千の酒と、千の店

利き酒師、ワインエキスパート、フードアナリスト等、様々な資格を持つ酒好き会社員が、全て自腹で訪れた東京~埼玉の
数千軒の中から、美味しいお酒の店を選んでご紹介。約380店を最寄駅で検索できる「記事の索引」や、お酒コラムもあり!

やっぱりはずせない、大塚「こなから」 (07/3/5)

初めて行った時、「ここが東京一の居酒屋では・・・?」と思った店が、大塚の「こなから」。

大塚は、池袋の1つ隣というだけでかなり客足が限られる街だが、こと銘酒居酒屋においては池袋に劣らぬ名店揃いだ。
特に、日本酒好きの間では「大塚四天王」と呼ばれる4店、「串駒」「江戸一」「こなから」「きたやま」の評判は高い。

中でも「こなから」は、現代和食店風のちょっときれいな店内で、女性を連れて行くなら四天王の中でも最適。ただし、数日前に予約を入れておかないと、いきなりの訪問で入れることはまれだ。平日でも、予約で開店と同時に満席というのが普通だからだ。

店内はカウンター10席、テーブル2卓のオープンキッチン。
日本酒が20銘柄、焼酎が10銘柄ほど揃えてあるのだが、ともかく何を飲んでも美酒ばかりで、ハズレがないスタッフ全員が酒通なので、好みの味や銘柄を伝えて、おすすめを挙げてもらうのもいい方法だ。
昔は、聞いたこともないような希少酒ばかりだったのだが、現在はそれほどマニアックではないようだ。(それとも、自分がマニアに近付いたからそう感じるだけか・・・?)ここで呑んだ「醸し人九平次・別誂」の旨さは忘れられない。

この店は生ビールの美味しさでも有名。銘柄はキリンの「ブラウマイスター」なのだが、女将である樋川まゆみさんの注ぎ方が絶品なのだ。アサヒ党なら新橋の松尾光平さん、サッポロ党なら銀座7丁目の海老原清さんに注いでもらうのが最高だろうが、キリン党ならここの樋川さんが最高かもしれない。
日本酒も、一升瓶の底だけを持って、すりきり一杯まで見事に注いでくれる。

料理がこれまた美味い。ジャンルとしては和食ベースの創作料理といったところだが、ちまたによくある「創作和食」の店とはレベルが違う。どれもこれもが(刺身も含め)居酒屋のレベルを超えている
かつて板長だった原透悦さんが麻布十番の「IZAYOI」に移ってからはご無沙汰なのだが、竹本勝慶さんに代わってからも、依然評判は落ちていない。

名物のひとつが、「マグロの酒盗のクリームチーズ和え」。
これが、組み合わせの妙を狙っただけのメニューかと思いきや、日本酒によく合う絶妙の味なのだ。
最近、これと似たメニューを他店でもたまに見かけるが、多分ここが元祖だと思う。

難点は、価格も並の居酒屋レベルではないこと。日本酒は吟醸酒以上のものばかりだし、料理も下手な和食料理店では太刀打ちできないので、内容を考えれば高くないのだが、普通の居酒屋感覚ではちょっとキツイ。
また、いくら混んでいるとは言え料理が遅すぎる、という体験談も見かけた。自分が行っていた頃は、特に遅いと感じたことはなかったのだが・・・・。

個人的には、他店に2回行くなら「こなから」に1回行く方が幸せ!

●こなから(Yahoo!グルメ)
http://gourmet.yahoo.co.jp/0000973149/P052878/

ちょっと自己紹介 (07/3/4)

ブログを立ち上げて一週間経ったところで、簡単に自己紹介しておこうと思う。

子供の頃は、家がビンボーだったこともあり、美味しいものなどほとんど食べたことがなかった。それが高校時代に初めて渋谷の飲食店に入り、この世の中には「美味しいもの」があることを知り、人生が変わった。

以来、手作りで学校近くのグルメMapを作成し、入った店を1軒ずつ塗りつぶしていくような学生に変貌。それまでの反動というやつだろうなぁ・・・。

大学は文学部だったのだが、普通の会社勤めは勤まらないという自信があり、デザイン専門学校を経てグラフィック・デザイナーに。「センスを磨くため」と言い訳しながら、流行の店を行脚する生活を続けた。
やがて独立して表参道に広告制作事務所を設立。時代の流れでWEBデザインの仕事が徐々に増加し、それが仕事の中核を占めるようになった。

その後、大手広告代理店に常駐してWEBプロデュースを行う仕事が舞い込み、いくつかの代理店を渡り歩きながら、田町、目黒、六本木・・・と、あちこちの街の店を開拓。2006年10月から職場が汐留の広告会社に移り、現在、銀座から築地場内まで、あいかわらず様々な店を開拓し続けている。

これまで入った店は、約3,000軒。フード・ジャーナリストやセレブな方々とは比べ物にならないだろうが、ほとんどが自分で選んだ店に自腹で行っている以上、まあこんなものだろう。取りえと言えば、角打ち(酒屋の店先での立ち飲み)から豪華客船のダイニングまでという、守備範囲の広さくらいか。

昨年は、趣味の延長で「きき酒師」資格を取得した。今年はワイン・エキスパート資格を狙っている。

飲み歩き以外にも様々な方面に興味が尽きず、毎年新しいことに手を出しているのだが、飲み歩きが一番の趣味であることは、多分永遠に変わらないだろう。
座右の銘は、「元気に百(歳)まで飲む」。

本物の白酒 (07/3/3)

今日は桃の節句。古風に言うと「上巳(じょうし)の節句」、今風に言うと「ひな祭り」だ。
桃の節句には、昔から草餅や白酒をいただく習わしがある。

平安貴族は、中国の故事にならって毎年3月3日に宴を催し、盃に桃の花を浮かべた「桃花酒(とうかしゅ)」を飲むのが習慣だった。
それが白酒に替わったのは、江戸時代。神田にあった豊島屋が売り出した「白酒」が大ヒットしてからだ。

なんでも、初代・豊島屋十右衛門の夢枕にある晩お雛様が現れ、白酒の美味しい作り方を伝授されたという。どこかで聞いた風なエピソードではあるが、豊島屋の白酒は独特の粘りと甘みで女性にも飲みやすく、たちまち江戸中で大人気となった。“山なれば富士、白酒なれば豊島屋”とまで詠われたとか。
更に、白酒と桃の花との組み合わせが紅白でおめでたいということで、ひな祭りに白酒を飲む風習が全国に広がったらしい。
まさに「土用の鰻」に次ぐ、江戸時代の超ヒット・キャンペーンだ。

よく「白酒」を「甘酒」と混同している人がいるのだが、この2つはまったくの別物。
「甘酒」は、蒸米(もち米)に米麹と水を混ぜ、55℃前後で一昼夜保温することで、デンプンを糖化させた甘味飲料。一般家庭でも簡単に作れ、一晩でできることから一夜酒(ひとよざけ)とも呼ばれた。アルコール分はほとんど含まれないため、酒というのは名ばかりで、子供でも飲める。(酒税法上、アルコール分1%未満のものは「酒」とされない。)
酒粕に砂糖や水、生姜を加えて作ったものも甘酒と呼ばれるが、こちらは若干アルコールが含まれる。

一方「白酒」は、蒸米(もち米)と米麹に味醂または焼酎を混ぜて発酵させ、約1ヶ月間(豊島屋では2ヶ月以上)熟成させた後、石臼ですりつぶしたもの。糖質45%程度と甘味は十分だが、アルコール分も9~10%程度含まれる。一般家庭では作れないし、子供は飲めない立派なお酒だ。(酒税法ではリキュール類に該当。)

かつて豊島屋では、節句シーズンになると夜明け前から白酒を買い求める客が殺到し、けが人に備えて医者を待機させておくほどだったという。
現在でも、豊島屋は江戸時代とほとんど変わらぬ製法で白酒を造り続けている。
幸い、今ではインターネットで購入可能なので、けがをする心配はなさそうだ。ただし、1シーズン約6,000本限定のため、売り切れ御免と言う点は、昔と変わらない。

まあ、自分は辛党なんで、どちらかと言えば「桃花酒」の方が好みだけどね・・・

●豊島屋
http://www.toshimaya.co.jp/


銘酒が安い!西新宿「すみよし」 (07/3/2)

西新宿の銘酒居酒屋といえば、まずその名が挙がるのが「吉本」。(お笑い劇場にアラズ。)
吉本は確かに最上級の日本酒を揃えた店だが、店の雰囲気や価格帯は、居酒屋と言うより割烹に近い。自分にはちょっと敷居が高いというのが本音だ。

同じ西新宿でも、居酒屋「すみよし」ならずっと安く銘酒が楽しめる。
場所は小滝橋通りから一本入った裏道にあるため、ちょっと分かりにくい。
「ⅰタウンページ」で地図を確認した方が間違いないだろう。(↓最下部に記載)

外観も店内も、一見何の変哲もない居酒屋なのだが、窓際や入口に並べられた一升瓶が、誘蛾灯のように日本酒ファンを惹きつける。(自分も、店の前を通りかかったら、立ち去ることかなわず・・・。)
ここは、新潟を中心とした全国の銘酒を見事に揃えている。しかも、「幻の銘酒」と言われるような銘柄、他店で外箱は見るものの中身があった試しがないような稀少酒が、ここではすべて実際に味わうことができるのだ。

もちろん、そうした稀少酒は価格もそれなりだが 総じてこの店の価格は実に良心的だ。銘酒をこれだけ安く提供している店は、都心ではなかなかない。特に「十四代」や「黒龍」のファンにここのメニューを見せると狂喜乱舞するので、連れの方はご注意願いたい。
店の親父さんも本当に日本酒好きと見え、お酒について質問すると、実に楽しそうに説明してくれる。

一品料理も350円からと、これまた安い。素朴な新潟家庭料理は日本酒によく合い、盃が進む。
2時間限定飲み放題コースにも、地酒が何種類か含まれるのが嬉しい。
一応付け加えておくと、焼酎も100銘柄を超える品揃えだ。

●すみよし(ⅰタウンページ)
http://nttbj.itp.ne.jp/0353899119/index.html

新橋最強の立ち飲み屋「竜馬」 (07/3/1)

新橋といえば「立ち飲み」、「立ち飲み」と言えば新橋。
このエリアに何十軒あるのか分からない立ち飲み屋だが、その中で最も有名な店が「竜馬」だろう。
昨今の立ち飲み屋ブームは、この店から始まったと言っても過言ではない。

人気の秘密は、安くて豊富なメニューと、立ち飲み屋らしからぬオシャレっぽさ。
まず、カウンターの背後にずらりと並べられた焼酎が壮観だ。焼酎には専用メニューが用意されており、「森伊蔵」「魔王」「百年の孤独」といったプレミアム物まで揃っている。(これらは一人1杯限定。)種類が多すぎて迷ったら、店主の砂押さんや奥さんの櫻子さんに聞けば、オススメを選んでもらうこともできる。

焼酎に比べ、日本酒は4銘柄(500円)と、いささか物足りないのが残念。
だが、そのセレクトはなかなかのものだ。
野積杜氏の名人・高浜春男氏が醸す新潟の代表的人気酒「八海山」、能登の名杜氏・波瀬正吉氏が磨き上げた静岡の銘酒「開運」、安芸津杜氏の土居教治氏率いる高知の純米吟醸「酔鯨」、同じく高知を代表する司牡丹酒造の辛口純米「船中八策」という、珠玉のラインナップだ。

飲み物も肴も、ヘタな居酒屋まっ青の品揃え。
オーダー数トップ(たぶん)の「鮪の中落ち」は、大盛りで400円。
かなりボリュームがあるので、これは驚きの安さと言っていい。

ここでは、入店したらカウンター上の小さな籠にまず現金をいくらか入れておく。(写真参照)
注文に応じて店のスタッフがそこから代金を引いていくという支払い方式になる。さしずめ「お任せキャッシュ・オン・デリバリー」といったところか。かつて1回だけお釣りを忘れられたことがあったが、(もちろん申告したらすぐもらえた。)最近は目の前に硬貨を示して確認してくれるので、そういった心配もなさそうだ。

オシャレっぽい造りもあってか、女性客の多さでも新橋随一。
カウンターのほかにテーブルも1卓あるが、競争率はかなり高い。

難点は、人気がありすぎて入れない場合も多いこと。「新橋最強の立ち飲み屋」と言われる店なので、雑誌などでもさんざん紹介されてきた。一種の有名税と諦めるしかない。
客はできるだけ間隔を詰めて立つのがこの店のルールだが、それでもピークの時間帯には入りきらなくなる。店からあふれた客が表の路上で飲んでいるのも、おなじみの光景だ。初めて行く人には少々分かりにくい立地なのだが、これが格好の目印になる。(その時は店に入れないということだが・・・。)

坂本竜馬の命日(11月15日)や、開店記念日(2月最終週)はセール期間となり、こっちが心配になるほどの激安になる。(七周年記念だった昨日は、7時まで「一番搾り」が100円!)

なお、洋酒が好みという人には、目と鼻の先に姉妹店の立ち飲みバー「龍 ORYO(おりょう)」もある。


■立ち飲み 竜馬(「次に流行る!」の紹介ページ)
http://www.foodrink.co.jp/next-vogue/200502/050226.html

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