の間だけでその製法を伝えていった。

160年以上経過した1906年、マッキノン家の子孫であるマルコム・マッキノンがついにエジンバラでドランブイの製造販売を開始する。
ドランブイという名前は、ゲール語の「dram(飲む)」と「buidheach(満足な)」を合わせて、満足できる酒という意味を込めたネーミングらしい。
日本でも容易に飲めるようになった現在でも、そのラベルには「Prince Charles Edward's Liqueur(チャールズ・エドワード王子のリキュール)」の文字が記されている。

スコッチウイスキーに、複雑な香りと甘さが加わった味は、女性にもおすすめ。
飲み方もかなり自由に楽しめ、ストレートやロックはもちろん、「ボギーズ」と呼ばれるソーダ割、ジンジャーエール割、トニックウォーター割、冬はお湯で割ってもおいしい牛乳やクリームで割るのが好みという人もいる。(度数は40度なので、ウィスキー並)
カクテルのベースとしても使われ、特に有名なものに「ラスティ・ネイル」(スコッチ+ドランブイ)がある。

男っぽい映画俳優として有名なハンフリー・ボガードは、マティーニだけでなく、このドランブイも大好きだったという。

また、ちょっと意外だが、70年代のドランブイには、カレーに使われる香辛料・ターメリックが多く含まれていたため、ほのかにカレーっぽい香りがしたらしい。確かに、17世紀~19世紀にかけて、イギリスは東インドと香辛料貿易を盛んに行っていたので、その影響かもしれない。

現在、ドランブイは750ml瓶で3,930円、375ml瓶で1,970円程度(消費税別)。ディスカウントショップなら、もっと安く手に入る。
ぜひ1度、イギリス王家秘伝の味をお試しあれ。

→DRAMBUIE
http://www.drambuie.com/

裏メニューもチェック!民芸調居酒屋、御徒町「絵馬亭」 (08/9/19)

民芸調の居酒屋というのはたまに見かけるが、御徒町にある「絵馬亭」は、その中でもかなりユニークな店だ。ともかく、店内の壁が6,000枚の絵馬でビッシリと埋め尽くされている。

場所は、JR御徒町駅の南口を出て、松坂屋の本館と南館の間の道を湯島方面へ100mほど進んだ左側の2階。
銀座線の上野広小路駅、千代田線の湯島駅、大江戸線の上野御徒町駅からも近い。
湯島駅から行く場合を除くと、2軒隣の風俗店の前を通ることになるので、女性連れの場合は要注意

外階段を昇ると、入口の右横の広い窓から店内が見える。
中は板敷きで、靴を脱いで上がるタイプ。靴は脱いだままにしておけば、店の人が下駄箱に納めてくれるようだ。

入って右手の広間に座卓が並べられ、掘りごたつ式になっている。6人掛けのテーブルがいくつかあり、相席で座る場合が多いが、メニューなどで一応仕切られているので、それほど気にはならない。
窓際は、小さな宴会に使えそうな8人くらいのスペース。
更に、入って左手側に8~10名用の個室がある。総座席数は45席ほどで、26名から貸切可能とのことだ。

店の壁は、ともかく全面絵馬だらけ。その間に大きな天狗の面が飾られていたり、角には鎧兜の置物、柱には小さな千社札がたくさん貼られている。(よく見ると、「中尾彬」「池波志乃」といった有名人の札も…)
独特の民芸調インテリアは、外国人を連れて行くと面白がってくれるかもしれない。

日本酒は、約15種類がラインナップされており、「半合」「一合」「二合」の3通りの分量を選んで注文できる。いずれも片口や竹筒で提供される。
価格は、店のサイトに明記されているが、一合の場合で600~800円ほど。
銘柄は、本醸造酒が久保田・千寿、〆張鶴・雪、越乃影虎・名水。純米酒が蔵太鼓、神亀、開運、るみ子の酒、早瀬浦、竹鶴・雄町。吟醸酒が出羽桜・桜花黒龍。純米吟醸酒があづまみね、大治郎、独楽蔵・玄
ただし、裏メニューもあるので、酒好きは奥の冷蔵庫を見に行った方がいい。今週は「而今」なども冷蔵庫に隠されていた。

本格焼酎も30数種あって、こちらは90mlで500円~650円。ボトルキープも可能だ。
飲み放題にも、地酒6種・本格焼酎7種(佐藤富乃宝山など)が入っているのがうれしい。ただし、飲み放題コースは6千円から。

料理もなかなかのもので、生ゆば、ちゃんこ、牛タン、あんこう鍋など、旨そうなメニューが並んでいる。価格は400円~700円くらいが中心だが、のどぐろ煮(3,500円)や江戸前穴子天ぷら(一尾1,500円)といった高いものもある。
ちゃんこは名物で、富山や築地から仕入れる天然物の鮮魚や有機栽培の野菜など、22種類もの具が入っている。1人前3,500円だが、2~3人でも十分なボリュームだ

なお、こちらはランチも安くて(650円)うまいと人気がある。

→絵馬亭
http://www.ematei.com/

純米吟醸も1合500円!安さと接客が見事な鶯谷「一代」 (08/9/17)

上野駅の手前の線路際に、「地酒 一代」という看板が立っている。赤い地に白文字で書かれた店名はなかなか目立つ。
その店は、鶯谷駅南口を出て左手の凌雲橋を根岸側に渡り、歩道の階段を降りてすぐ左手の路地を入ると、左側の2階にある。

店は、いかにも下町の大衆居酒屋っぽいたたずまい。中に入ると、右奥の線路側は厨房とサービスカウンターになっており、オバちゃん、お姉ちゃん(韓国系かな?)が控えている。この辺は一応整理されているという程度で、けっこう雑然とした雰囲気。

フロアには8人座れるテーブルが3卓並び、入口の隣に4人用のテーブルも1卓ある。左奥の道路側が小上がりになっていて、4人用2卓と、2人用3卓が人数に応じて組み合わされている。
店は年季が入っているが、掃除は行き届いているようだ。粗末ながら季節のディスプレイもされていて、思ったほど居心地は悪くない。

日本酒は13種類ほどで、価格安い。本醸造酒が、司牡丹(400円)、浦霞(450円)、久保田・百寿(530円)、〆張鶴(550円)、八海山(750円)の5つ。特別本醸造に久保田・千寿(580円)と、越乃寒梅(1,000円)があった。
純米酒は田酒が、特別純米酒は真澄(各550円)がある。吟醸酒では出羽桜(550円)があり、純米吟醸酒も上善如水(500円)と、4合瓶だが久保田・萬寿(7,200円)がラインナップされている。
大吟醸生酒久保田・翠寿(530円)もメニューにあるが、これは季節限定品。先週末には無かった
ほかに、にごり酒(400円)もあるようだ。
ちゃんと徳利で運ばれてくるので、量も問題ない。
焼酎は「黒霧島」と「くろうま」があるらしい。

つまみも、冷奴(280円)、さつま揚げ(350円)、鮭はらす焼(380円)…などどれも安い。焼鳥は、ねぎま、レバー、タン、皮、カシラ、つくね、砂肝がいずれも1串90円。まぐろぶつ、いか刺、ほたて刺、甘えび刺(各480円)等々、刺身類もある。500円を超える料理は少ないのだが、見てくれはともかく味は悪くない。

特筆すべきは、ここのオバちゃんの接客テクニックだ。
陶器の徳利は中が見えないにも関わらず、ちょうどお酒がなくなるタイミングで「お酒は大丈夫ですか?」と声を掛けてくれる。おそらく徳利を傾ける角度で、残量を判断しているのだろう。
帰るときも、レジに行くと既に精算している。席で手荷物に手を掛けたとたんに、もう計算し始めているのだ。
1人客だったので注意していてくれたのかもしれないが、このサービス・テクには舌を巻いた。

7時までに注文すれば、サワー200円、中生300円、日本酒500というサービスもある(1人1杯限り)。
店の目の前に、安さではここの上を行く「ささのや」もあるが、メニューを考えればやはりこちらで飲みたい。(「ささのや」は立ち飲み主体のもつ焼き屋で、1串70円、お酒は220円。)

シーズン中は、店内の2台のテレビ巨人を流している。
阪神ファンの人は、路地の角を曲がって突き当たりの「忍」へ行くと、そちらでは阪神戦が見られる。

→goo地域:一代
http://local.goo.ne.jp/shopID_gourmet-gnavi-P952400/

新橋に、ビールの名店並び立つ!「新橋 DRY-DOCK!」 (08/9/14)

2007年6月18日、新橋駅南側の第一京浜沿いのガード下に、立ち飲みのビール・バーがオープンした。
のキャビンを模したその店は、「新橋 DRY-DOCK!」という。

場所は、新橋駅の汐留口を出て、駅前の信号を右方向に直進し、JRのガード下と交差する右側。烏森口から線路沿いに進んでも行ける。

入口を入ると、4段ほど階段を下りた右側にキャビンがある。船員バーをイメージした三角形の店内は、左側がカウンター、右側には2人用テーブル2つがある。いずれも立ち飲み用で、その奥が階段
2階は昇った正面がトイレで、左側に4人用テーブルが3卓ある。こちらは艇長室をイメージしているそうで、座って飲むことができる。

1階・2階ともに、12人も入れば一杯。いずれも電車が通ると、けっこう音が響く。立ち飲みメインでありながら、ビールは1杯千円前後と決して安くない。それにも関わらず、連日お客が引きも切らない。それはひとえに、ともかくビールがうまいから。

1階のカウンターでひたすらビールを注いでいるのは、店主である若きビール注ぎ職人、佐藤裕介さん。
彼が操舵型のビア・サーバーから注ぐ「アサヒスーパードライ生樽」は、誰もが知るあのスーパードライとはまるで別物と大評判だ。

この店には、生ビールが9種類ある。
滑らかなのど越しに驚かされる「アサヒスーパードライ」(650円)、上品な味わいの長期熟成ビール「アサヒ・プレミアム熟撰」(680円)、イギリスの味を最大限に再現した注ぎ方で提供される上面発酵ビール「バス・ペールエール」(1,100円)、チェリーを漬け込んだ甘酸っぱい風味と紅味が特徴的な「ベルビュー・クリーク」(800円)、他の3~4倍のホップを使ったシャープな苦みのベルギービール「シメイ・ホワイト」(1,100円)、小麦を加え、バナナのようなフルーティーな甘さの香る「隅田川ヴァイツェン」(990円)、低温熟成させた力強い苦みの上面発酵ビール「隅田川アルト」(990円)、焦げた苦味のある深い茶色の「隅田川ポーター」(1,050円)の8種類が定番。
ほかにゲスト・ビール(950円)1種類があるが、現在はヒューガルデン・ホワイトが設定されている。

この店のビールが美味しいのは、佐藤さんの技術はもちろんだが、ビールを美味しくするために考えられることを、すべて手間暇を惜しまずにやっているから。温度管理、サーバの洗浄、グラスの洗浄…など、これ以上望めないレベルで徹底されている。
ビールも、銘柄によってその味わいが最も引き立つ形のグラスに注がれる。

9種類の生ビールに加え、ドイツ、ベルギーを中心とした瓶ビールも30種類ほど揃っているが、価格は千円少々のものが多い。
アメリカのアンカーも全種類が揃っているし、タヒチのヒナノ・ビールも可愛い名前とラベルが人気だ。
ワインやウィスキー(竹鶴)、カクテルなど、ほかのアルコール類もある。

ワインボトルは、赤が「カリテラ・カベルネソービニヨン」(2,980円)と「ペポリ・キャンティ・クラシコ」(5,800円)、白が「カリテラ・シャルドネ(」2,800円)と「シャブリ・ラ・シャンフルール」(5,800円)。スプマンテ(イタリアのスパークリングワイン)は、「ガンチア・プロセッコ」(3,200円)、「ガンチア・アスティ」(3,600円)。すべてアサヒビールが販売しているワインだ。

おつまみは、もちろんビールに合うものが中心。「名物チキンバスケット」(3ピース・650円、6ピース・980円)は、フライドポテトが添えられた鶏の唐揚げに、モルトビネガーを掛けていただく。
ビール研究家の藤原ヒロユキさん考案の「Crew's ホットドック」(780円)は、ホットドックにビール風味のケチャップとザワークラウト、それに刻んだピクルスがたっぷり乗っている。
手軽な500円メニューとして、ポテトサラダ、野菜スティック、チーズ、ビーフジャーキー、たまごのピクルス、「かめや」のチョコ盛り合わせスパイシーオリーブ、ドライフルーツなど、十数品があるのも嬉しい。

名店「BIRE REISE'98 」の近くでビールバーを開店する大胆さも、味に自信あってのことかも。
内装だけでなく、店全体がビールを楽しむ会のような店。1日の疲れと渇きをいやす、まさに「DOCK」の役割を果たしてくれる。
ビール嫌いな人ならビールの美味しさに開眼し、ビール好きな人は通いつめることになること、間違いなしだ。

→新橋 DRY-DOCK!
http://www.shimbashi-dry-dock.com/

知られざるシティポップスの旗手、濱田金吾 (08/9/12)

自分くらいの年齢の人であれば、多かれ少なかれ浜田省吾の歌は耳にしたことがあるだろう。
1979年に、カップヌードルのCMソング「風を感じて」で注目され、92年にはドラマ「愛という名のもとに」の主題歌に「悲しみは雪のように」が使われ大ヒットした。
ソロデビューしてから32年を超えた現在でも、変わらずに精力的に音楽活動を続けている。

しかし、浜田省吾がメジャーになった頃、もう1人「浜田金吾」というシンガーソングライターがいたことを知る人は少ない。似た名前が災いしたのかもしれないが、80年~85年にかけて7枚のアルバムを発売したものの、それ以降はベストアルバム3枚が発売されただけだ。
最近は作曲家として活動する一方、2001年に村田和人、松下誠と結成したユニット「Moon Kids」の一員として、たまにライブも行っている。(85年以降は名前を「濱田金吾」と表記している。)

当時から知名度は高くなかったのだが、自分は省吾より金吾の方が好きだった。
浜田省吾の歌は、良くも悪くもフォークの尾を引いた泥臭さが感じられたのだが、浜田金吾の歌は洗練されていて都会的な響きがあった。いわゆるAORとかシティポップスと言われるジャンルだ。
「広島」と「新宿」という出身の違いが影響しているのかは分からないが…。

浜田金吾は、1974年にフォークグループ「クラフト」にベース・ボーカル・作曲担当として参加して音楽活動を始めた。78年にクラフトが解散してからは、作曲家として活動。高橋真梨子、太田裕美、西城秀樹、岩崎宏美…など多くのアーティストに楽曲を提供している。
79年に山下達郎とAIR RECORDSの設立に参加すると、ソロ活動も開始。
81年には「JAPANESE CONTEMPORARY SOUNDS(JAPACON)」称して、佐野元春、杉真理、網倉一也らと共に活動するようになり、4人で4夜連続ライブなども行っている。

自分が一番好きなのは、この頃に発売された3rdアルバム「Feel The Night」だ。
「PIANO MAN」「JAZZ SINGER」「海風通信」など、名曲揃い。特に「JAZZ SINGER」は大好きで、この曲の歌詞に出てくる全てのジャズ・シンガーのアルバムを買い揃えてしまったほどだ。
自分がジャズ・ボーカル好きになったのは、まさにこの曲がきっかけ。
こういう都会的でセクシーな曲を作れる大人のシンガーは、未だ彼を措いてほかに知らない。

一時はすべてのアルバムが廃盤となっていたが、2000年9月に1~3枚目が、翌年には4~5枚目も再発売された。2006年には新曲2曲を含めたBESTアルバム「GOLDEN☆BEST 濱田金吾」も発売されている。

ゆっくり洋酒を飲むなら、BGMとして最高!
特に、女性と一緒なら雰囲気を盛り上げてくれること間違いなしだ。
自分が、全てのアルバムを揃えたいと思っている唯一のアーティストが彼なのだ。

→濱田金吾公式サイト
http://www12.plala.or.jp/kingo_hamada/

サービスは今イチだが美味しさはピカイチ! 月島「味泉」 (08/9/9)

評判の高い居酒屋が、必ずしも万人受けするわけではない。小さな店ほど、その店独自のテイストがあり、それが合う客は絶賛するが、合わない客は首をひねることになる。
月島の「味泉」はそうした微妙な居酒屋かもしれないが、酒と肴の旨さは誰もが認める人気居酒屋だ。

場所は、月島。地下鉄「月島」駅で8番出口を出たら(月島サマリア病院前)、道なりに進んで次の角を右折。そのまま250mほど歩いたつきあたりを左折すると、すぐ左側にある。

コンクリート打ちっ放しの外壁で、入口の右側と左下には、それぞれアールヌーボー調のアートっぽい看板があり、居酒屋としてはちょっと斬新な外観だ。
これだけ見ると、(株)竹馬の店(新宿で池林房、陶玄房、浪曼房、犀門、梟門などを経営している)と似た雰囲気。

店内は思ったより狭く、2人用のテーブルが4卓に、4人用が2卓、あとはカウンターに7席のみ。
中は白木でまとめられた意外と普通の居酒屋。常に満席なので、けっこう賑やかだ。
スタッフは、店主である荒木さんとその友人のご家族で運営されている。外観は斬新だが、下町らしい家族経営の店なのだ。そこを理解しておかないと、この店は楽しめない。

カウンターの上部は、端から端まで日本酒の瓶が並べられ、それぞれの瓶の下に銘柄と値段を書いた短冊が下がっている。これがそのまま日本酒のメニュー。ただし、これ以外の銘柄が壁の貼り紙にも書かれているので、お見逃しなく。

マルで囲まれた価格は、小グラス(5勺)での値段。日本酒の値段のみ、外税なので注意してほしい。
純米を中心にした本物の酒ばかりで、特に王禄豊盃天の戸という渋い銘柄が一押しらしく、それぞれ3種類以上揃っていた。価格は、700~800円が多く、1合での最高値は「瑠璃色の海」の1,000円まで。それ以上のものは小グラスによる提供で価格を抑えている。

ほかには、十四代、黒龍、飛露喜、醸し人九平次、磯自慢、義侠、村祐、東一、鶴齢、菊姫、大七、天遊淋、山桃桜、松倉、萬代芳、綿屋、龍力、渡舟、亀の尾、陸羽132号、…等々、30銘柄はあったと思う。

焼酎も24種類あり、600~800円。「百年の孤独」でも800円というのは良心的だろう。内19種類は、ボトルキープできる。
ビールはエビス中瓶600円、同じくエビスの樽生550円(小)、650円(中)。

ほかの壁には、魚の名前と「刺身」「焼き」といった調理法を書いた紙がベタベタと貼ってあり、これが即ち魚料理のメニュー。これを見て、食べたい魚を注文する。魚は日替わりのためか、「1,000~2,000円」と大雑把な値段が掲げられ、個別に書かれているものは少ない。1,000円と2,000円とじゃ大違いだと思うのだが…。

その他の定番は、テーブルに置かれたメニューで確認できる。価格はやはり千円オーバーが多いので、居酒屋としては高めだ。だが、どれもが美味い。
名物は、「薩摩揚げ」と「煮穴子」。

薩摩揚げは、野菜がたっぷり入っていてとても柔らかい。大きいので、3~4人でも1つで足りそう。
煮穴子は、1度煮た後で軽く焙ってあり、柔らかさと香ばしさが一体となっている。こちらは少々時間がかかるので、早めに注文しておくといい。
もっとも、ここは荒木さん1人で調理しているため、料理に時間がかかることは多いようだ。

普通に飲んで食べて1人5千円以上、贅沢すれば1万円近くかかる店なのだが、美味さで納得してしまうという人が多い。
これで接客サービスがもう少し良ければ、嬉しいのだが…。常に満席で忙しいとは思うが、説明が少なくて、せっかくの美味しいメニューが活かされていないのが残念。料理にもお酒にも、もう少し親切な説明がほしいところだ。

それでも連日常に満席なのが大したもの。よって、予約は必須だ。

→肴や 味泉
http://www.gurume-tsukishima.com/shop/021_ajisen.html

鯨をはじめ、あらゆる酒と肴が味わえる、新宿「樽一」 (08/9/4)

昔ながらの大衆居酒屋のたたずまいを濃厚に残しながらも、1本筋の通った骨太さを感じさせてくれる飲み屋が、新宿の「樽一」だ。
場所は、新宿・歌舞伎町。靖国通り沿いのドン・キホーテの角から「セントラルロード」をコマ劇場方面に進み、左側3軒目にあるビルの5階だ。

創業は1968年(昭和43年)。先代の店主が、宮城の銘酒「浦霞」と、「三陸の海の幸」と「鯨料理」、この3つを楽しめる店をということで開店したそうだ。
これが往年の飲兵衛たちの評判を集め、今や名居酒屋として若者から年配の客まで、幅広い客層に熱く支持されている。

暖簾をくぐって店に入ると、まずは4~6人用のテーブルが並べられたフロアがあり、その奥が小上がりと座敷になっている。総席数は100席とけっこう広く、宴会は40人まで対応する。
周囲の壁には、所狭しと短冊が貼られており、賑やかなことこの上ない。

年季が入ったいかにも老舗居酒屋らしい内装だが、店内は清潔で手入れが行き届いており、チープな印象はない。事実、大衆居酒屋としては値段も高めだが、これだけの種類の魚料理が食べられる店はちょっとない。肴のメニューは約300種だとか。

一番の名物で、尾の身から睾丸まで、あらゆる部位を食べることができる。
ほんの一例を挙げると、赤身造り(1,580円)、本皮(840円)、さえずり(840円)、ベーコン(1,050円)。鯨ステーキ(150g・3,150円)、本皮やわらか煮(840円)、さらし鯨(740円)、脳味噌揚げ出し(790円)、ハリハリ鍋(2,620円)、鯨寿司(2カン・840円)…など、実に多彩だ。
鯨料理だけではなく、魚料理をはじめとするほかの料理もすごい。旬のものなら、ほとんどの魚が食べられるし、大衆居酒屋で見かけるメニューが網羅されている感じだ。

日本酒は、まず看板である「浦霞」が全種類揃っている。純米酒(740円)、生貯蔵酒、荒走り(各840円)、純米吟醸の禅(1,050円・小グラス550円)…等々。
ここでしか飲めない名物「原酒金ラベル」(680円)は、おそらく本醸造の原酒だと思うが、味は悪くない。店の客の半分近くがこれを注文するというのも理解できる。
一番高い浦霞は、「エクストラ大吟醸」(1,680円・小グラス890円)。

「浦霞」以外にも、50種類ほどの地酒が揃っている。
菊水・本醸辛口(630円)、天覧山・純米(630円)、富久長・純米(730円)、久保田・千寿(740円)、清泉・純米酒(740円)、七田・純米無濾過(740円)、南部美人・純米吟醸(740円)、八海山・本醸造(740円)、龍力・純米(790円)、東力士・純米(840円)、越の寒梅・本醸造(840円)…ほか多数。

吟醸酒も数多く揃えられているが、千円を超えるものが多い。ただ、そうした高額品は小グラスでも飲注文できる。
3年物や5年物の古酒も5種類ほど揃っている。(630円~750円)

生ビールは420円より、 ウーロンハイは480円、各種サワー類は520円だ。
焼酎は、芋がくじら(630円)、吉兆宝山(650円)、麦が一粒の麦(520円)、松露黒麦(550円)、米が天草(630円)、黒糖が里の曙(630円)などで、いずれもボトルでも注文できる。

昔は池袋や新宿にも支店があったのだが、現在は新宿店だけになってしまった。
美味しい酒と魚を堪能したいなら、ここは理想的。誰もが心ゆくまで酔えるに違いない。

→樽一
http://www.taruichi.co.jp/

非日常的な空間を楽しむ店、「キリストンカフェ東京」 (08/9/1)

いつも居酒屋というのも芸がないが、かといって流行の店は敷居が高い…そんな若い人たちのニーズをつかんだテーマレストランを展開しているのが、(株)フードスコープだ。
その経営店のひとつである、「キリストンカフェ東京」に行って来た。

場所は、新宿東口の靖国通りを直進し、新宿5丁目の交差点手前の左側。ローソンのちょっと先にある「TOKYO DAIHANTEN(東京大飯店)」が入っているビルの8階だ。
実際のビルは靖国通りからちょっと入った場所に建っているため、入口から奥に入ってエレベーターを上がる。

店は広い。しかも、天井が高い。イメージは、中世ヨーロッパの教会だということだ。天井からは巨大なシャンデリアがいくつも下がり、一番奥には祭壇もある。両側の端の席はフロアから高くなっていて、パーティ用、VIP用といった感じだ。パーティーは120人まで大丈夫だという。

これだけ広いにも関わらず、週末ということもあって満席だった。テーブルの場所によって多少雰囲気が変わるので、希望の席を予約しておいた方がいい。この空間を存分に楽しみたければ中央のフロアに、ちょっと落ち着いた席が良ければ左側の少し高くなったテーブルに、ソファでゆったり過ごしたいなら、300円プラスしてVIP席に、といった具合だ。

これだけの内装でありながら、料金居酒屋価格なのが、この店のウリだ。
料理はミックスナッツ(550円)から国産牛バラ肉の赤ワイン煮(1,580円)まで色々あるが、ここではコースが断然お得。なんせコースは2,500円と3,000円、飲み放題つきコースも4,000円からあるのだ。(21時以降限定の二次会プラン3,000円もある。)ただし、料理のボリュームは全体的に軽め。

ドリンクは、ビールモルツ(580円)、焼酎「それから」が芋・麦それぞれ540円。カクテルは540円~820円、ワインがグラスで480円、ボトルで1,700円~5,000円だ。日本酒も一応あるが、さすがにこの店には合わないので、注文しなかった。

居酒屋として考えれば、ここの料理やお酒は平均的なレベル。この店で問題なのは、持ってくるまでの時間がやたら遅いことだ
これだけ広い店だから、スタッフの移動距離が半端じゃないことは分かる。だが、ファースト・ドリンクが揃うまでの間に、少なくとも2杯は空くほど待たされた。この待ち時間は、あまりに長すぎ。気の短い人は、せめて厨房近くの席を予約した方がいい。
ま、自分は常に2杯ずつオーダーしていたんで、何とか耐えられたけど。

これさえ我慢できれば、この空間はやはりちょっとした見もの。誕生祝いやパーティに使われるというのも、良く分かる。たまにはちょっと非日常的な空間で飲んでみたいなら、選択肢の1つとしてアリだと思う。

→ぐるなび/キリストンカフェ東京
http://r.gnavi.co.jp/g465406/

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