千の酒と、千の店

利き酒師、ワインエキスパート、フードアナリスト等、様々な資格を持つ酒好き会社員が、全て自腹で訪れた東京~埼玉の
数千軒の中から、美味しいお酒の店を選んでご紹介。約380店を最寄駅で検索できる「記事の索引」や、お酒コラムもあり!

2008年01月

見つけたら即、呑むべし!安くて旨い「風の森」 (08/1/30)

日本に美酒は数あれど、美味しければ美味しいほど値段も高いのが普通だ。
しかし、探せば安くて旨い酒が無いわけではない。例えば「風の森」のコストパフォーマンスの高さは、かなりのものだ。

造っているのは、奈良の油長酒造(株)。
全国でも有数の、こだわりを持って酒造りをしている蔵のひとつだ。

創業は享保4年(1719年)。290年近くにわたって、地下百メートルの深井戸から汲み上げた湧水を仕込み水として使い続けている。
2001年以降は純米酒だけしか造らず、それも吟醸と大吟醸が中心。酵母は7号酵母しか使わない。

酒米は、最高の酒米として知られる山田錦や雄町を使ったものもあるが、奈良県産の食用米であるアキツホやキヌヒカリを主力としている。お酒を醸すのに適した米と、食用に適したお米とはタイプが違うため、食用米で美味しいお酒を醸すのは難しいのだが、この蔵ではあくまで地元の米と水で造ることにこだわっているのだ。

更に凄いのが、全て無濾過生原酒で出荷されていること。こんな蔵はほかに聞いたことがない。
日本酒は、濁りなく仕上げるために濾過するのが普通だが、その際にお酒が本来持っている旨味も多少失ってしまう。
また、なるべく長期間品質を保持するため、一般的な日本酒は加熱殺菌してから出荷される。加熱していない「生酒」だと、300mlの瓶を良く見ると思うが、この小ささは開栓したら残さず全部飲み切ってもらいたいからだ。

味を第一に考えるなら、「無濾過生原酒」は理想だが、実際に製品化するのはなかなか難しい。保存のきく冬に限定して出荷することはあるが、この蔵は通年なのだ。
これを実現するために、ここでは麹造りから搾り方、保存の仕方にいたるまで、様々な工夫をしているという。
その甲斐あって、「風の森」は生酒でありながら、常温で保存しておいても劣化するどころか、逆に旨さを増すことすらある。

「風の森」のラインナップは、3種類の搾り方と4種類の酒米によって分かれているが、最も安い「純米しぼり華(アキツホ)」は1,995円。純米大吟醸でも、なんと2,730円からある。最高クラスの「純米大吟醸斗瓶とり」ですら、3,150円~。
言っておくが、これはすべて1升の税込み価格だ。(約半額で4合瓶もある。)この価格でこの美味しさを実現した努力には、惜しみない拍手を送りたい。

生酒は通常、冷やしてフレッシュな味わいを楽しむものだが、「風の森」は温めるとひときわ旨さが増す。いわゆる燗上がりする酒だ。できれば、ぬる燗(40度前後)でぜひ試してみて欲しい。

これまでに自分が「風の森」を見かけた店は、新橋「晒柿」(07年11月26日紹介)、池袋「半蔵」(次回紹介予定)、浦和「月の岩」(未紹介)…などだ。
ただし、この先も常備されているとは限らないので、その点は注意してほしい。

なお、油長酒造では「火の鳥」という米焼酎も醸している。

油長酒造株式会社(情報は今ひとつ古い…)

地元に愛される銘酒居酒屋、池上「たらキッチン」 (08/1/29)

このブログでは、山手線沿線より南部の店を採り上げることはないと思っていた。実際、自分がその方面に足を伸ばすことは、ほとんどない。
初の例外となるのが、今日ご紹介する「たらキッチン」だ。

場所は、東急池上線・池上駅の近く。改札を出てすぐ左のケンタッキーを左折し、池上商店街の「自転車のスガハラ」と「おもちゃオーツカ」の間の路地を右折したすぐ右側だ。

路地裏に位置しながら、なにげに存在感を放っている。日本酒好きなら、入口のすぐ内側の棚にズラリと並べられた十四代而今の瓶に引き寄せられるに違いない。

店は、小奇麗な和風居酒屋で、正面はガラス張り。入口を入ると、左側に酒瓶の並んだ棚があり、その奥に6席のカウンターがある。右側は4人用のテーブル席2卓と、6人用が1卓。それで終わりと思いきや、更にその奥に10人は入れる掘り炬燵式の小上がりがあり、向かいにテーブル1卓もあるという、奥行きのある造りだ。

カウンター内では、店主の新保さんともう1人の男性スタッフとで調理に当たり、若い女性スタッフ2人が接客に当たっている。
入口近くの棚は、陽が当たることもあってディスプレイ用。実際に揃っている銘柄は、当日メニューで確認する必要がある。

この店で嬉しいのは、「今日のおすすめ」2銘柄がいずれも490円でいただけること。(1杯の量はすべて約0.8合)その日のおすすめは、末尾に記載した店のブログで確認できる。

先週末のメニューでは、白岳仙醸し人九平次が「おすすめ」だった。ほかには、尾瀬の雪どけ(750円)、奈良萬(650円)、七本槍(750円)、天明(900円)、(70円)、飛露喜(800円)、而今(750円)、翠路(750円)、国権(650円)、喜多の華(550円)といったラインナップ。
更にお燗向けのお酒として、一の蔵(520円)、黒龍・純米吟醸(750円)、枯山水(950円)、喜多の華・10年(850円)、黒龍・九頭龍(1,200円)があった。このセレクトは素晴らしい

ここのお燗は、湯煎されたままの徳利で供される。客は、自分好みの熱さになったところで引き揚げる仕組みだ。お湯が滴るのを押さえるお手拭きも添えられているのは、気が利いている。
約3分で熱燗になるらしいが、ちょうど好みの温度で引き揚げるには慣れが必要。正直、純米吟醸を下手に燗付けしては、もったいない気がする。

焼酎は37種類。芋焼酎が、すっきり味の銘柄からコクのある銘柄へという順番でメニューに書かれているのは、いいアイデアだ。(「大正の一滴」→「芋麹・芋」)
ビールはキリンで、一番搾りとラガーがある。

料理は、刺身から珍味まで色々揃っていて、価格は大体450~750円。マグロは本マグロだ。
名物は「わっぱめし」(せいろで蒸した温かい釜めし感覚のごはん)。

店は開業して約7年だが、日本酒に力を入れ始めたのは、ここ3年ほどとのこと。自分が訪れたのは先週末だったが、入る時にたまたま3組の客が重なり、少し待つことになった。奥の小上がりでは、地元らしいグループが宴会を開いており、いかにも居心地が良さそう。
地元の酒飲みを確実にとらえつつある店だ。

たらキッチンブログ

ちょっと洒落な銘酒居酒屋、池袋「昔ばなし」別館 (08/1/27)

銘酒居酒屋の密集エリア、池袋。
その西口の歓楽街ど真ん中にある小さなビルに、居酒屋昔ばなし 別館」がある。
別館と言うからには、当然本館もあるのだが、その場所は埼玉県志木市。そちらはちょっと遠いので、別館をご紹介する。

場所は、池袋駅西口(東武側)のロサ会館の並びで、駅側の角。小さめのビルの6・7階が店になっている。
エレベータで6階に降りると、目の前が店の入口だ。中に入ると、店は右方向に細長く続いている。

内装は和風モダンなのだが、わざとレトロな家具を置いたりしており、意外とオシャレっぽい。白木の板張りの床の所々に窓が付いていて、床下のディスプレイが見える仕掛けになっている。
左側には一升瓶が並べられ、右側のカウンターは6席ほど。適度に照明が落とされていて、落ち着ける。1~2人なら、断然カウンターがおすすめだ。

突き当りが狭い階段になっており、そこから7階に通じている。こちらは個室風のテーブル席。個室は2人用から8人用まである。

店のホームページを見ると、全国の酒屋や蔵元から地酒・本格焼酎を約200種類以上集めたとある。メニューを見た限りでは、そこまで多くはない印象だが、メニューに書かれていないものもあるようなので、確かなことは分からない。
埼玉の銘柄「花陽浴」の文字が間違っていたのはご愛嬌。(たぶんワープロの変換ミス。)

カウンター席では、店主に直接お酒を選んでもらえるので、好みを伝えると美味しい銘柄を見繕ってもらえる。
具体的な銘柄やメニューの一部は、末尾に記載した店のホームページで確認してほしい。
日本酒の場合、価格は650円~1,350円くらいまでだが、中心価格帯は800~900円だ。量が1合に少し欠けていることを考えると、やや割高かもしれない。

焼酎や梅酒も豊富に揃っている。偉いのは、平日限定の飲み放題プランに、地酒10種類、焼酎30種類が含まれていることだ。料金は1,980円だが、総計80種類のお酒が飲み放題という内容を考えれば、飲ん兵衛にはお得だ。

料理も、手作り豆腐(520円)、信州本生手打ち蕎麦(530円)、地鶏の塩焼き(760円)、牛フィレの溶岩焼き(1,480円)…など、かなり幅広い。
珍しかったのは、ダチョウ料理。刺身やカルパッチョ、焼物など4~5種類あった。刺身を食べてみたところ、味は馬刺しに似た感じで、思ったほど癖はない。話のネタに食べて見るのも面白そうだ。

欠点は、プレミア酒が高価な点。十四代の大吟醸山田錦や双虹は小グラスで2,200円、同じく龍泉は5,500円。黒龍しずくが小グラス 2,450円、石田屋が4,550円。
確かによくぞ手に入れたという超高級酒ではあるが、この価格は高すぎだろう。希少酒は必ず値段を確認してからいただくよう注意したい。

とは言え、池袋のど真ん中で、ちょっとお洒落な大人向けの銘酒居酒屋は貴重。デートにも使える銘酒居酒屋として覚えておくと良さそうだ。

→(株)アクロスリング/昔ばなし・別館

900円以内で銘酒が揃う、巣鴨「KUSHIKOMA 井こし」 (08/1/25)

大塚の串駒と言えば、銘酒居酒屋の老舗として名高い。由比正雪を思わせる超個性派の店主・大林禎さんは、かつて無名だった「十四代」を東京で初めて店に置き、広めたことで知られる。

この店はあまりにも有名すぎるので、このブログではあえて紹介していない。
その串駒の総料理長だった井越克徳さんが独立し、2003年7月5日、巣鴨に店を開いた。
その名も「KUSHIKOMA 井こし」。

場所は、巣鴨駅の南口を出て白山通りを渡り、松屋の先にある扇屋不動産の角を右折してすぐ右側。駅から100mほどの近さだ。

店はいかにも純和風。引戸を開けると、すぐ右手に半月形のカウンターがあり、左側が小上がり。正面にはお酒の入った冷蔵庫が置かれている。奥が調理場とトイレだ。
カウンターは詰めても6人まで、普通は4人までと思った方がいい。小上がりには4人用の座卓が2つ、2人用が1つある。

お酒のメニューはあるものの、ここも日によって銘柄が入れ替わるため、冷蔵庫の上部にあるメニュー・ボードを見てオーダーしよう。

今週の銘柄は、飛露喜・特別純米生(750円)、飛露喜・原酒(750円)、悦凱陣(900円)、而今・五百万石・特別純米(780円)、花菱・純米にごり(700円)、鶴齢・特別純米(800円)、三芳菊・特別純米(750円)、奈良萬・純米(800円)、白岳仙・吟醸(780円)、開運・純米(780円)、一生青春・吟醸(700円)、三重錦・純米(780円)、宝剱(700円)、太平海・本醸造(700円)、旭興・本醸造(650円)、天寶一・特別純米(650円)、天青・特別本醸造(650円)、天の戸・純米(600円)、磯自慢・本醸造(600円)。
全て600円~900円に納まっているのが、素晴らしい!

焼酎も20種類ほど置かれている。侍士の門(500円)、吾空の眠蔵(500円)、源太郎蔵(450円)、於茂登・30℃(500円)…などが目に付いた。

つまみは多くが450~700円くらいで、店のホームページに写真付きで紹介されている。この店の場合、お通し(500円)に立派な一品料理が供されるので、下手をするとそれだけで2~3杯飲めてしまったりする。

名物は、イシリみぞれ鍋。いしりとは、イカの肝を発酵させた魚醤のことで、石川県能登の特産品だそうだ。

酒よし、肴よしで、酒飲みにはたまらない店なのだが、欠点は本店と同じくBGMがないこと。調理場のラジオが漏れ聞こえてくるものの、自分は音楽がないとどうも落ち着かない。(中毒…?

ホームページに割引券を掲載しているほか、この手の店としては珍しく、お勘定の際、支払い額に応じたポイント付サービス券をくれる。(1点が100円分
蔵元を囲む会など、イベントもちょくちょく開催しており、近くの日本酒好きなら通いたくなるのは必至の店だ。

KUSHIKOMA 井こし

渋い!鰯料理専門店、新橋「長屋」 (08/1/23)

東京では、この冬初めて本格的な雪に見舞われた。さすがに寒い。
こういう日は、お鍋に日本酒が最高ではないだろうか。たまには純和風の落ち着いた店で、静かにちびちびやるのも悪くない。
そんな時に思い浮かぶのが、新橋の路地裏にある鰯料理の専門店、「長屋」だ。

場所は、新橋のSL広場から烏森神社への路地に入り、神社の前を左折、1つめの路地を右に折れて少し行った右側
店の外観は、店名通りまるで昔の長屋。建物は築50年を経ており、改装の話も出たことがあるそうだが、常連たちの反対で頓挫したらしい。

引戸を開けると、まず入口で靴を脱いで下駄箱に入れる。右手すぐのところに、2階への階段があり、1階は5席ほどのカウンターと、テーブルが1卓だけという小ささだ。
カウンター内には店主と女将が控えており、女給さん(と呼びたくなる)2人が料理を運んでいる。
彼女らの服装は、一見モンペと割烹着に見えるのだが、よく見るとちょっと違っている。

2階は、8畳と3畳の和室2間がぶち抜きになっていて、6人用・4人用・2人用の座卓が全部で6卓ほどある。古さは隠せないものの、掃除は行き届いている。トイレも洋式で清潔だ。

鰯料理の店はいくつかあるが、ここはさすが専門店。50種類以上あるというのは半端ではない。鰯以外の料理は数えるほどしかないが、それでも不満を感じさせないほどバラエティ豊かだ。

煮物・焼き物・揚げ物から、しゅうまい、ソーセージ、果てはいわしパン(315円)や鰯アイスクリーム(420円)まである。鰯パンは、トマト味と豆板醤味の2種類があり、小2個または大1個が同じ値段。アイスクリームも生臭さは一切ない。
料理は価格は630円~840円が中心。
お通しも、もちろん鰯。鰯の刺身(840円)は、季節の草花をかごに盛って提供される。

この季節に食べられるお鍋は、「いわし鍋」と「つみれ鍋」の2種類で、どちらも1人前2,625円(コースは7品で5,250円)。「いわし鍋」は、鰯がぶつ切りで入っている。いずれも10種以上のきのこや山菜がたっぷりで、これだけで満腹になってしまうほどのボリューム。

日本酒は、残念ながらほどんど本醸造酒だが、10種類ほどが揃っている。銘柄は、津軽じょっぱり菊水の辛口北雪・佐渡の鬼ごろし、米鶴かっぱ、浦霞・本込み、土佐鶴越天楽・超特選。
純米酒として、まんさくの花と、美少年・神力があり、大吟醸酒に銀盤・播州50がある。
値段はすべて630円(ただし1合より少ない)。高清水の生酒だけは、小瓶で1,050円になる。

焼酎ボトルも10種類ほどがあり、価格は3,675円~5,775円 。生ビールやビール中瓶は578円だ。サワーやウイスキー、ワインもわずかながら置いてある。

店のBGMは、なんと長唄。窓を開けると、隅田川でも流れていそうな気分にさせてくれる。
最近は鰯もかなり値段が高くなったので苦労もあるかもしれないが、こういう店はぜひ長続きして欲しい。

ホットペッパー/長屋

メニューとの対話 (08/01/22)

どんな人でも、初めての居酒屋に入った時は、まずメニューを見るだろう。特に自分は、かなりじっくり見る。
すべて見終わる前に注文を取りに来たら、見終わるまで待ってもらう。
ページ数が多い場合は、最初の1杯と軽いおつまみだけ注文し、それからゆっくり目を通す。
メニューは、その店の自己紹介であり、最初の対話になるからだ。

まず、料理とお酒のバランスを見れば、その店が料理主体の店なのか、お酒主体の店なのかが分かる。
それによって、注文する品も変わってこようというものだ。

次に、お酒の品揃えを見る。最近目立つのは、焼酎や梅酒を豊富に揃えた店だ。
揃えるのは結構なのだが、人気の銘柄ばかりを総花的に集めるばかりで、ほかの品揃えは頼りない…という店はいただけない。単に目先の流行に乗っているだけの店に思える。

日本酒の品揃えも同じこと。ありきたりの銘柄ばかりの店だと、軽い失望を禁じえない。
自分が注目している銘柄がいくつか置いてあれば、「おう!やるじゃん」と、メニューの先を見るのが楽しみになる。
珍しい銘柄や個性的な銘柄が揃っていると、「ほう!そう来たか」と店主のキャラクターを探る楽しみが生まれる。

値段を見る際に注意したいのは、多くの場合、1杯の量が書かれていない点だ。「十四代が600円は安い!」と思ったら、1合(180ml)の半分程度しかなかった…ということもある。
不自然に安い場合や、注いでもらって1合なさそうだと思った時は、店に量を確認してから、改めてメニューを見直した方がいい。

忘れてならないのは、壁の短冊や黒板に書かれている当日の料理臨時入荷の酒。ここを見落とすと、注文してから後悔することもある。
旬の食材を使った料理や、その時季にしか出荷されないお酒にこそ、その店の実力が現れるものだ。

胃袋や肝臓には、誰しも限界がある。限られた注文数でその店の真価を味わいたいと思えば、おのずと選択も真剣になろうというものだ。

居酒屋で、メニューを見ながらニヤニヤしたり、うなったりしている客がいたら、ぜひ温かい目で見てやってほしい。

安くて旨い!千石「喰飲楽屋 一馬(くいのみらくや・かずま)」 (08/1/20)

大きな駅ならいざ知らず、小さな駅の近くでいい居酒屋を見つけるのは、なかなか難しい。
都営三田線千石駅も小さい駅だが、ここの近くには「喰飲楽屋・一馬(くいのみらくや・かずま)」という居酒屋がある。

場所は、千石駅のA1出口を出て、左方向に旧白山通りを100mほど歩いた左側の地下だ。階段の上には様々な銘酒のラベルや瓶が並んでいるが、ここにある銘柄はあまり当てにしない方がいい。

店に入ると、まず4席ほどの小さなカウンターがある。このカウンターは、入口が近いので冬は少々寒い。
奥のフロアは2つに仕切られていて、それぞれ4卓と3卓のテーブルが置かれている。
適度に照明が落とされた店内は、板張りの床に、木製の棚やテーブル。一見洋風だが、良く見ると調度類に和風のデザインが多く、和洋折衷といったところだ。
フロアの棚には、焼酎の瓶がびっしり並べられている。

年配の店主・菊地さんは、カウンターの中でもっぱら料理を担当し、アルバイトの若者2人がフロアを担当している。
メニューはあるものの、お酒も料理も入れ替わることが多いので、当日確認した方が間違いない。

今ある日本酒は、喜平・本醸造(500円)、・純米(650円)、乾坤一・特別純米(700円)、墨廼江・特別純米(700円)、雪中梅・本醸造(750円)、村祐・純米大吟醸生(900円)、三千盛・純米大吟醸絞りたて(1,000円)など。利き酒セット(1,000)もある。
黒龍正雪も短冊に書かれていた。十四代もかつて置いてあったが、入手困難になってきたため、今は置いていないそうだ。

焼酎の方が種類は豊富で、30種類くらいある。貴重な品種で仕込まれた芋焼酎蔓無源氏」(600円)、鹿児島の麦焼酎「千が飛ぶ」(600円)、黒糖焼酎の逸品「六超」(600円)、プレミアム麦焼酎として有名な「百年の孤独」(1,000円)、球磨焼酎の古酒「月夜にこい」(1,000円)…といったものもあり、焼酎好きには嬉しい品揃えだろう。

梅酒も9種類あって、ほとんど500円だが、白玉梅酒のみ800円だった。その中に、シャトー酒析ワイナリーが造る九夜十日(ここのよとおか)がある。好みは分かれるかもしれないが、これも美味しい梅酒だ。
ウーロンハイやサワー類は400円。

肴はよくある居酒屋メニューだが、どれも内容の割に安く、400~600円くらいが中心。〆鯖の刺身(600円)も、量がたっぷりだ。
安いものでは、岩海苔汁が200円、もろきゅう、梅きゅう、キムチ、にんにくの唐揚、ちりめん焼おにぎり各300円
笑い栗(=焼き栗・500円)、豚のど軟骨スモーク(500円)といった、個性的なメニューもある。
宴会は2,000円(酒代別)くらいからOKだとか。

菊地さんは、アサヒ樽生クオリティセミナーや、利き酒師の資格も持っているのだが、肩の力を抜いて気ままにやっている雰囲気があるので、客のほうもリラックスして飲める。
「安いのに旨い」、小さな駅の近くには、こんな居酒屋も隠れているから楽しい。

食べログ.com/喰飲楽屋 一馬

「量より質」をきわめた店、西新橋「GUIN」 (2008/1/19)

小さな店の面白さは、店主の好みやキャラクターが、そのまま店の個性として現れることだ。
西新橋の「GUIN(ぐいん)」は、そんな個性が光っているアイリッシュ系居酒屋。

場所は、新橋駅の烏森口から、烏森通りを虎ノ門方面へ400mほど直進した左側。日比谷通りを渡った先にある、「ナチュラル・ローソン」の隣の地下だ。
狭い階段を降りて扉を開けると、入口から左側が6席のカウンター、右側が3~4卓のテーブル席になっている。

表のボードには厳選された日本酒の銘柄が書かれているので、和風の店を想像してしまうが、店内は落ち着いたパブのイメージに近い。アイリッシュパブ出身という店主・馬越さんのテイストだろう。
男性客、女性客、外国人のグループ…と、客層も広そうだ。

狭い店なのでお酒の数は絞られているのだが、そのこだわり方は凄い
ビールは、ヱビス生(600円)。以前は黒ビールの東京ブラック ・リアルエール(900円)が飲めたのだが、今は無くなってしまったそうで、ちょっと残念だ。

日本酒は、本醸造が裏雅山流・香華小夜衣、純米酒は本州一群馬泉巻機、純米吟醸が〆張鶴大信州小左衛門
冷やはシャンパンに向きそうな背の高い脚付きグラスに注がれ、1杯の量は145mlほど。お燗は小っちゃな錫の酒器で供される。
大信州が700円で、ほかはいずれも600円と、価格も手頃だ。

この日は、「小夜衣」と「小左衛門」を切らしていたが、代わりに「相模灘」「勢正宗」「Sogga pere et fils J1 Miyamanishiki」が飲めた。「ソガ ペール エ フィス」は、長野の小布施ワイナリーが醸す上品な純米吟醸無濾過原酒だが、このところ入手困難になってきているそうだ。

焼酎も、種類は少ないが同じくこだわりの銘柄が並んでおり、鳳凰美田の秘蔵熟成梅酒(600円)などもあった。
モルトウィスキーやバーボン、ワインもあり、限られた中で一通りのお酒を完備している。
特に目を見張ったのが、スピリッツ類のセレクト。ウォッカはエギュベル、ジンはビーフィーター・クラウン・ジュエル、テキーラはレボリューショナリオ、ラムはトロワリビエールキャプテンモーガン
普通は見たこともない銘柄しかないという、すごい的の絞り方だ。

料理は、野菜が特においしい。樽栽培トマト(450円)といった生ものもいいが、蒸しキャベツと豚バラの胡麻だれ(600円)などの蒸し物が特におすすめ。お造りや焼魚は600円~。豆腐もおいしそうだ。
絶品!!レバ刺(850円)は、全然くさみがなく、内臓系が苦手な自分でも楽しめた。

何を注文しても美味しいものばかりで、しかも値段は手頃。この店の客は幸福である。
BGMも、北欧っぽい曲調の女性ボーカルなどが流れていて、心地いい。

店のマークは、利き猪口に描かれている蛇の目(二重丸)。表の袖看板も、真っ白な看板の下端に、小さく二重丸があるだけというシンプルさだ。
個性的な店名は、たぶんケルト語の「白(GUIN)」から取ったのだと思う。

GUIN

日本酒入門者からマニアまで楽しめる、錦糸町「井のなか」 (08/1/16)

最近の銘酒居酒屋には、燗酒に力を入れている店が増えて来た。錦糸町の「井のなか」も、そんな店のひとつだ。この店で燗酒のうまさに感動したという人は多い。

場所は、錦糸町駅の北口。駅前の吉野屋の前の道を左方向に進み、最初の角を右折して50mほど行った右側にある。

店は木を使った和風ながら、縦横に細長い窓を使った、ちょっとモダンなデザイン。入ると、20人ほどが座れる大きなコの字型のカウンターがメインになっている。その右側にある小上がりは掘りごたつ式になっていて、4~6人用の座卓が3つ。

店主の工藤卓也さんは、茅場町の地下にある「五穀家」日本橋店で日本酒と燗の修行を積み、グルメ誌「dancyu」の日本酒特集でも、銘柄選定の一員に名を連ねる業界の著名人。
「五穀家」から独立してこの店を開店したのは2006年3月31日なのだが、既に店名は日本酒通の間に広まっている。

さすがに日本酒のセレクトは素晴らしい。日本酒通も納得する本物の酒だけを揃えていながら、メニューに記載された地酒がすべて1合1,000円未満におさえられている。こんな店はなかなかお目にかかれない。
1合のほか、1.5合でも注文できるが、値段は単純に1.5倍だ。

中でも竹鶴扶桑鶴には特に力を入れていて、7~8種類ずつのラインナップを揃えている。竹鶴が550~900円、扶桑鶴が550~880だ。その中からそれぞれ3種類を選んだ利き酒セット(1,000円)もある。

そのほかの銘柄は、神亀(900~980円)、春鶯囀(550~600円)、雅山流(750円)、睡龍(750~950円)、成政(850円)、るみ子の酒(900円)、辨天娘(700円)、諏訪泉(950円)、白瀑(800円)、雪の芽舎(800円)、旭菊(700~800円)、萩の鶴(650円)、伯楽星(800円)、鯉川(650円)、初駒(530円)、鶴齢(600円)、悦凱陣(600円)、喜久酔(850円)、秋鹿(800円)。上質な純米酒ばかりで、山廃や生もとといった通好みのものも多い。
臨時入荷の銘柄は、店で直接確認しよう。

お燗は、銘柄ごとに温度や温め方を変え、お酒のおいしさを最大限に引き出す工夫をしている。従って、工藤さんのアドバイスを受けてから飲み方を決めれば、より美味しく飲めるはずだ。(工藤さん以外のスタッフは、今ひとつ頼りない…?)

焼酎は、甘露(600円)、心水(650円)、黒麹萬年(700円)、角玉(750円)、佐藤黒(800円)、おばの蔵から(600円)、松露くろむぎ(600円)、佐藤麦(700円)…など。ビールはヱビス。果実酒などもある。

肴は、長島農園の野菜とハモンセラーノのサラダ(950円)、京都・飯尾醸造のお酢を使った〆鯖(900円)、茨城・鹿熊牧場のかくま豚の角煮(880円)、静岡・杉山農園のわさび漬け(450円)、和歌山の三ッ星醤油を使ったセイアグリー卵かけ御飯(400円)…など、産地直送の素材が魅力。

日本酒関連の書籍や漫画も置いてあって、酒好きの心をくすぐる。
店のキャラクターである(井のなかの?)カエルは、酒肴研究家・神澤柚実子さんの作。
漫画家の尾瀬あきら氏や、日本酒の神様上原浩氏の色紙など、あちこちに飾ってあるお宝も見ものだ。

井のなか

超高級ワインを試すなら、DRCエシェゾー (08/1/14)

1月も半ばになって正月の話題というのも気が引けるが…今年の正月、東武百貨店池袋店で「2003年ロマネ・コンティ福袋」が発売されたのをご存知だろうか?1点限りの福袋で、価格はなんと120万円
言っておくが、中身は750mlの赤ワイン1本だけである。

ロマネ・コンティと言えば、「ワインの王様「ブルゴーニュの宝石」などと評される世界一の高級ワイン。高いのも当然かもしれないが、それにしても2人で1時間もあれば飲めてしまう酒1本が120万円…そんな金があったら、ハーレーのスポーツスター1200を買う人の方が多いだろう。(たぶん)
グラス1杯20万円では、もはや飲み物の値段ではない。

「ロマネ・コンティ」の畑は、小さな畑の多いブルゴーニュ地方でも特に小さく、1.8ヘクタールしかない。ちょっとした野球場と大差ない広さだ。
現在、この畑を醸造・管理しているのは、DRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)社。世界最高と言われる畑で、完熟しただけを手作業で選り分ける徹底した品質管理を行い、伝説のワインを作り上げた。

2003年のブルゴーニュは、記録的な猛暑でぶどうの成長が著しく進み、通常は開花から100日で収穫するところを、80日で収穫したと言う。
そのため、美味しいワインになるのか賛否両論だったのだが、結果的には1990年、1999年に次ぐ歴史的なビンテージとなった。
ただし、全ての生産者が成功したわけではなく、DRC社を含めて、土壌と樹齢に恵まれ収穫を遅めにした生産者たちが成功を手にしたようだ。

ロマネ・コンティは、決して濃厚でパワフルなワインではなく、色も比較的淡い。バランスが素晴らしすぎるがゆえに、むしろ目立たない味わいとも言われる。
そのため、飲み慣れない人には価値が分かりにくいようだが、バラのような華やかな香りと透明感、キメ細かさでは他を圧倒している…らしい。(実は自分もまだ飲んだことがない。誰か飲ませて~!

もともと生産量が少なく、多くても年間7千本ほどしか造られないワインだが、2003年にいたってはわずか3,575本しか造られなかった。
日本に入ったのが何百本かは知らないが、100万円で発売されるや瞬時に売り切れたらしい。現在の市場価格は既に150万円に迫っている。200万円を軽く超える85年や78年に比べればまだマシだが…。

昔からロマネ・コンティは高いワインの代名詞だったが、近年の価格高騰ぶりはちょっと異常ではないだろうか。
2003年のDRCワインでは、「エシェゾー」のコスト・パフォーマンスが最も高いと思う。DRCの中では早飲みに向いたワインだし、栓を空けてから開くのも早いので、ワインをそれほど飲み慣れていない人でも、その美味しさが分かりやすく伝わるはずだ。自分なら、こちらをおすすめしたい。

もっとも、エシェゾーもこれまで5万円程で買えたのが、近年9万円以上にまで値上がりしているから、こちらもおいそれと飲めるワインではない。

最近、中国あたりの成金たちが、石油やマグロだけでなくワインの価格高騰にも世界的に影響を及ぼしていると聞く。
できれば中国の方々には、今一度伝統的な黄酒を見直していただけるよう、切にお願いしたい…!

深夜に小腹が減ったら、新宿「飲食笑商何屋 ねこ膳」 (08/01/12)

昨晩は新宿で、京ダイニングやホテルのバーなど数軒をハシゴしたのだが、その最後に〆のごはんをいただいたのが、コロッケ酒房「飲食笑商何屋 ねこ膳」。ユニークな店名は「いんしょくしょうしょうなにやねこぜん」と読む。
本来は定食屋なのだが、お酒も軽く飲める店だ。

場所は明治通り沿いで、花園神社の隣。一目で分かる、目立つ外観だ。
店内には、ユーモラスな猫のイラストと写真がそこら中に貼ってある。

メニューは、コロッケ、メンチカツ、ミックスフライ、ハンバーグ、しょうが焼き、スペイン風オムレツなど、定食メニューが中心で、値段はどれも580円か680円のどちらか。いずれもボリュームがあってなかなか美味しい。

お酒は、アサヒスーパードライの生または瓶(各500円)、レモンサワーまたは青りんごサワー(各380円)、菊正宗の上撰本醸造生貯蔵酒(300ml・700円)、焼酎(ロック・水割り・お湯割り・ゆず割り・ウーロン茶割り・各380円)、ホッピー(250円)、ホッピー焼酎セット(400円)など。

種類は少ないが、いずれも量が多めなので、かなりお得。
人気のビールセット(アサヒスーパードライ生中ジョッキ+味付メンマ+半熟卵)は600円だ。

ボトルでは、ドイツワイン(白)、チリワイン(赤)猫また梅酒が3,000円。白鯨(米)、いいちこ(麦)、南薫(芋)、久米仙(泡盛)などの焼酎類が2,500円。マッコルリが2,000円。
ボトルのお酒が余った場合は、キープすることもできるし、持ち帰ることもできる。
ここでは氷代もお通し代もサービス料もつかないので、キープしておけば次回はタダで飲めるという、ありがたい店だ。

おつまみは、キムチ、メンマ、ほうれん草のおひたし(各100円)、冷奴(150円)、さつま揚げ、いかの塩辛(各200円)、かわきもの、枝豆(各250円)、餃子(280円)、コロッケ、ホタテフライ、一口カツ(各2個300円)、お茶漬け(鮭・梅各380円)、サバ焼、鯵焼(各480円)、…と、安いものばかり。単品で一番高い「ほっけ焼」でも580円だ。

ごはんは、宮城県産コシヒカリ100%で、ふっくらと炊き上げられている。ごはんの大盛は無料。

朝11時から翌4時まで営業していてくれるので、飲んだ後、の食事を取るには恰好の店。もちろん、安くちょこっと飲みたい時にも最適だ。

ホッピーの飲める店/飲食笑商何屋 ねこ膳

飲ん兵衛好みのセレクション・池袋「楽旬堂 坐唯杏」(08/1/9)

前にもちょっと触れたが、池袋・大塚エリアは日本酒の品揃えが素晴らしい店が大変多い。
その中でも、酒好きが好みそう銘柄を揃えているのが、「楽旬堂 坐唯杏」だ。

場所は、池袋駅東口(西武側)の首都高速5号線の手前。豊島公会堂(区役所の隣)の横の道を高架の方へ進んだ、左側の地下だ。こちらも日本酒の名店、「蛍月」と同じブロックにあると言えば、分かる人もいるかもしれない。

地下の格子戸を開けると、入口で靴を脱いで店内に上がる。
店内は右側が調理場で、左側にテーブル席が奥へと並んでいる。一番奥は座敷のようだ。

日本酒は、正1合と、その半量ほどのグラスの2種類が選べる。
銘柄では、まず「宗玄」「秋鹿」「鶴齢」という、通好みの3銘柄が充実しているのが目に付く。

宗玄」は、純米大吟醸(グラス1,050円/1合1,860円)、特別純米「純粋無垢」、特別本醸造(各420円/780円)などが揃う。
秋鹿」は、純米大吟醸「入魂之一滴」(1,050円/1合1,890円)を筆頭に、純米吟醸、特別純米、特別純米山廃、にごり酒「霙もよう」、純米無濾過吟醸生原酒「へのへのもへじ」など。
鶴齢」は、大吟醸(630円/1,050円)、山田錦の特別純米、五百万石の特別純米(各480円/840円)。

そのほかでは、「奥播麿・白影泉」(580円/990円)、「開運・ひやづめ」(530円/880円)、「るみ子の酒・すっぴん」(480円/840円)、「悦凱陣」山廃(580円/ 990円)、長期熟成酒「鷹長・菩提もと」(ちびグラス380円/グラス530円)…など、50種類近い地酒が楽しめる。純米無濾過生原酒が多いのが特長だ。

飲ん兵衛好みの銘柄ばかりなのは、お見事。その分、日本酒初心者向きの銘柄が少ないので、そこは注意したい。(飲みやすいものがいいなら、お店のスタッフに聞こう。

また、3種類のお酒をセットにした利き酒セットが3セットもある。
「秋鹿」の無濾過生原酒・山廃・にごりのセット、「鶴齢」の3種のセット、「開運」「十旭日」「秋鹿」のセットの3つで、いずれも850円だ。

焼酎は「松露」「松露・うすにごり」「松露・黒麹」(各グラス500円)、麦焼酎は「豪気」(グラス450円)、米焼酎は「宮の誉」(500円)「十年のうたた寝」(700円)「火の鳥」(800円)など。ほとんどはボトルでも頼める。
一応、ビール(550円~)やサワー(480円~)も少し置いてあるが、ご愛嬌程度だ。

肴も当然、酒に合うものが揃う。今の季節だと「鴨つみれ鍋」が2~3人前で2,450円、〆鯖は800円、このわた(580円)、のどぐろ焼(580円)、ゴリの唐揚げ(920円)、からすみ(850円)…等が並び、甘味もある。そばやうどんもあるようだ。
嬉しい300円メニューもあって、メジマグロのハランボ焼、冷しトマト、味噌きゅう、イカ塩辛、たたみイワシチーズ焼、魚の骨せんべい、ホヤ塩辛、板わさ、クサヤ…など、16種類もあった。

朝5時まで営業しており、ランチタイムもあるなど、働き者なところも有り難い。
向かいの地下に「別館」もある。

ぐるなび/楽旬堂 坐唯杏

上質な大人の酒亭、恵比寿「和(なごみ)」 (08/1/7)

今日で松も明けるが、まだ正月気分を引きずっているのが正直なところ。
1年の初めに、ちょっと大人の気分で、上質な酒亭を訪れてみてはいかがだろう。
そんな時の候補に挙げたいのが、恵比寿の「和(なごみ)」だ。ここは、知る人ぞ知る居酒屋の名店。

場所は恵比寿駅西口、駒沢通りの恵比寿南交差点から左斜め前方に入る小路の中ほど。右側の角打ち「丸山酒店」2階にある。

暖簾をくぐると、店内には10席のコの字型カウンター。一応、奥の小上がりに1卓だけテーブル席もある。各席にはそれぞれ折敷(おしき)などが置かれており、それだけでも品を感じてしまう。

店は手入れが行き届いていて、狭いながらも落ち着いた雰囲気。客層は中高年男性が多いが、女性もちらほら見受けられる。
3~4人で行くなら、奥の小上がりを予約した方が間違いない。狭い店なので、多人数で訪れるのは避けた方がいいだろう。

日本酒は約30種ほど。銘酒を揃えた店の多い恵比寿でも、その選択の良さは群を抜いている。

十四代、越乃白雪、明鏡止水、黒龍・三十八号、群馬泉、日置桜、初亀、松の司、羽前白梅、雑賀、醸し人九平次といった銘酒が、750~850円くらい。
ほとんどのお酒に「特吟」「純吟」「無濾過」といった文字が付いている。燗酒は2合からの注文だ。

懐に余裕があれば、醸し人九平次・別誂(1,600円)、東一・純米大吟醸斗瓶(2,500円)などのプレミアム酒も味わえる。更に運が良ければ、十四代「龍泉」黒龍「石田屋」「二左衛門」といった稀少酒に出会える可能性も…。

日本酒だけでなく、焼酎やワインの品揃えも充実しており、料理も酒の肴として惚れ惚れするようなものばかり。
季節によって献立は変わるが、刺身から珍味までハズレはほとんどない。

「莫久来(ばくらい)」(650円)や「スルメイカ肝あえ焼きしょっつる風」(780円)、「栃尾油揚げ〈ねぎ/納豆〉」(550円)といった渋いものがあるかと思えば、東京Xやスーパーゴールデンポーク、フランス産ホロホロ鳥などの凝った素材もあり、「ブルターニュ産うずらの塩焼き」(950円)といったフレンチっぽいメニューも混じっている。
今の季節なら、白子、あん肝なども楽しめるはずだ。

サービスも行き届いている店だが、料理に時間が掛かるのが玉にキズ。早めの注文を心掛けた方がいい。女将さんが「お待たせしてすみません」と声を掛けてくれるので、ここはゆっくり待つゆとりを持ちたい。

美味しい酒と肴が揃っているだけに、勘定が少々高くついてしまうことが多い。だが、それだけの価値はあるので、上質さを求める時にこそ、おすすめしたい。
若者で賑わう恵比寿で、大人がじっくり美酒を堪能できる居酒屋だ。

Yahoo!グルメ/和(なごみ)

本物のお屠蘇とお銚子 (08/1/4)

今日から仕事始め。そろそろお屠蘇気分から脱する頃だ。
ところで、本物のお屠蘇を飲んだことのある人は、関東では少ないのではないだろうか?

お屠蘇は、正月に、無病長寿を願っていただく酒のことだ。
もともとは中国で始まった習慣で、日本には嵯峨天皇の頃に宮中の正月行事として始められ、江戸時代に一般に広まったとか。

東日本では、単に正月に飲む酒を「お屠蘇」と称する場合も多いが、本来は日本酒に本みりんを加えたものに、屠蘇散を7~8時間浸して作るものだ。
屠蘇散とは、漢方薬に使われる生薬を5~10種類配合したもので、薬局などで入手することができる。

屠蘇散には、白朮(ビャクジュツ)の根、山椒(サンショウ)の実、桔梗(キキョウ)の根、肉桂(ニッケイ)の樹皮、防風(ボウフウ)の根などが含まれていて、胃腸の働きを盛んにし、血行をよくし、風邪を予防する効果があると言われている。ただし、正月にお屠蘇をちょこっと飲んだくらいでは、効果は期待できない。

自分で作るのが面倒な人は、お屠蘇を購入する手もある。
たとえば、奈良の春鹿が出している「延寿 屠蘇酒」(300ml・735円)。
春日大社の御神酒造りを千年来担ってきた「春鹿」の蔵元と、平安時代の創業以来、春日大社の警護や奈良市中の治安を守る家柄であった菊岡漢方薬。この2社の奈良の老舗が協力して造った、由緒あるお屠蘇だ。

そう言えば、お屠蘇をいただく際に使われる、取っ手が上についた急須のような形の酒器はお銚子と呼ばれる。
「お銚子」は、元々は神前結婚式の三々九度の時、巫女がお神酒を注ぐのに用いる柄杓のような酒器が原型。急須のような酒器は、本来「提(ひさげ)」が正式名称なのだが、普及するにつれて江戸前期頃からこちらも「お銚子」と呼ばれるようになったらしい。
よく、燗徳利のことを「お銚子」と呼ぶ人がいるが、あれは酒器の名称を混同した結果で、本来は誤用。自分は居酒屋でも必ず「徳利」と呼ぶようにしている。

この際、本物のお屠蘇とお銚子で新しい年をスタートするというのも、日本の正月らしくて良さそうだ。

今西清兵衛商店/春鹿

明けましておめでとうございます (08/1/1)

なんとか昨日で大掃除は目処をつけたものの、結局また今年も年賀状を書けないまま新年を迎えてしまった…。

出勤こそしていないものの、1日から仕事に追われているので、今年もやりたいことがろくにできないまま、休暇が終わるんだろうなぁ。

それでも、明日は今年1発目の新年会。
飲む時間だけは、何とかしてしまう自分がうらめしい。

何はともあれ、今年も頑張っていい店と美酒を追いかけていきますんで、
何卒よろしくお願いいたします!

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