千の酒と、千の店

利き酒師、ワインエキスパート、フードアナリスト等、様々な資格を持つ酒好き会社員が、全て自腹で訪れた東京~埼玉の
数千軒の中から、美味しいお酒の店を選んでご紹介。約380店を最寄駅で検索できる「記事の索引」や、お酒コラムもあり!

2007年02月

東大宮なら、季作で決まり! (07/2/28)

昨日紹介た「しんばし光寿」は、仕事先の近くであり、このブログで紹介する店としては、ほぼ南限のエリアにある。それに対し、ほぼ北限のエリアとなるのが、自分の地元である東大宮だ。
今後、この2つのエリアの間にある店をいろいろ紹介していくことになると思う。

東大宮はさいたま市でも端のエリアのため、店もそれほど多くはない。居酒屋の質・量ともに、大宮駅周辺とは比べ物にならないし、似たような条件の宮原エリアにすら押され気味だ。
そんな東大宮にも、最近ようやくいい店が増えてきて喜ばしい。同じモノなら、都心より確実に安いのが地元のメリットだ。
そんな中で、自分が最も足繁く通っている店が「季作」だ。

場所は、東口の駅前通りからモス・バーガーの角を左折し、セブン・イレブン手前の右側。店先の酒林(入口の頭上に吊り下げられた杉玉)が目印。
道路からちょっと引っ込んでいるし、間口も広くないので、イマイチ目立たないかもしれない。
だが、おいしい日本酒が揃い、深夜でも刺身が食べられ、ごきげんなBGMが流れる店がココだ。

キャパは、カウンター6席と小上がりに3卓だから、それほど広くはない。
現在は大将の小山さんが一人で切り盛りしているので、これくらいが程よい広さだろう。
昔懐かしい柱時計が風情を漂わせるものの、決してオシャレではない、一見ごく普通の居酒屋だ。

だが、まず和紙でペタペタと貼られている地酒の銘柄が、並ではない。
日によって銘柄は入れ替わるが、常時20種類近くが揃っている。よく見るのは、「鷹勇」「俵雪」「天狗舞」「酔鯨」「田酒」「神亀」「秋鹿」「花陽浴」「能代」あたり。価格は500円~1,000円ほど。800円以上の日本酒は純米吟醸無濾過生原酒などの逸品が多いので、コスト・パフォーマンスは高い。不定期で限定酒なども入荷するが、これは運しだいだ。
ビールや焼酎(芋・麦・米)はあるものの、この店もサワー類は置いていない。ただ、多少日本酒が苦手でも、大将に相談すれば必ずや美味しい銘柄や飲み方を提案してくれるはずだ。

料理の品数はそれほど多くないが、深夜でもおいしい肴(魚)が食べられる。大将の出身である気仙沼から直送される魚を主に使っているため、入荷状況によって献立は変わる。
鮪の脳天、鯵のなめろう、一口カツ、自家製つくね等、500円前後の手頃な肴がほとんど。夏はカレー、冬は鍋モノなど、季節ネタも加わる。
意外に女性の常連も多いのは、この手頃さと、わがままにも対応してくれる柔軟性にあるのかもしれない。

この店で忘れてならないのはBGMの魅力だ。カウンターの背後には、大将私物の70年代ロックやジャズ、ソウルのCD・DVD・レコードが並ぶ。出番は限られるが、真空管アンプにベルトドライブのレコード・プレーヤーも現役だ。好みが合えば、リクエストもOK。常連の中には、呑みながら聞きたいCDを店にキープしている者もいる。

大将一人でやっているためか、営業スタイルも臨機応変。
プロ野球のシーズン中は、阪神が勝った翌日「越の景虎」が400円になる。
定休日前の月曜には、ナマ物が処分価格に値下げ。
週末には、限定メニュー「レバ刺」が登場する。

地域限定ではあるが、お近くの方はぜひ一度お立ち寄りあれ!

※「季作」は2007年5月28日をもって一時閉店し、新たに2009年2月13日より、東大宮駅東口駅前に「ちゃぶだい」として復活した。板長として佐々木さんが加わり、お酒も料理もこれまで以上にパワーアップ!ただし、営業時間は深夜1時までとなった。

新橋に銘酒あり。銘酒居酒屋「しんばし光寿」 (07/2/27)

新橋は、いわずと知れた飲兵衛天国の街だ。
特に、安く飲める店の多さは都心でもダントツ。立ち飲みブームを牽引したのはこの街と言っても、まず異議は出まい。

そんな新橋のこと、いい銘酒居酒屋も枚挙にいとまがない・・・かと言うと、そうでもない。
もちろん、地酒を揃えた居酒屋は多い。このところ焼酎に押され気味とは言え、それでもあちこちに「地酒」の看板は見つけることができる。
だが、自分好みの銘酒居酒屋と言うと、かなり心もとないのが現実なのだ。

「自分好みの銘酒居酒屋」としては、以下の7つの希望がある。

 1.有名銘柄だけではない、店のこだわりが感じられるラインナップ
 2.日本酒と相性のいい、イケてる肴
 3.オシャレである必要はないが、清潔感のある店内
 4.偉ぶらず、たとえ忙しくても手を抜かない、快適な接客
 5.かたよりすぎない客層(オッサンしかいないとか・・・)
 6.適度な音量のBGM。JAZZなどの落ち着いたものなら嬉しい。
 7.適正な提供価格

7つ全てを満たしているのが理想だが、そこまでいかなくとも近い線まで満たしていてくれている店が「自分好みの銘酒居酒屋」だ。そうなると、いかに新橋とは言え、かなり厳しくなる。

今のところ、この7つをほぼ満たしている店は、新橋で1軒しか見つけていない。
新橋駅の汐留側、日テレの手前あたりにある、「しんばし光寿」だ。
この店は魚柄仁之助さんの本で知り、この街に通勤することになった昨秋、真っ先に訪れた店でもある。

店はビルの地下にあり、入口も目立たないのだが、夕飯時などは予約しないと入店は難しい。
どれもこれも、こだわりを感じる日本酒の銘柄が約60種類。最初に訪れた時、一目見て、ぜひ飲んでみたい銘柄の数が自分の1日の酒量をはるかに上回っていることを悟った。

日本酒は、小(100ml)と中(170ml)の2サイズから選べる。
中サイズの価格で一部紹介すると、寿喜心(650円)、天の戸(680円)、亀泉(680円)、醸し人九平次・純吟雄町(720円)、墨廼江(720円)、篠峯(750円)、風の森・純吟(800円)、十四代・八反錦(850円)、天領の瀧(920円)…等々。

お品書きをにらみながら、その日に飲む銘柄を絞り込む「苦悩」と「喜悦」の二重奏・・・飲兵衛の脳内麻薬が、早くもスプリンクラー状態である。
更に、追い討ちをかけるような、酒好きのハートをかき乱す肴の数々。季節を感じさせる煮物、焼き物、天婦羅…。
ふぐ子のぬか漬け(480円)、親かなぎ(480円)、イカ肝ホイル焼(580円)…など、否応なくお酒が進んでしまう珍味類も、凡百の居酒屋とは一線を画するいい塩梅だ。
八寸っぽいお通し(880円)として前菜6品盛が供されるので、これだけでも1~2杯は行けてしまう。

もちろん、1日で納まるわけもなく、日をおかず再来したことは言うまでもない。

サワーの類は一切置いていないので、同伴者にも日本酒好きを選びたい。
あまりお酒の得意でない向きには、ビールや梅酒という手もあるが・・・(ウーロン茶もある)。

ここを超える銘酒居酒屋が新橋にあるだろうか。
新橋駅前ビルの立ち飲み屋では“銘柄”で太刀打ちできず、銀座に近い銘酒居酒屋「方舟」では“価格”で勝負にならない。
可能性があるとすれば烏森側だが、今のところここに匹敵する店は発見できていない。

かくして、今夜も、新橋探訪は続く・・・・

●しんばし光寿
http://www.kohju.com/

いきなり珈琲かい!? (2007/2/26)

飲み歩きのブログを始めた初日が、いきなり珈琲のお店とは肩透かしもいいところかもしれないが・・・・。今日入った良い店が珈琲屋だったのだから、しょーがない。

場所は新橋駅前の「駅舎珈琲店」。
SL広場の目の前にある新橋東和ビルの2~3階だ。

ブレンドの価格が800円だから、それだけで却下という人も多いに違いない。だが、すぐお隣の銀座ではごく普通の価格帯だ。
この値段は、珈琲だけではなく、この店で過ごす時間に払うものと思えば納得できそうに思う。

レンガ造りの階段を昇ると、まずそのレンガが本物っぽい。ここからして只者ではない雰囲気がする。
店のドアを開けると・・・レトロ感覚いっぱいのインテリアだ。おそらく、日本に鉄道が通ったばかりの頃の駅舎をイメージして作られたのだろう。

2階を使う人が多いのだが、この店は断然3階の方がいい。窓際の天井は吹き抜け風になっているし、椅子もレトロなだけでなく座り心地が良く、絶対おすすめだ。(おまけに3階の方が空いている。)
天井近くのバルコニーっぽい部分には、古いサックスがはみ出ているボストンバッグが置かれていたりして、なかなか芸が細かい。
店の女性も、「メイド風」というわけではないが、清楚で感じのいい制服を身につけている。
店の人には悪いが、長居するにはもってこいの、落ち着ける雰囲気だ。

今日、自分が飲んだのは、特製アイスカフェ・オレ。これがまた意表をつく代物だった。
グラスの中に珈琲を凍らせたアイスキューブだけが入れられており、目の前でそこにホットミルクを注いでくれるのだ。時間が経つにつれて氷が溶け出し、珈琲の味が次第に濃くなっていく仕掛けだ。

レトロな雰囲気だけでなく、本格的な珈琲と工夫されたメニュー。
こんな店で人を待つなら、多少待たされても怒る気になれない気がする。

●駅舎珈琲店
http://www.towafood-net.co.jp/cafe/ekisya/

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