千の酒と、千の店

利き酒師、ワインエキスパート、フードアナリスト等、様々な資格を持つ酒好き会社員が、全て自腹で訪れた東京~埼玉の
数千軒の中から、美味しいお酒の店を選んでご紹介。約380店を最寄駅で検索できる「記事の索引」や、お酒コラムもあり!

2008年03月

下町のおいしいイタリア食堂「たまキャアノ」 (08/3/29)

前々回の「燗酒屋」は、ホッとできる和風家庭料理の店だったが、今回はホッとできるイタリア家庭料理の店を紹介する。門前仲町の「たまキャアノ」だ。
取材拒否の店のため、メディアにはあまり載らないが、グルメ評論家諸氏からも高い評価を得ている、隠れた名店だ。

場所は、門前仲町の交差点から首都高の高架下をくぐり、2つ目の信号を過ぎたら右手の路地を入って、100mほど行った左側だ。門前仲町の交差点からは500mくらいあり、町名だと深川になる。

自宅を改造したと思える小さな店で、中はカギ型のカウンター9席のみだ。
予約席のテーブルクロスの上には、手書きのメッセージが書かれた紙が置かれている。
店のマダムであるたまさんのお宅にお呼ばれされたような、アットホームな雰囲気だ。

料理はアラカルトのみで、コースはない。一応基本となるメニューはあるものの、多くの料理やワインは時期によって入れ替わる。その日の料理はカウンター内の黒板に書かれており、ワインは実際のボトルが簡単な紹介文と値段付きでカウンター上に置かれている。

料理はイタリア風家庭料理といった感じだ。前菜、サラダ、パスタ、メインと20~30種類くらいのメニューがあり、一皿の価格は1,000円前後が中心。美味しさを思えば、コストパフォーマンスは相当に高い
ナイフとフォークのほか、お箸も置いてあり、気取らずにイタリアンを食べられる。

ワインも、1本2千円程度から4千円台くらいまでと、手軽で美味しいものが揃えてある。自分が飲んだのは、春らしい「Green Point Vintage Brut Rose」と「Chianti Classico Riserva」の2本。
ビールは、ヱビスのほか、バスペールエール(イギリス)、バドバー(チェコ)、クラーク(ベルギー)、コロナ(メキシコ)など、各種の外国ビールがある。日本酒も、久保田・千寿や熊本のソワニエなど、選ばれた銘柄だ。

店のスタッフは、たまさんとアシスタントの若い女性の2人。たまさんは、イタリアへ料理留学した後、この店をオープンした。気の置けない人柄を慕って通ってくる常連客も多い。
お客で目に付くのは、女性1~2人客やカップルで、男性同士というのはほとんど見かけない。
女性1人でも、たまさんとの会話がはずみ、隣り合わせた別の客と打ち解けてしまうこともよくあるようだ。

からちょっと距離はあるが、近辺に職場か家があれば、行きつけにしたいと思う女性は多いはず。
小さな店なので、ぜひ少人数で、できるだけ予約をしてから来店した方がいいだろう。

→食べログ/たまキャアノ
http://r.tabelog.com/tokyo/rstdtl/13018034/

辛いカレーが食べたい時は、新橋「The KARI」か「Nagafuchi」へ (08/3/27)

今日は久しぶりにカレー屋さんを2軒まとめてご紹介。どちらも新橋のはずれにある店だが、辛いのが苦手な人には何の価値もない情報である。いずれの店も、かなり手強い辛さのカレーを出すからだ。

まずは、御成門寄りにある「The KARI」。
場所は、新橋駅の烏森口からニュー新橋ビルの角「新橋3丁目」の信号を左に曲がり、300m少々歩いた左側。

平日の午前11時半から午後2時半まで3時間しか営業していないという、珍しい店である。
店は小さいが、洒落たレストランのような雰囲気。カウンター中心だが、テーブル席もいくつかある。

カレーは4種類のみで、ビーフカレー(890円・大盛1,050円)、チキンカレー(780円・大盛940円)、エビと森のきのこカレー(890円・大盛1,050円)、なすとひき肉のカレー(780円・大盛940円)。チキンよりビーフの方が辛い。
「なすとひき肉」は夏季メニューで、冬はチャナ豆のカレーに替わるようだ。また、月・水・金に限り、「ロールキャベツ」がこれに加わる。

ここはライスが軽めなので、男性は大盛でちょうどいいはず。ただし、大盛りの量はかなりアバウトで、その時によって結構幅があるようだ。付け合せとして、ポテト炒めかキャベツの酢漬けのどちらかを選べる。

カレーはスープ系でスパイシー。かなり辛いが、上品に仕上げられている。
カウンターには、ピッキーヌとカイエンペッパーが置いてあり、より辛くすることも可能だ。

もう1軒は、西新橋の「Nagafuchi」。
同じく烏森口からまっすぐ愛宕方面に進み、日比谷通りを左折、2つ目の信号(新橋4丁目)を右折して約100m歩いた左側だ。新橋駅からだと700mくらいあるだろう。

店は、カフェ風で、9席のカウンターと、4人用テーブル5卓、2人用テーブルが1卓ある。

こちらもスパイシーなスープカレーで、ごはんも玄米と、かなりヘルシー志向。メニューは店のWEBで確認できるが、こちらはそれなりに種類がある。
辛さはマイルド、普通、辛口、激辛の4段階から選べるが、「普通」でもかなり辛いので、心して注文したい。ランチには千切りキャベツとゆで卵が付く。また、10回行くとオリジナルカレーが1皿無料になるポイントカードもある。

店名の「nagafuchi」は、初代オーナーだった永渕恵一郎さんの名。エリートサラリーマンから脱サラしてカレーの研究に没頭し、築地に「nagafuchi」を開店するや、たちまちカレー通の心を捉えた。彼は、自分のカレーを薬膳カレーだと言っていたそうだ。場所を西新橋に移した後、病に倒れて急逝されたそうだが、現在も奥様と2代目店長の星野さんが店を守っている。

どちらのカレーもスープタイプで、かなりの辛さ。自分は「普通」の辛さでオーダーしたが、いずれの店でも大汗をかきながら食べた。
だが、共に20種類以上のスパイスをブレンドしてあり、辛さの中に深味がある。テイクアウトが可能な点や、意外と女性に人気があるのも共通。
辛いの大好きという人は、ぜひ一度お試しあれ。

→東京グルメ/The KARI
http://tokyo.gourmet.livedoor.com/restaurant/info/16573.html

→カレー屋Nagafuchi
http://www.curry-nagafuchi.com/

ホッとできる小さな店、阿佐ヶ谷「燗酒屋」 (08/3/24)

阿佐ヶ谷は、大きな居酒屋こそ少ないが、美味しい日本酒を厳選して揃えた小さな居酒屋や小料理屋の充実度には感心させられる。自宅からも職場からも距離があるのが恨めしいほどだ。
数あるそんな店の中から、まずは「燗酒屋」をご紹介したい。

場所は、阿佐ヶ谷駅北口に出て、正面にある「パサージュ」手前の路地を左に入って200mほど進むと、左手の角にある。縄のれんのかかった間口一間ほどの小さな店だ。
店内は、L字のカウンターに8席ほどの小料理屋風。奥に小上がりがひとつあるが、女将1人で切り盛りしていることもあり、もっぱらカウンターが利用されている。

開店は、2005年12月末。まだ2年少々しか経っていな店だが、既に地元に根付いた落ち着きを感じさせる。
女将の典子さんは、いつも和服に割烹着姿だ。元々は神楽坂で修行を積んだらしい。控え目ながら、必要なことはしっかり伝えてくれて、細やかな心遣いを見せてくれる、その距離感が心地いい。
女性客でも違和感なくなじめてしまうのが、なんとなく納得できる。

ここは、お酒の価格が明朗なのが、飲兵衛にはありがたい。
本醸造(小)が550円、純米(小)が620円、吟醸・純米吟醸(小)が750円の均一価格なのだ。それぞれ、種類や飲み方(冷や、お燗など)を伝えると、3~4種類の瓶を出してくれるので、そこから好みの銘柄を選べばいい。(小)の量は7勺ほどで、(大)だとその倍になる。
季節に合わせた呑み比べセットも用意され、今だと「春の新酒呑み比べセット」(3銘柄・900円)がある。

銘柄は日によって替わるが、店名の通りお燗に向いた銘柄を中心に、美味しいものばかり揃えられている。
先週あった銘柄は、初孫根知男山月の輪・呑平、大七天穏…など10種類ほどだろうか。
銘柄は時期によって入れ替わるが、竹鶴、鶴の友、白鷹 米鶴、浪の音、黒龍、鳳凰美田、奥の松、村祐、豊盃、谷川岳、墨廼江、幻の瀧…など、いずれ劣らぬ銘酒の中からセレクトされる。

焼酎は、芋が「一刻者」、麦が「八重丸」(各580円)、ビールはスーパードライ(500円)、ヱビス(600円)、ギネス小瓶(600円)。
種類は少なくても、なるべく手頃で美味しいものを、という気持ちが感じられる。

料理は、季節のお刺身や天ぷら、煮物、焼物、揚物、おひたし、珍味、冬は小鍋…と、幅広い。価格は、各480円~880円でほぼ納まる。
酒の肴に合うものが多いし、天ぷらを塩でも食べられたりと、食事でもなかなか楽しめるので、独り者などにはたまらないかもしれない。
ついつい立ち寄りたくなる、ホッと一息つける店というのは、こういう店だろう。

この店はホームページが無いし、電話番号も非公開。
女将1人で切り盛りしているため、営業時間中の電話になかなか出られないからのようだ。電話番号は店に行けば教えてもらえる。
営業時間は、17時~23時(22時半ラストオーダー)で、日曜・祝日がお休み。

黒革を着たバーボン、ジャックダニエル・モノグラム  (08/3/21)

ジャックダニエルは、現在世界最も売れているウィスキーだ(年間約890万ケース/2006年)。分類としてはバーボン・ウィスキーに入るが、「バーボンではなく、テネシー・ウィスキー」だと主張しているのは、有名な話。

バーボンというのは、原料にトウモロコシを半分以上使用して、(ただし、8割以上になると「コーン・ウィスキー」と呼ばれる。)連続蒸留器で造られたアメリカ産ウィスキーだ。熟成には、内側を焼き焦がしたホワイトオークの新樽が使われることが多く、独特の芳香がつく。
生産の中心地がケンタッキー州バーボン郡だったことから、「バーボン・ウィスキー」という呼称が生まれた。

ジャックダニエルの醸造所は、ケンタッキー州ではなく、その南隣のテネシー州にある。1866年にアメリカで初めて政府登録された蒸溜所だが、当時の責任者ジャスパー・ニュートン・ダニエル氏は、若干16歳だったと伝えられている。
1904年にセント・ルイスで開催された世界博覧会で唯一金賞を獲得し、一躍その名を知らしめた。

他の州で造られても、製法が規定通りなら「バーボン」に分類されるのだが、テネシーでは「バーボンより上」というプライドを込めて「テネシー・ウィスキー」と称しているのだ。
テネシー州には、ジャックダニエル蒸留所以外にジョージディッケル蒸留所もあるが、現在こちらは操業休止中のため、事実上、ジャックダニエルが唯一の「テネシー・ウィスキー」となっている。

製法はバーボンとほとんど同じだが、蒸留直後に原酒をサトウカエデの炭(チャコールフィルター)で濾過してから熟成させている点が最大の特徴。それだけとは言え、ジャックダニエルでは1滴ずつ10日間もの時間をかけて濾過している。これによって、アルコールに含まれる雑味を取り除き、マイルドな味わいを実現しているのだ。

バーボンの中にも、ジョニー・ドラムのようにヒッコリー(北アメリカ原産のクルミ科の樹木)の炭などで濾過しているものはあるが、蒸留直後に、テネシー州産サトウカエデの炭で行うところが、テネシー・ウィスキーたる所以だ。
サトウカエデは、樹液から砂糖(メープルシュガー)が取れるカエデ科の樹木。そのためか、ジャックダニエルにも甘い風味がある。

ジャックダニエル本社のあるムーア郡は、いわゆるドライ・カウンティで、禁酒法以来、お酒の販売が禁止されている郡の一つ。ケンタッキー州もおよそ3分の2がドライ・カウンティと言われており、世界に冠たるウィスキーの産地で酒が飲めない、という皮肉な状況になっている。

自分もジャック・ダニエルは昔からお気に入りの銘柄で、今でもたまに飲んでいる。
2年前、六本木のBARで初めて飲んだのが、ジャックダニエルの上級バージョンであるモノグラムだ。黒革を着たボトルは、高級感があっていかにもカッコいい。
ボトルのデザインは、「ジャック・ダニエル・シルバー・セレクト」もデザインしている、サンフランシスコ在住のマイケル・オズボーン氏。

アルコール度は47度。通常のジャックダニエルが2004年以降、それまでの43度から40度に軟化したのに対し、こちらはあくまで硬派路線。ジャック・ダニエルやジェントルマンジャックに比べ、香りも味わいもより深味があり、上品に仕上がっている。

モノグラムは、本来アメリカ本国とシンガポール向けに限定発売されたものだが、ネットでは5,500円くらいで入手できる。

→JACK DANIEL'S
http://www2.jackdaniels.com/home.asp

下町で愛され103年。神田「みますや」 (08/3/17)

日本テレビの開局55周年記念ドラマとして、「東京大空襲が今日と明日の晩、オンエアされるようだ。
1945年の3月~5月にかけての米軍の空襲により、東京市街はその半分が焼失したと言われているのだが、その中を生き延びた老舗居酒屋が、今も毎夜満席の賑わいを見せている。神田の「みますや」だ。

明治38年創業、今年5月で103周年を迎える老舗居酒屋である。店舗は昭和3年に建てられたものを現在もそのまま使っており、築80年は東京の居酒屋として最古の店舗と言われている。この昔懐かしい店内は、みますやの大きな魅力の1つになっている。

場所は、神田淡路町。靖国通りの淡路町交差点から外堀通りを南下し、最初の信号を右折、1つ目の角を左に入ると、すぐ右手にある。

木の引戸は、右側が締切で、左側が入口。縄のれんをくぐって店に入ると、中の熱気に圧倒されてしまいそうだ。店内は、右手に小上がり(50cmも高いので、「中上がり」?)があり、6人程が座れる座卓が3つ。左手には同じく6人用のテーブル席が2卓。壁の上部には、料理の書かれた黒い札がびっしりと掲げられている。

正面にドリンクのサーバや冷蔵庫、奥に厨房があり、その左側にも区切られた小上がりスペースが奥まで続いている。
総席数は120席と広いのだが、運が良くないと、予約無しではまず入れない。
なぜこれほど人気があるのかと言えば、風情のあるたたずまいに加え、安くて旨いというシンプルな理由だ。

日本酒のメインとなっている白鷹は、燗酒で1合400円、冷やのクール白鷹でも2合で900円だ。燗酒には谺(こだま)もあって、そちらはなんと300円。
2合徳利には、「みますや」という千社札風のデザインが施されており、これがまたいい味わいなのだ。

ほかの地酒は、ほぼ全てが1合750円という価格。
銘柄は、呉春、磯自慢、飛露喜、神亀、南部美人、七田、根知男山、獺祭、泉十段、まんさくの花、太平海、八海山、飛良泉、東北泉、醸し人九平次、田酒、喜久泉、翠露、酒一筋、出羽桜、越乃寒梅、黒牛
刈穂・山廃原酒のみ1,000円なのだが、先週は磯自慢がいつもよりグレードの高い品しかなく、これも1,000円だった
繁枡桃の滴など、四合瓶で注文できるものもある(各3,000円)。

焼酎も11種類あり、こちらもほとんど750円で、魔王のみ1,000円。
ビールはキリンラガー、一番搾り、スーパードライ、ヱビスが600円、ギネスが500円だ。

料理は、魚や野菜の煮物を中心に70種類前後と豊富にある。
名物は、牛煮込みと、どぜう丸煮(各600円)、それにさくら刺(2,000円)だ。
ほかにも、冷奴(300円)、冷しトマト(350円)、肉じゃが(400円)、らっきょうのワイン漬(600円)、にしん棒煮(500円)、焼鳥(500円)…等々、酒の肴に欲しいものがほぼ網羅されている。
古典的な肴が多いが、500円以内のメニューの多さは嬉しい。
鍋物や刺し盛といった大物メニューを除くと、最も高い「ふぐのビール揚げ」で800円だ。お通しは無料。

店主の岡田勝孝さんは3代目になるが、客の方にも3代通っている古参がいるというから凄い。
欠点は、予約をしないとなかなか入れない点と、3人以上でないと予約自体もできない点。
いかにも昔の居酒屋といった風情が嫌いでなければ、通いたくなること必至の店だ。
セルフサービスに近い形で、ランチも営業している。

→livedoor東京グルメ/みますや
http://tokyo.gourmet.livedoor.com/restaurant/info/12926.html

立ち食い離れした味!銀座「十割そば・郷」 (08/3/14)

※「十割そば・郷」は、2010年2月で閉店してしまいました…。

今日は居酒屋ではなく、1年ぶりに立ち食いそば屋をご紹介したい。もちろん、今回もただの立ち食いそばではない。立ち食いでありながら十割そばを提供している、銀座「十割そば・郷」だ。

場所は、銀座松坂屋の先の6丁目交差点を昭和通り方面に入り、銀座東武ホテルの角を右に曲がってすぐ左側。
見た目は普通の立ち食いそば屋と大差ないが、入って右側のカウンターに少しだけスツールがあるのと、立ち食いにしては値段が高いところが違う。

元来、そば粉は粘り気がないため、めんに加工するのが難しい。そのため、通常はそば粉に小麦粉などのつなぎを混ぜてめんに加工している。
小麦粉は、水を加えるとグルチンという粘り気のあるあるたんぱく質を作り出すので、めんに加工しやすくなるのだ。コスト的にも割安になる。

そば粉とつなぎとの比率によって、そば粉8:小麦粉2なら「二八そば」、そば粉10:小麦粉1なら「外一そば」などと呼んだりする。
多くの立ち食いそば屋は、そば粉の割合が2~4割しかないとも言われ、「そば粉入りうどん」に近いのが現状だ。

それに対し、つなぎを一切使わず、蕎麦粉とお湯のみで打ったものが十割そばだ。そば打ち用語では、「生蕎麦(きそば)」とか「生粉打ち(きこうち)」と言われる。
下手な十割そばだとボソボソの切れやすいめんになってしまうが、高品質のそば粉を使い、うまく水を吸収させる技術があれば、小麦粉をしのぐ粘り気を出すことが可能なのだ。

この店では、その日の天気に合わせて水加減を調節しているという。
客の注文を受けてから、その都度そばを製麺機で切り出し、そのまま釜の中に落とす。(この時プシュ~ッという音がする。)めんが細いので、茹で上がりまで数秒しかかからない。

そばは喉ごしが良く、立ち食いらしからぬ美味しさだ。つゆとのバランスも良い。
そばの香りはそれほど感じないが、それはそばの実の外側部分より中心部分を多く使った更科系のそばだからだろう。香りより舌触りや味、打ちやすさを優先した結果だと思う。

温いそばは、かけ(420円)、きつねそば(530円)、カレーそば(590円)、かき揚げそば(650円)、えび天そば(650円)、とろろそば(700円)…など12種類。

冷たいそばは、もり(420円)、ざる(490円)、おろしそば(530円)、ネギせいろ(530円)、冷しきつね(550円)、梅わかめそば(680円)、スタミナそば(780円)…など11種類がある。玉子は50円。
どちらかと言えば、冷たいそばの方が味の差を分かりやすい。

丼物とのセットも7種類あって、630円~700円。ほかに、からし高菜ライス(200円)やおにぎり(130円)も各種ある。

下手な蕎麦屋に入るなら、ここの蕎麦の方が、安くて美味い。
ご主人はメッシュの茶髪で、手首にタトゥと少々強面だが、愛想は滅法いい。
昼時はかなり混み合うので、できれば少し時間をずらして訪ねたい。

→livedoor 東京グルメ/十割そば・郷
http://tokyo.gourmet.livedoor.com/restaurant/info/15068.html

アットホームな隠れ家居酒屋、四谷「酒膳」 (07/3/12)

まず、店の入口にちょっと驚いた。何も書かれていない金属の扉だけなのだ。ノブに札が掛かってなければ、休みと思ってしまいそうだ。
場所は四谷のビルの2階。ノックして「おじゃましま~す!」とドアを開けると、本物の入口が現れて店内に入る。後で知ったのだが、どうやら店の裏側の入口だったらしい。
「あの~、靴のままでいいんですか?」と、思わず聞いてしまった。中も一見マンションの部屋のようなアットホーム雰囲気だったからだ。

店は「酒膳」。
場所は、四谷駅の四谷口を出て、新宿通りを新宿方面に100mほど行った右側2階だ。裏口は、新宿通りに並行したしんみち通り側にある。

店内は、左右にテーブルが5~6卓配置された細長いフロアと、座敷スペースの2つに分かれている。
フロアは、黒塗りのテーブルと椅子で、ちょっと焼肉屋を連想させるような席だ。突き当たりに戸棚があり、そこにお酒が保管されているらしい。
座敷には、大正時代風のレトロなポスターが飾られており、10名用と8名用の2間が続いている。

エプロン姿のスタッフは、料理を担当する男性も、サービスを担当する女性も、しっかりしていて感じがいい。

日本酒は、男山、飛良泉、司牡丹、まんさくの花あたりが500円。ほかに、一の蔵、浦霞、尾瀬の雪どけ、銀盤、黒帯、澤乃井、越の景虎…など約10種類。銘柄は常に入れ替わるらしく、1杯の量は1合弱だ。

焼酎は日本酒より豊富で、黒霧島、黒伊佐錦、天孫隣臨、さつま白波・黒麹仕込み、さつま小鶴・くろ、鉄幹あたりが525円。海童、龍雲、一刻者、黒丸、種子島・紫、古薩摩のかめ仕込み、千夜の夢、焼芋焼酎・鬼火、千秀、百秀が630円。山ねこ、富の宝山、くじら、三岳が735円 。さつま白波・明治の正中が840円、魔王が1,575円だ。

焼酎以外にも、米・麦・黒糖・そば・しそ・牛乳・宇治玉露茶・泡盛…などが豊富に揃えられている。
なお、生ビールは420円、ベーシックなカクテルが525円、フルーツ系カクテルが630円だ。

料理地鶏が自慢で、地鶏大串バーベキュー(525円)や、ささみチーズ焼(1本262円)など、様々な料理で食べられる。
また、台湾風・タイ風のメニューも多く、ゴマ団子(472円)、ムーサテ(タイ式やきとり)(3本600円)、海老のトマトソース炒め(840円)など、こちらも色々ある。
ほかにも、各種グラタン(630円~714円)や、刺身などの魚料理、串焼き、串揚げ、サラダ…など、一歩間違うと支離滅裂と思えるほど、料理は多彩だ。価格は、630円が多い。

個室は、8人~18人までの対応となり、4名以上のグループだと焼酎のボトルが1本もらえる。
落ち着いた隠れ家風の割に、そこそこの広さがあるので、少人数の宴会にはちょうど良さそう。
プロジェクターが完備されているので、仲間とスポーツ観戦を楽しみながら飲むこともできる。(要予約

なお、「酒膳」の本店は渋谷の東急本店近くにあり、世田谷の松蔭神社前と三軒茶屋にも支店がある。

→スタイリッシュ和空間 渋谷酒膳
http://www.shuzen.jp/

スタイリッシュなおでん&串焼きダイニング、銀座「五楓」 (08/3/10)

意外かもしれないが、銀座界隈には昔からおでんを売りにした店が多い。ただ、普通のおでん屋とはかけ離れた高級おでん割烹おでんダイニングが多いのも、このエリアの特徴だ。

高級とまでは行かなくても、並のおでん屋では食べられない味を、オシャレなダイニングで楽しむのもたまには面白い。
ユニマットキャラバン(株)が展開する銀座「五楓」は、広くてオシャレな店内で、おでんや串焼き、焼酎などが楽しめるダイニングバーだ。

場所は、銀座・数寄屋橋から「モザイク銀座阪急」と「泰明小学校」の間の道を抜けて、交差点を過ぎたすぐ左側。

店は入口から既にオシャレな雰囲気。中は地下1階から中2階まで3層になっており、フロアごとに違った雰囲気を持っている。

1階はコの字型のカウンターを中心に、その左右にテーブル席が配置されている。白木のテーブルに、黒い椅子。暗めの店内は間接照明が効果的に使われ、いかにもダイニングバーらしい雰囲気を持っている。中2階まで吹き抜けになっているので、実際以上に広く感じられるのもいい。壁面やカウンターの内側には、焼酎の瓶やグラスがびっしりと並べられているが、それもインテリアの一部に思える。

中2階は靴を脱いで上がるロフト風の座敷で、6人用と10人用の2タイプがある。吹き抜けから1階が見下ろせる仕組みだ。窓から通りも見えて、宴会にはもってこいのスペースだろう。

地下への階段を降りると、そこがメインダイニング。厨房に面した8席のカウンターがあり、その奥にテーブル20席、一番奥が3人用・5人用・12人用の個室になっている。
総数100席と余裕のあるキャパだが、金曜の夜はほぼ満席になるようだ。

お酒のメインは焼酎で、ここの特長は事前に水で割ってからなじませた割り水焼酎が7種類揃えてあること。
7種の銘柄は、芋焼酎の「山ねこ」「松露うすにごり」「心水」、麦焼酎「山猿」、黒糖焼酎「長雲」、泡盛春雨ゴールド」で、価格は690円~。
普通の焼酎は700円前後を中心に、「南薩摩・本垂(660円)」 から、07年5月1日に紹介した黒糖焼酎「「南の島の貴婦人(1,280円/45ml)」まで、100種類が揃っている。

日本酒はいずれも1合で、本醸造が「千代の光(1,240円)」、特別本醸造が「弐乃越州(1,340円)」、純米酒が「澤屋まつもと(1,240円)」「奥播磨(1,340円)」「越乃寒梅・無垢(1,540円)」、純米吟醸が「麹屋(1,340円)」「独楽蔵・玄(1,540円)」、大吟醸が「黒龍(1,960円)」と、銀座価格
ここでは焼酎の方が良さそうだ。ワインはグラス670円、ボトル3,000円からある。

料理はおでん炭火焼陶串焼きが売り。地下のカウンターには、おでんの窯がある。味つけは京風で、上品かつ本格的。京野菜を使ったおでんは目にも楽しい。さつま揚げや厚揚げ等が210円、おぼろ大根や磯はんぺん等が320円、牛舌とろとろ煮やぷりぷり海老天等が420円。

陶串焼きも同様の価格設定で、揚げなすやじゃがバター等が210円、トマトベーコンや焼き芋クリームチーズ等が320円、帆立の辛みそ焼きやもち豚泡盛焼き等が420円だ。
有機野菜や豆腐を使ったおばんざいも充実しており、ヘルシーっぽいのも今風だ。こちらの価格帯は630円~800円代くらいが多い。

フロアによって表情が違うので、用途によってデートから宴会まで、様々な使い方ができそうだ。
個室は最大16名まで、宴会は30人まで対応している。

なお、渋谷橋交差点には、「五楓」恵比寿店もある。

→五楓
http://unimat-caravan.com/cr/gofu/index.html

大注目の日系レゲエ・アーティスト「Rickie-G」 (08/3/7)

最近はレゲエの人気も広まってきたが、風土に落差のある日本では、まだまだ馴染みが薄い。
70年代にはボブ・マーリィという超カリスマがいたため、日本でもそれなりに聴かれていたようだが、現在にいたるまでメジャーなジャンルになり切れていない状況だ。

それでも、徐々に実力のあるレゲエ・アーティストが現れ始め、湘南乃風や、半年前に解散したDef Techなど、一部のファンに留まらない人気を博す日系アーティストの曲も、しばしば耳にするようになった。

そんな中、レゲエにさほど興味のない人にも自信を持っておすすめしたいアーティストが、Rickie-G(リッキー・ジー)だ。

Rickie-Gは、昨年avex/riddim zoneよりメジャーデビューした、神奈川出身の日本人レゲエシンガー。
10代半ばからカフェやストリートで弾き語りを始め、05年頃から本格的に音楽活動を開始。さまざまなレゲエ、R&B、HIP HOPアーティストのレコーディングに参加してきた。

06年からは自身の作品制作に取り組み始め、11月にインディーからミニ・アルバム「Life is wonderful」をリリース。(現在はavex/riddim zoneより発売)
昨年7月11日に、シングル「逃飛行」でメジャーデビューを果たした。

続く2ndシングル「ラブソウル」を昨年10月30日に発売すると、2ヶ月も経たないうちに人気モバイルサイト・レゲエZIONで年間1位を獲得。
勢いに乗って、先月27日ついにアルバム「am08:59」を発売するや、たちまち音楽界の話題をさらっているという現状だ。

曲のベースはレゲエなのだが、そこにR&Bのテイストがミックスされ、コテコテのレゲエは苦手という自分のようなタイプにも抵抗なく聴ける。1度聴いたら耳に残るナチュラルで伸びやかなボーカル。レゲエ特有のトロピカルなリズム。
今、自分のiPodで一番よく聴いているのがこのアルバムだ。

レゲエを聴いていると、やはりラムかトロピカル・カクテルが飲みたくなってくる。昔流行ったトム・クルーズの映画『カクテル』のワンシーンをイメージする人も多いに違いない。

もし、Rickie-Gを生で聴きたければ、明日・明後日にライブも予定されている。8日は芝浦Studio Cube 326の「The Beginning 2008」に、9日は渋谷DUO Music Exchangeで催される「duo Night Vol.4」に登場する予定だ。

これから気温が高くなってくるに連れ、Rickie-Gの人気もじわじわと高まってきそうな予感がする。

→Rickie-Gオフィシャルサイト
http://www.rickie-g.com/

100種類のビールが飲める「ドランクベアーズ」ペディ汐留店 (08/3/5)

最近は、ビアバーも随分増えてきて、ちょっとした繁華街なら大抵1軒や2軒はあるものだ。
昔はブラッセルズくらいしか思い浮かばなかったものだが、今や百花繚乱の様相。
今日はそんな中から、世界のビール100種類を揃えた「ドランクベアーズをご紹介しよう。

場所は、新橋駅烏森口から汐留方面に直進し、ゆりかもめ汐留駅の前にある東京汐留ビルディング2階。
汐留ビルは、ソフトバンク本社や、ヒルトングループの最高級ホテルコンラッド東京が入っている37階建てのビルだが、2階と地下が「Pedi汐留」というショッピング街になっている。
汐留駅からだと、デッキを通じてそのまま2階に入り、一番駅寄りにある店が「ドランクベアーズ」だ。

店は意外と小さく、カジュアルな雰囲気だ。入って右側に3~4人掛けのカウンターがあり、フロアには樽を土台にした高めのテーブルが4卓と、普通の2人掛けテーブルが10卓ほどある。英国のパブ風の内装で、壁にはビールのラベルや、ブランド名の入ったグッズなどがあちこちに貼られている。
店のスタッフは若い男女4~5人だが、お酒の知識はカウンター内の男性が豊富だ。

ここは生ビールも4種類あり、いずれも2サイズから選べる。銘柄は、ギネス(1pint=950円・1/2pint=550円)、ハイネケン(同800円・450円)、アサヒスーパードライ(同690円・390円)、ヒューガルデンホワイト(KING size=1450円・ 1/2pint=750円)。
1pintは57lmlなので(英国の場合)、中瓶より少し多いくらいの量だ。
ビールサーバもそれぞれ個性的なデザインで面白い。

瓶ビールは専用のメニューに100種類が解説付きで掲載されている。すべて小瓶(330ml)で、価格は大体700円~950円。ベルギービールなど一部に1,000円以上のものもある。これだけの種類を揃えていると、在庫管理の面からもなかなか安くはできないのだろう。
今日現在で、ロシア、ギリシャ、ベルギー、タイのビールが各1種ずつ入荷中止になっているので、正確には96種類になる。

日本のビールも4種類含まれている。スーパードライ(700円)、一番搾り(700円)、ハートランド(750円)、明治維新(950円)。サッポロやサントリーは無い。
明治維新は日本ビール(株)のプライベートビールで、維新に活躍した12人の傑物が1人ずつラベルにデザインされた、計12種類がある。その12人とは、近藤勇、土方歳三、勝海舟、坂本龍馬、吉田松陰、高杉晋作、伊藤博文、西郷隆盛、大久保利通、大隈重信、板垣退助、福沢諭吉。
さすがに全部は揃っていないので、在庫の中から好みのラベルを選ぶことになる。

料理メニューはそれほど多くないものの、キノコのマリネ(480円)やイベリコ豚のチョリソー(580円)といった軽いおつまみから、明太子マヨネーズと青ネギのピッツア(780円)やペンネアラビアータ(850円)といった食事まで、一通り揃っている。おつまみセット(1,000円)もあり。
昼はランチもやっていて、カレー(880円)やハンバーグ(980円)などが食べられる。

気軽なパブの雰囲気なので、外人客も多い。店が狭いため煙草が苦手な人にはちょっとキツイかもしれないが、ビール好きなら1度訪ねたい店だろう。何と言っても、チェコ、インド、韓国、タヒチ、ペルー…など、普段なじみのない国のビールや、個性的なビールも揃っているので、メニューを見ているだけでも楽しめる。気に入ったら、ボトルを持ち帰ってもいい。

なお「ドランクベアーズ」は、大手町ビル、赤坂見附のプルデンシャルタワー、そして大阪のNU茶屋町にもあるが、メニューは店によって多少異なるようだ。

→ドランクベアーズ
http://www.dreamcorp.co.jp/db/index.html

お気に入りの店、筆頭。新橋「うさぎ」 (08/3/3)

このブログを始めて1年が過ぎた。
この1年で、100軒を優に超える店を紹介してきたことは、我ながら感慨深い。
最初に紹介した居酒屋「しんばし光寿」の記事で、「今のところここに匹敵する店は発見できていない」と書いた。
1年経ったところで報告するが、匹敵する店は烏森側にあった。
今日はひな祭りでもあり、耳の日でもあるが、そんな日にご紹介するのにふさわしい店、新橋「うさぎ」だ。

場所は、新橋駅烏森口から「かねまん薬局」の手前にある路地に入り、二つ目の角を右折、「TSUTAYA」の手前を左に曲がった次の角。右側にあるビルの2階だ。

路地裏の小さな雑居ビルなので、ちょっと怪しげにも見えるが、心配は無用だ。
狭い階段を昇り、右側のドアを開けると、カウンター主体ながら、落ち着いた和風の空間が現れる。
カウンターは7席。奥の方に4人用、2人用のテーブル席もある。よく見ると、あちこちにさりげなくウサギの意匠が飾られていたりもする。

店を切り盛りする栃木理恵さんは、店名のウサギをイメージさせる、可愛い女性。ところが、お酒のこととなると、その熱心さは並ではない。西に評判の銘酒があると聞けば味を確かめに出かけ、東に素晴らしい居酒屋があると聞けば休みを返上して呑みに行く。もちろん知識も豊富なので、お酒の好みを伝えれば、合いそうなお酒をすぐに何本かピックアップしてくれるのだ。
元は新橋で飲み歩いていたOLだったそうだが、お酒好きが高じて、2005年11月3日にこの店をオープンした。たまに「エドガワアドリブギルド」というアマチュア劇団で、舞台に立つこともあるとか…。

カウンターの向かいには、日本酒と焼酎の瓶がずらりと並べられている。日本酒だと、豊盃・ん(650円)、マルト・生もと純米(700円)開運・祝酒(700円)、大七・生もとクラシック(850円)、 銀盤50(750円)、出羽桜・枯山水(850円)、鳴門鯛・純米霧造り(650円) 、獺祭・発泡にごり酒(850円)、村祐・純米大吟醸無濾過生原酒(900円)…など、約30種。焼酎は500~600円くらいで約100種もある。
とりあえず定番のメニューはあるものの、入れ替わるものも多く、最新の品揃えはWEBで確認できる。

生ビールは、キリンブラウマイスター(550円)、瓶ビールは ハートランドサッポロの黒ラベルと赤星、キリンラガーが各530円。
季節に合わせて、日本酒のフェアや地ビールのフェアなども企画されることもあり、それらもWEBに掲載されている。

料理は凝ったものこそ少ないが、お酒に合う肴が多く、飲兵衛なら十分満足できる。お通しを3品の中から2品選べるというのも、些細だが嬉しい心遣いだ。

店が混んでくると、どうしても手が回らなくなり、料理が出てくるまでに時間がかかったりすることもあるが、そのくらいは大目に見てあげてほしい。

新橋の酒好きの間では隠れた人気を誇るこの店、最近は平日でも満席でなかなか入れない。
自分もとても気に入っている店で、間違いなく新橋で最も多く足を運んでいる。
美味しいお酒を堪能したい人は、少人数で、出来る限り予約して訪れてほしい。

→うさぎ
http://www.bar-usagi.com/index.html
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